2008年 12月 31日 ( 1 )

ロンドンの楽譜・楽器ショップ


クリスマスが終わると、26日からロンドンは一気にWinter Saleが始まります。
日本では歳末大売出しにあたるセール。日本と違うところといえば、値下がり率が半端じゃないこと(時には90%オフなども!)と、イギリス人誰もかれもが、取り憑かれたかのようにウィンターセールに走ること。

ついでにもう一つ違うことといえば、クリスマスを一日でも過ぎると凄まじい勢いでイルミネーションを一斉撤去する日本とは違って、ロンドンでは1月半ば位までそのままイルミネーションが付きっぱなしです。とはいっても今年は不景気のせいで、イルミネーションも冬のセールも、なんとなく活気がないのですが・・。

さてセールといっても、洋服や靴に関しては、引越し直後で頭が飽和状態なのか、今は特に買いたいものもないので、ロンドン最大の楽譜・楽器ショップのセールに行ってきました。

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チャペル・オブ・ボンドストリート (Chappell of Bond Street)
http://www.chappellofbondstreet.co.uk/

渡英以来、何度通ったか分からないという位、愛用させて頂いているショップです。

なんと創立1811年とのことで、200年の歴史を誇る楽譜&楽器店。
その名の通り、昔はBond Street駅近くにあったのですが、2年位前に移転して、今はトッテナムコートロード駅とオックスフォードサーカス駅の間にあります。トッテナムコートロード駅から行く場合、駅を出てオックスフォードストリートをオックスフォードサーカス方面に進み、途中のWardour Streetという道を左に曲がってしばらく進むと左手に入り口が見えてきます。

このお店はYAMAHAの代理店にもなっていて、楽譜の他にもピアノを含む様々な楽器やその関連用品など、YAMAHAの製品を中心に、とても充実したラインアップです。


さて、寒い中Chappellに到着し、夫はトランペット関連用品売場へ直行、私は地下の楽譜売場へ。

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物価の高いイギリスですが、楽譜、特にヨーロッパの出版社のものは日本で買うよりずっと安く、また日本では売っていない出版社の楽譜も手に入ります。

この日はセールだということもあって更に安く、ヘンレ版の各種楽譜なども半額になっていました。例えばラベルの「水の戯れ」の楽譜は、値引き後なんと3ポンド(今のレートだと500円以下!)。

ラフマニノフの楽譜も、日本では見たことのない版のものや、トランスクリプションの楽譜も沢山あります。二台ピアノの楽譜、連弾用の楽譜、チェロやバイオリン、フルートその他の楽器、ミュージカルやオペラの楽譜なども充実。

子供の導入用ピアノ楽譜に関しては、トンプソンやバスティン、バーナム、などは、イギリスでもやはり人気で簡単に手に入ります。一方、日本ではよく使われているバイエルやハノン、ツェルニーは、比較的少ない気がしました。 

あと、日本では見かけない光景といえば、英国王立音楽検定(Grade Exam)用のテキストや楽譜類が、かなりのエリアを独占していること。(参考:写真は自宅にある検定対策用テキストです)

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この試験は、 エリザベス女王を総裁に持つABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music)という、Royal Academy of Music、Royal College of Musicなど、イギリスの主な4つの音楽院が共同で運営している団体で、100年以上の歴史を持つ世界最大の音楽検定。UK全土はもちろん、世界90ヶ国以上で、毎年62万人以上が受験しているというマンモス検定です。

イギリスでは、公立や私立の小中学校からの団体申し込みもある程一般的で、私がロンドンでこれまでに教えてきた生徒さん方も、現地出身のお子さん・駐在員のお子さん関係なく、かなり多くの方が受験してきました。

実際に検定を受ける生徒さんの試験準備指導をしてきて思ったのは、この検定は、実技(時代・スタイルの違う3曲)の他に、スケール、アルペジョ、オーラル(ソルフェージュのようなもの)、初見など、演奏する上で必要なスキルや知識が満遍なく課題に含まれていて、検定の為に用意しているといつのまにかきちんと総合的な音楽能力がついていく、本当に良くできた検定だなぁ・・といつも思います。
特にオーラル試験は日本のソルフェージュ試験よりも、もっと感覚的なもの重視したユニークな問題があったり、初見に関してはかなり難しめの問題も出題されるので、対策本で準備をしているうちにいつの間にか、どの生徒さんも譜読みの力がかなりつきます。

ちなみに日本でも、Roland等を通して受験することができます。(通訳もちゃんと付くそうです)http://www.roland.or.jp/activity/sponsor/abrsm/



話は戻ってチャペルの店内。
地下は楽譜売り場、Ground Floorは電子ピアノ、トランペットやギターなどの楽器や楽器関連用品などの売り場、そして1st Floorはピアノのショールームになっています。ヤマハの代理店だけあってヤマハの各種ピアノがずらーーっと並んでいます。ショールームといっても、ヨーロッパ風の重厚な内装の中に、これだけのピアノが並んでいると、圧倒されてため息が出てしまいます。奥はランチタイムコンサートなどが行われているスペースも。



で、結局今回は、
自分用に探してた楽譜は見つからず、
生徒さん用の楽譜を数冊買ってお店を後にしたのですが、

楽譜売場って、何か買うか買わないかに関わらず、
私にとって電気屋さんや本屋さんと並ぶくらい、何時間でもいれる楽しい場所のひとつだなぁ・・と改めて思いました。

楽譜をぱらぱら眺めながら、どんな響きだろうとか、
どんなプログラムの中のコンサートで弾いたら合うかなとか、
色々イマジネーションしてる時間が楽しい。

ちなみにロンドンの主な楽譜ショップは、
今回行ったChappell of Bond Streetの他に、
ケンジントンピアノ(ケンジントンハイストリート)
 http://www.kensingtonpianos.com/
チャイムズ (ケンジントン・バービカン・ロイヤルアカデミー内)
http://www.chimesmusic.com/
などなど・・。売り場面積はまちまちですが、そのショップにしか置いてない商品など掘り出し物も多く、どのお店もそれぞれの味があって面白いです。

音楽好きな方はロンドンの観光スポットとしても、お土産探しのショップとしてもオススメです。


気づけば2009年まであと数時間。
日本ではちょうど今ごろ紅白歌合戦。
うーん、ジェロの歌、聴きたかった・・・。


みなさま、良いお年をお迎え下さい。
by sayaka-blmusic | 2008-12-31 21:57 | ロンドン音楽事情