2006年 10月 27日 ( 1 )

日本語

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最近、友達に頼まれたり知り合いに紹介して頂いたりで、
何故か「日本語」を教える機会が増えてきて、
ピアノ出張レッスンや自分自身の練習の合間に、
現在3人の方に時々日本語を教えさせて頂いています。
2人はイギリス人の方で1人は韓国人。

といっても私、日本語教師資格持ってるわけでも日本語教授法勉強した訳でもないただの素人なので、そのことを了解して頂いた上でランゲージエクスチェンジや半ボランティアのような感じでさせて頂いているのですが、毎回「へええ!」と驚くような新しい発見が多く、私にとっても本当に良い経験になっています。


一人目はイギリス人のCさん。
お仕事で日本語で使われる機会も多く、
日常会話は驚くくらいペラペラなんだけど、
時々文法的な面で混乱してしまう時があるとのこと。


この間質問を受けたのは、「付く」と「付ける」の違いについて。

「ゴミが付く」「シールを付ける」
のように、自動詞、他動詞という違いがあるということは理解できるけれど、

「付かない」「付けない」「付きます」「付けます」のように、
色々形が変わると、どうも分からなくてなってしまうらしい。

普段、日本人の私たちは全く無意識に使い分けてるけど、
こうやって改めて考えてみると、確かにややこしい。


うーーーんと、えーーーーと。どうやって説明しよう・・。


!!!(記憶の底から何かがひらめいた音)


「付かない」「付きます」「付く」「付けば」・・・

中学校の国文法の時間の時に勉強した
「五段活用(だっけ・・・??)」とか「下ナントカ活用」の記憶が少しだけ蘇って来る。
連用形とか、連体形とか、覚えているようないないような・・・。


怪しげな記憶をたよりに、

「付かない」「付きます」「付く」「付く時」「付けば」「付こう」

「付けない」「付けます」「付ける」「付ける時」「付ければ」「付けよう」

と、表に書いて説明したら、Cさん、

「ああ!じゃあ、『付ける』の方は、『食べる』と同じなんですね!」と大納得。

ん? たべない、たべます、たべる・・・
おおお!本当だ!そうです!そのとおりです!!


こういうのって、日本人よりも、外国人の方がすぐにピンと来るんだなー、不思議。
自国語って、いかに普段文法を意識しないでしゃべっているかが分かる。

外国語として何か言語を学ぶ際には、
なんだかんだいって文法ってとても大事だし、
文法の面から考えてこそ、クリアに理解できる点も多いんだなと改めて思いました。

それにしても、
中学の時の国文法の時間は正直、
(日本人が日本語の文法勉強して、一体全体いつ役立つんだろう・・)
と思いながら勉強してたけど、
10数年の時を経て人生で初めて「国文法」の知識が役立ちました。うーん感激。

帰ってネットで色々調べ直していたら、「未然形」「イ音便」とか
忘れかけてた記憶のかけらが、少しずつだけ戻ってきました。

ロンドンに住んでいると、
今後も何かと日本語を教えさせて頂く機会はちょこちょこありそうなので、
私自身、日本語の文法はちゃんと勉強しなおさなきゃな、と思います。



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話は変わって、次は韓国人のJさんとのレッスン風景。

Jさんは日本語はまだ初心者で、日本語検定4級に挑戦するために勉強中。
特に発音をきちんとマスターしたいということで、
ネイティブの発音に続いて、リピートする練習をしたいとのこと。

おお、ネイティブ、なんだか良い響き。
そうよね、私、日本語はネイティブスピーカーなのよね。

普段は怪しげな英語で肩身狭く過ごしているので、
取り合えず日本語を堂々と話せるのは嬉しい。


ところで韓国は、日本語と同じく中国語から入ってきた言葉がたくさんあるので
驚くくらい似た単語も多い。
韓国人は漢字も読み書きできるし、そういう意味で、
韓国人にとって日本語を学ぶ時のハンディは欧米人よりはるかに低いと思う。

また、発音的にも近いところがあるのか、
イントネーションを一度覚えてしまえば、
かなり日本人に近い発音ができる。


しかしどうしてもJさんが苦手な発音がある。

「ず」の発音と「が」の発音。

「すずしい」は、何度練習しても「すじゅしい」になってしまうし、
「がっこう」は「かっこう」になってしまう。

「ず」と「が」の発音は、韓国語には存在しないんだそうです。

ちなみにこの二つの発音は、イギリス人にはなんなくできる。
確かに「zoo」とか「guide」とか、
「ず」や「が」に近い発音が入った英単語はたくさんあるし。



そんな中、韓国人Jさんからふと一つの質問が。

「あのー、
『行きました』と『行きました』
発音はどちらが正しいですか?


・・・・・・・・・・・・・・・・。


えーーーーーと。



「行きました」と「行きました」
同じ、ですよね・・・・。

するとJさん、

「いえいえ、違います、最後のところが。
もう一度言いますね。
まず一つ目は、


『行きました』 



ふむふむ。で、もう一つは?



『行きました』




・・・・・・・・・。


うーん、私にはやっぱり全く同じに聞こえる。

ちょうどその場に居合わせていたイギリス人の友達に
この違いは分かる?と聞くと

「うん、全然違う」

とのこと。


えええええ!!イギリス人には違いが分かるのね!

ということは、日本語なのに、
イギリス人と韓国人には発音の違いが聞こえて、
何故か日本人の私にだけ違いが判別できない音があるらしい。


とりあえず、
日本語的には「どちらでもOK」と説明したところ、
Jさんは半分不思議な顔をしながらも納得してくれたのだけど、

私にとっては未だにナゾです。
だってどう考えても、何度聞いても、全く一緒だったんだもの。



同じ人間なのに、発音できる音に違いがあったり、聴こえてくる音に違いがあるというのはすごく面白いことだと思う。


街で通り過ぎる他の人と、
もしかしたらこの街に溢れる車の音や鳥の声や風の音の聞こえ方も、
実は少しずつ違っているのかもしれない、と思うと
それぞれの国、それぞれの文化で、全く違う音楽が発展してきた理由が更に納得できる気がします。
by sayaka-blmusic | 2006-10-27 22:30 | ロンドンでの日常生活