2006年 10月 08日 ( 1 )

Vol.3 言語 (サンマリノ国際コンクール日記)

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世界30カ国以上からの参加があったこのコンクール。
一体出場者同士は何の言語でコミュニケーションしているのか。

それはもちろん英語でしょ、と思う方が多いかもしれませんが、


違うんです!!



私がこのコンクールで衝撃を受けたことは山ほどあるのですが、
そのうちの一つは、出場者のピアニスト達の語学の堪能さ。

皆平均して3,4カ国語が話せるんです!!

自分の故郷の国の言語、
留学先の言語、
英語、

という3つが話せるのはごくごく普通のこと。


例えば同じ部屋だった中国人のJieも
ノルウェーの音楽院に留学中なので、
中国語の他にノルウェー語が話せるし、
同時に完璧な英語も話せる。

そういえば日本から留学している人でも、
ドイツやフランスに留学している人は、
自然と3ヶ国語が話せる人が多い。


もう一人のルームメイト、リトアニアのDaivaのように
旧ソ連やその周辺地域から来た人は、
自分の国の言葉のほかにロシア語も話せる人が多いので、

自分の国の言葉 (Daivaの場合リトアニア語)
ロシア語、
留学先の言葉、(Daivaの場合ドイツ語)、
英語、

というように4ヶ国語が「標準装備」となる。

あと、別に留学先の言葉でなくても、
コンサートや講習会などで世界各地に行く機会の多い人は、
フランス語、ドイツ語、イタリア語など、
ヨーロッパの主要言語の日常会話はマスターしている人も多い。

すごすぎる・・・・・尊敬です。

そういえば「のだめカンタービレ」の千秋真一くんも、
ドイツ語、フランス語、英語、日本語が話せていたけど、
まさにあんな感じです。

なので、出場者同士も、
お互い何の言葉が話せるか確かめた上で、
お互いにとって一番コミュニケーションしやすい言葉で話しているし、
それは必ずとも英語とは限らず、
ドイツ人でもない二人がドイツ語で話してたりする。

「英語以外の言語を、1から更に勉強するなんて、
もうキャパシティーオーバー。絶対無理。」と思って、
最初から留学先をアメリカかイギリスに絞り込み、
結局その英語だけでも未だに苦労し続けている私にとっては、
衝撃的な光景でした。




今回この状況を見ていて、
やっぱりクラシック音楽をやっていく上では
ドイツ語を勉強したいな、と思った。
(いや実際高校でも大学でもドイツ語の授業とっていたはずのだけど、
数と挨拶以外全部忘れた・・・・・)

あと、私の愛してやまない作曲家、ラフマニノフの生まれ故郷の言語としてロシア語も少し勉強してみたいなと思った。

音楽や演奏って、ものすごくその人の「言語」が影響してくると思うんです。

例えば、日本人は一般的に「レガート(つなげてなめらかに演奏すること)」が苦手って良く言われるけど、
ひらがなの「1文字=1音」に慣れてしまっている私達は、音符を読んでも
「あいうえおかきくけこ」のように全部を均等にクリアに読まなければいけないと本能で思ってしまう。

作曲家は、楽譜上にたくさんの「ほとんど発音しない音」も書き込んでいるのに、
私を含め日本人の多くは、そのような音がどれなのか、直感的に気付くことは本当に難しい。

例えば、ドビュッシーの音楽って、フワフワーッと宙に漂うように消えて行くはっきりとしない音も多くてすごく「フランス語的」だと思うし。

それと同様、ラフマニノフの音楽も、ものすごく「ロシア語的」だと思う。
ボスッボスッと一つずつ深く食い込むような響きとか、一音一音から次につながる余韻とか。

もし少しでもロシア語を勉強したら、ラフマニノフの曲も、
もっと直感で色々なことが理解できるようになるかもしれないな、と思った。

一番上の写真は、ウクライナのDinaraとリトアニアのDaivaと一緒に。
二人ともそれぞれウクライナ語とリトアニア語が母国語なのだけど、その他にロシア語も英語もペラペラ。二人の間ではロシア語で会話し、私も交えて話す時は英語に切り替えてくれる、という感じです。
by sayaka-blmusic | 2006-10-08 20:43 | サンマリノ国際コンクール