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リアル24?? 恐怖のペイントボール初体験

今話題のペイントボール、初体験してきました。
ペイントボールとはアメリカで発祥したスポーツゲームの一つで、基本的には2チームに分かれ、圧縮ガスを利用した銃で、小石サイズの塗料入りの弾(ヒットすると弾が破裂して色が付く)を打ち合うゲーム。

アメリカで1981年に発祥し、現在ではアメリカだけでなくヨーロッパ全土において大人気で、プロチームによるリーグ戦もあるというから驚き。最近はアジア、日本にも広まってきているとのことです。

ロンドンにも、ペイントボール専用の屋内・野外施設がいくつかあるようです。
今回私達が利用した「ELECTROWERKZ 」もペイントボール専門の屋内施設。
ロンドンの金融街シティのはずれのAngel駅から徒歩2分くらいのところにあります。

友達同士や、会社や学校のイベント等で20人以上で申し込むと、施設ごと借り切ることができるということなので、私も知り合いに誘われて今回参加させて頂きました。費用は一人約15ポンド+弾代(各自希望する分だけ買う)。物価の高いロンドンでのエンターテイメントとしては比較的気軽に楽しめる値段です。

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上の写真はペイントボール会場「ELECTROWERKZ」の入り口。会場に入ると、まず着替え。ペイントボールでは弾が破裂すると塗料で色が付くため、汚れてもいいように、会場備え付けのつなぎのアーミー服に着替えます。

心臓部分等を守るプロテクターも各自に配られます。
この時点でふと疑問が・・・。
小型ピストルみたいなので撃ち合う水鉄砲ゲームみたいなのを想像してたのだけど、
水鉄砲だったらプロテクターはいらないような・・・。 もしやかなり痛い&危険・・・??

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着替えた時点で女性メンバーで記念撮影。ジャージの上にプロテクター&アーミー服で、モコモコ状態です。これなら弾あたっても痛くないかも。

しかしここから更に完全防備に入ります。
各自必要分だけ弾を購入し(1袋5ポンド)、弾入れサックを腰に巻いて、更にフェイスマスクをかぶります。ゴーグルを付けるとは聞いていたのですが、ゴーグルというより完全にガスマスク!

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この姿になると誰が誰だか殆ど判別不可能です。(ちなみにこの写真は私ではありません)
この格好で20人以上がわらわらいるだけで怖すぎ。

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上の写真はゲームで使う弾丸(ペイント弾)。塗料入りと聞いていたので柔らかいのかと思っていたのだけど、表面は結構硬い。普通に地面に落としてもなかなか割れません。

ゲームフロアに入る前に、係員から安全事項について厳重な指示と注意がされます。
「危険なのでどんなことがあってもフロア内でマスクを外してはいけない。ゲームが終わったらすぐに銃口にキャップをし、ゲームエリア以外に絶対に銃を持ち出さない」などなど。
いよいよゲームの行われるエリアに入ってみると、中は3~4フロアから成る巨大な廃墟風の内装になっていて、石造りでひんやりする薄暗く不気味な空間に、土管や飛行機やトラクターの残骸が配置されていてリアリティありすぎです。

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上の写真は、1つのフロアのわずか一部分。内部は迷子になるほど入り組んだ3~4階建ての建物で、ここの全てのフロア及び階段や廊下なども使って20人以上で一斉にゲームをすることになります。

次にゲームで使われる銃が一人一つずつ手渡されます。
最近は「銃」という言い方に含まれるネガティブな言い方を避ける為に「ペイントボールマーカー」と呼ばれていると聞いていましたが、ここの係員達は思いっきり「Gun」と言っていました(笑)

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実際私から見ると、会場の薄暗い雰囲気も手伝ってか、銃を通り越してマシンガンに見える・・・。しかも思ったよりかなり大きいし重い。弾を飛ばす為の圧縮ガスのボンベが付いています。

審判がテストで何発か発砲。

ズドドドドドドドドド。

ひいいいいいいいいいいいいい!!!!

爆音の銃声(しかも石造りの屋内なのでやたら響く)を至近距離で聞いたことなんて産まれて初めてなので、もう音だけでびびってしまって逃げ出したい気分。仲良く水鉄砲でぴゅっぴゅっという、昔なつかし「風雲たけし城」のイメージとは180度違いました。

約3時間の貸切時間で休憩を挟みながら、合計5つの違ったゲームを2チームに分かれて行うことになります。

まず審判から1つ目のゲームのルール説明が始まる。
土管の沢山並んでいる、最上階の部屋のみを使って、2チームが逆側からお互いの陣地にある旗を目指して突進していくという、棒倒しのペイントボールバージョン。打たれた人は自己申告して随時退場とのこと。

うーーーーピアノの本番にはない、変な種類の緊張・・・。背中に悪寒が走ります。
何が怖いってこの建物の雰囲気が怖すぎ。そしてこのアーミー服の銃を持った軍団(私もその一員な訳だけど)も怖すぎ。このまま更にゲーム開始になって撃ち合いが始まったら私失神するかも・・・。

いよいよゲーム開始。
最上階のフロアに移動し、審判(marshal)の合図と共に、銃声がそこらじゅうに一斉に鳴り響く。

男性陣は果敢に撃ちながら土管の陰を伝って、相手の陣地めがけて進んで行っているものの、私は銃声の爆音にすっかり腰を抜かしてしまい、土管に隠れたまま、1,2発撃つのがやっと。しかもその僅か1,2発撃とうとした際に、しっかり弾をくらってしまい即行退場。弾を撃たれると、手を挙げて審判に自己申告し、横のエリアに各自退場します。

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ちなみに土管はこんな感じ。このような土管が隠れ場所として会場内に無数に置いてあります。(上の写真はゲーム中ではりません。ゲーム中は危険すぎて写真を撮るのはとても不可能でした・・)

一つ目のゲームが終わった時点で、既に顔面蒼白で立ち尽くしている私に、周りの皆は「サヤカは取り合えず手袋した方がいいよ、絶対!」と薦めてくれて、会場からプロテクタ付きのごつい手袋を借りて装着。よし、これで取り合えず手は安全。


「次のゲームはless frighteningだから大丈夫だよ、きっと」と周りに励まされ(?)再びフロアへ。次のゲームは全フロアを使っての、旗取りゲーム&宝探しゲーム。
相手チームが、壁の陰、土管の陰、どこに隠れているか分からないため、仲間内で2,3人ずつのグループに分かれて、廊下や階段の壁をつたいながら「Clear?」「Yes, Clear」と合図をかけつつ、じりじりと建物内を息を潜めて進んでいく。さっきのゲームのようなスピードの恐怖はないものの、まるでアメリカのテロ対策本部ドラマ「24」の世界をそのまま体験している気分。「Drop your gunー!!!」 とジャックの真似をして叫んでいる人も。ううう、「24」観るのは大好きだけど、実体験はいらないです。心臓に悪い・・。

途中からこのハラハラにも耐えられなくなり、旗の見張り番として陣地の近くの土管の陰に隠れる役に専念。あまりに誰も来ないので逆に怖くなって不安になってモゾモゾと様子を見に出て行ったら、その隙に相手チームに旗を取られて負けました。つくづく全くチームに貢献していない私・・・・。

全部で4,5種類のゲームを行ったのですが、
一番怖かったのは、チームから各一人ずつが順番にエリアに出て行き、相手チームの代表と1対1でどちらかが撃たれるまで撃ちあうというもの。
勝った人の人数の多さでチームの勝敗が決まります。全員に必ず順番が回ってくるし、合図から5秒以内に勝負の場に出て行かないと無条件で負けになってしまうというルールがあるため、隠れている訳にもいかず、自分の番が回って来た時には、もう半泣き状態でフロアへ。(で、結局撃たれて負けました。)

比較的気楽だったのは、最後の「鬼探しゲーム」。
3人の犯人役が先に会場内のどこかに隠れ、残りの20人位が、彼らを探しに行って包囲するというゲーム。立て篭もっているテロリストを追い詰めている機動隊みたいな感じで、
団体行動をしながら建物内部を探っていきます。私はグループの最後にちょこちょこくっついて様子を見ているだけだったのですが、運悪く犯人役になってしまった3人は、包囲されて四方八方から撃たれてしまったらしく全身痣だらけに・・・。


ということで合計5つのゲームが終わり、
3時間に渡る恐怖のイベントが終了。

いやーーー怖かった・・・。

考えてみたら、ジェットコースターやお化け屋敷も雷も、
とにかくびくびくしたりハラハラしたりびっくりすること自体が大嫌いな私が
仮想だとしても生命の危機を感じるこのゲームが性に合うわけが無かった・・・・・。


とはいっても、ペイントボールは、現在全米では高齢者や女性も含め700万人以上の競技人口(スノーボード人口より多いそうです)、世界では1400万人を超える競技人口にまでなり、プロによるリーグ戦も行われている大人気のスポーツ。なんとアメリカではディズニーランドを借り切って大規模にペイントボールのイベントが行われることもあるそうです。

今回自分が経験したあの怖さからは、「1000万人以上の老若男女から親しまれているスポーツ」というイメージにはどうしても結びつかなかったので、このまま私の中で偏見だけ残ってもいかんと思い、ネットで色々調べて見ました。

Wikipediaによると、ペイントボールは戦争の再現だとか危険すぎるんじゃないかな等の議論や誤解があるものの、実際は倫理性も安全性も認められている健全なスポーツであり、審判の元でルールに従ってプレイすれば、他のスポーツよりむしろ怪我率は低い安全なスポーツだとのことです。

もともとペイントボールは、アメリカのとある牧場主が、酪農の際に牛の色別マーキングに使うためのペンキ弾入りのネルスポットガンと呼ばれるもので、牧場で働いている人達同士で週末にゲームをし始めたのがきっかけだそうです。つまり、戦争とか犯人確保とかのイメージより、牧場やフィールドでのアウトドアスポーツ、といった方が元々のペイントボールのイメージには近いのかも。

そもそも基本的にペイントボールは野外のフィールド等で行うもので、屋内バージョンは後からできたものらしい。しかも、今回のようなお化け屋敷風というか廃墟風の会場は、私がネットなどで見た限りでは、かなり特殊な部類に入るみたいです。

野外バージョンのレビューをネットなどで見てみると、青空の下、フィールドを駆け回ったり木の葉の陰に隠れたりとワイルドで楽しそう。銃の音も、野外だからか「シュポポポポーン」という抜けた音で、これだったらあんまり恐怖感は感じない。

更にYOUTUBEでプロリーグのペイントボールの試合を見てみたら、れっきとした「スポーツとしての競技」の雰囲気で、今回私が体験したペイントボールとはだいぶ印象が違いました。

今回の会場で行ったペイントボールは、スポーツとしてのペイントボールそのもというより、ペイントボールの応用版というか、娯楽性や雰囲気を重視したホラーエンターテイメント(?)みたいなものだったのかなぁと思います。

ちなみにゲーム中、土管の陰を立ったりしゃがんだりと、普段しない動作を繰り返していたら、翌日から丸三日間全身の筋肉痛に苦しんだ上に、ペイントボールが終わった当日の夜は一晩中、銃を持っている敵の軍団に追いかけられている悪夢にうなされていました。
うーーーん、やっぱり私には向かないのかも。


<参考>
- Wikipedia ペイントボール
- 日本ペイントボール協会のサイト
- 今回のロンドン・エンジェルのペイントボール会場「ELECTROWERKZ」(私には怖すぎたけど、ホラーやスリリング体験が好きな人にはたまらなく面白いかもしれません)
- ロンドン近郊のペイントボール野外・屋内会場一覧
by sayaka-blmusic | 2008-03-01 09:10 | ロンドンでの日常生活
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