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2008年初本番

今年の初本番、無事終わりました!
在英日系企業の多くが所属する在英日本商工会議所(Japanese Chamber of Commerce and Industry in the United Kingdom -JCCI UK-)の賀詞交歓パーティのゲストアーティストとして呼んで頂き、30分弱のミニコンサートプログラムを演奏させて頂きました。

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半分はピアノソロ、半分はトリオ(チェロ:ミッシェル バイオリン: エドワード)で、
主に12月のコンサートで弾かせて頂いたプログラムからの抜粋でした。

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前座として私達が演奏させて頂いた後、主賓でいらっしゃる野上英国大使などのスピーチと乾杯。そしてその後はスコットランドのバグパイプの演奏。

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2年前にスコットランドのエジンバラに旅行に行った時は野外で遠目でしか見なかったのだけど、こうやって屋内で、しかも間近で聴くと物凄い迫力&音量です。

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ところで、会場となったこのDraper's Hall、ロンドンの金融街であるシティのど真ん中に位置するのですが、驚くほど長い歴史を持つ建物です。

このホールを所有するDraper's Companyの大元となる組織が始まったのはなんと西暦1200年以前。Draper's Companyの前身は中世ヨーロッパの同業組合である「ギルド」の一つ。同業者達がビジネスのためのミーティングの場として作ったのがホールの始まりだそうです。このようにギルド (livery company)の館として使われていた土地や建物が、ロンドン内には点々といくつも残っているらしいです。チャールズ皇太子とカミラ夫人が結婚式を挙げたロンドン・シティの市庁舎「ギルドホール」もその代表的なものの一つ。「手工業ギルド」とか「商業ギルド」とか、むかーし世界史で習った事柄が、今尚生きた形で目の前に残っているというのは不思議な感覚です。

Draper's Companyがこの土地と建物を所有し始めたのは16世紀で、なんとあのヘンリー8世から購入したとのこと。現在の建物は1666年のロンドン大火災で焼けた後に再建築されたものらしいですが、内装もBrocket Hallに負けず劣らず豪華絢爛。

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壁をぐるりと取り囲むのは、イギリスの将校か、当時のギルドの名誉会員(?)か、王室の人物なのか分かりませんが巨大な肖像画の数々。これだけの肖像画にぐるりと囲まれるとかなり迫まってくるものがあります。

ということで、壁画の肖像たちに見守られて(見張られて?)の2008年初本番となりました。

モーツァルトやショパン、古典派やロマン派の当時の音楽家達は、
コンサートホールなどで演奏するだけでなく、
このような場所や、サロンや宮廷などで演奏する機会も多かったんだろうな・・・

そんなことを考えながら、
本番前にまだ誰もいない会場で、壁画の肖像達に囲まれてリハーサルをしていたら、
一瞬タイムトリップをしたような不思議な感覚になりました。

11月23日のBrocket Hallでのコンサートの時も感じましたが、
何百年もの歴史を持つ建造物が、今も尚国民によって普通に利用され続け、
またそのような場所で演奏させて頂けるなんて、
留学中だからこそできる本当に貴重な経験をさせて頂いているなと思います。

これからしばらくレパートリー増強期間に入ります。
春にはロンドンにて昨年とはプログラムを一新したラフマニノフオンリーコンサートも予定している他、昨年のラプソディーズに続く2台ピアノのコンサートも、イギリス内数箇所にて予定しています。詳細はまたこのブログ内にてお知らせさせて頂きます。
by sayaka-blmusic | 2008-01-15 09:56 | コンサート関連
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