ホームコンサートのあたたかさ

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ロンドンでピアノを教えている生徒さんのうちの一人、
小学校3年生のHちゃんのお宅で、ホームコンサートをさせて頂きました。

7月末から、Hちゃんの日本でのお友達とその家族、合わせて15人以上が
ロンドンのHちゃん一家を訪ねて日本から訪英中。

今日のコンサートは、その最終日のさよならパーティも兼ねたコンサートということでした。

ホームコンサート形式のリサイタルは私にとって約1年半ぶり。
小学校3年生の子供たちにどうやったらクラシックの曲を、
わかりやすく楽しんでもらえるかな・・と考えた挙げ句、

プログラムは9月のイタリアでのコンクールで弾く予定の曲を中心に、
子供が興味を持ってくれそうな、短くて題名のついた曲を、合計6曲選んで構成。
(ラフマニノフの「赤ずきんちゃんと狼」や、ドビュッシーの「花火」など)

トークも含めて合計1時間弱のミニコンサートです。

曲と曲の間に、曲にまつわるクイズなど、ちょっとしたゲームもはさんでいきました。

例えば、ドビュッシーの「妖精パックの踊り」に関しては、
プログラムには題名を「?」としておいて、曲名あてクイズをやってみました。
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選択肢は、全てドビュッシーの実在する曲の題名から以下の通り。

1.象の子守歌
2.ようせいのおどり
3.小さなひつじかい
4.雪の上のあしあと
5.海のそこにしずむ寺

うーん明らかに軽やかな曲だし、
ちょっとこれはクイズとしては簡単すぎたかな・・・と思っていたら、
演奏後、挙がってきた回答は、

「ようせいのおどり」
「海のそこに沈む寺」

なんと正反対のイメージの回答が、
ちょうど半々ずつ!!
意外でした。

何故その題名だと思ったのかインタビューをしてみると、
低い音が出てきて海に沈んでるような感じに聞こえた、などなど
色々と興味深い回答が。

確かにこの曲、
軽めのところも出てくるけれど、
海の底でうごめいているような深い感じのところあるし、
ドビュッシーお得意の「東洋的」な感じもある。

正解は「ようせいのおどり」なのですが、
子供たちの回答から、
今まで私自身気づいていなかった新たな発見をさせてもらってしまいました。

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写真は、一生懸命クイズの回答を考えてくれている子供たち。

ラフマニノフの「赤ずきんちゃんとおおかみ」では、
ほのぼのとした童話の印象とはかけ離れた
恐ろしいド迫力の曲を爆発させてしまったため、
子供達は一瞬ぽかーんとしてしまっていたものの、
演奏後、この曲でのお話の結末を尋ねると
「赤ずきんちゃん、おおかみに食べられちゃったみたい・・・」
と恥ずかしそうに答えてくれました。

今回演奏した曲は殆ど、
子供達にも馴染みのある有名な曲ではなく、
むしろ絶対に知らないようなマニアックな曲ばかりだったのに、
色々想像して一生懸命聴いてくれて、本当に嬉しかったです!

コンサートの最後には、
子供たちとお母様方の共通の思い出の曲であるという
「野に咲く花のように」と
「世界中のこどもたちが」を全員で大合唱。

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写真は「世界中のこどもたちが」を手話つきで合唱するこどもたち。
あまりの元気な歌声に、伴奏しながら私の方がびっくりしてしまいました。




私にとって、
子供たちの前での演奏って、
どんな大きなコンサートの本番より、コンクールより、
一番緊張するんです。

なぜって一番素直な反応が返ってきてしまうから。
つまらないものはつまらない、と。

かといって子供たちに受けるようにだけ弾いても、
きっとそんなことは見抜かれてしまうし、
真剣に音楽と向き合って、
精一杯表現しようとしないと、
きっと全て子供たちにはばれてしまう。

今日のコンサートで、子供たちが何を感じてくれたかわかりませんが、
「手が速く動いてた!」でも
「赤ずきんちゃんが食べられちゃっててこわかった・・」でも
「線香花火の様子もピアノで表せるんだ!」でもなんでもいいので、
何か少しでも心に残ってくれていたら、こんな嬉しいことはないです。



コンサートが終わった後のパーティでは、
お母様方、お子さん方、
イギリス人ガイドのチズム先生、そしてYちゃんご家族と一緒に、
本当に楽しいひと時を過ごさせて頂きました。


ところで、
ロンドンのテロ未遂事件が発覚したのはこの日の朝。
翌日無事に飛行機が予定通り飛ぶかどうか、
分からない中でのお別れパーティだったのですが、
本日、無事皆様成田に到着されたそうです (^-^)
by sayaka-blmusic | 2006-08-13 03:33 | ロンドン音楽事情
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