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ハーツクライ = キングジョージ =

7月29日、イギリスのアスコット競馬場で行われた、
キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスというレースに、
日本期待の「ハーツクライ」を応援しに行ってきました。

感動!感動!もーーーまだ感動がおさまりません。

私は実は、元々馬とか競馬とかには殆ど興味がなく、
競馬というものをまともに観にいったのは、
亡くなった岩手のお祖父ちゃんが競馬の馬を搬送する仕事をしてたので、
そのお祖父ちゃんに連れられて幼い頃行ったのが最後。
あれ、でもあれはレースの開催日でない空っぽの競馬場だった気が。。

ということで本物の競馬のレースを見た経験は全くゼロだった私。

しかし今回イギリスで行われるこのキングジョージは、
フランスで行われる凱旋門賞などと並ぶ世界最高峰のレースであり、
そこに日本最強といわれる「ディープインパクト」を唯一破った「ハーツクライ」が挑戦するとのこと!
今回、日本のハーツクライがこの世界最高峰のレースに勝てる可能性は充分にあるし、
こんな瞬間を目の当たりにできる機会は滅多にないということで、在英日本人の友達数人と応援しに行くことに。

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ロンドンビクトリア駅から電車を乗り継いでいったのだけど、
イギリスお得意の「乗っている間に行き先変更」が起きたらしく、
(多分アナウンスがあったのだと思うけど私は聞き取れなかったみたい・・・)
はたと気づいた時には目的の方向とは斜め45度ほどずれた
トンチンカンな方向の遥か彼方へ。
慌てて引き返したものの、この日は運悪くこの辺り全線のダイヤが乱れていて
通常1時間で着くはずのところがなんと4時間半かかってアスコットに到着。


競馬場までは駅から徒歩10分ほど。
小さなアスコット駅から競馬場までの小道は、
この日のキングジョージのレースを目的で来たファン達で列を成している。

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写真はアスコット競馬場の正門。

で、びっくりしたのが。

思いっきり皆さん「正装」なんです!

男性の8割がスーツ!!!!

女性の9割がきらびやかなフォーマルドレスorワンピース!!!!

そう、アスコットは正式にイギリス王室が所有する競馬場であり、
競馬場に入るのになんと「ドレスコード」があるのです。

チケットにも表記があって、
高い方のPremier Admissionの席は完全フォーマル限定ということでドレスコード有。
私の買ったGeneral Admissionの一般席についても、
「スマートな格好をしてくることが望ましい」みたいなことが書いてあったので、
一応クラシックのコンサートには行ってもおかしくない位の格好はしてきたのだけど、
それでも全然浮いてしまうくらい、周りは「超」フォーマル。
はっきり行ってオペラハウスとかの観客よりもフォーマル度高しです。
パンツ姿の女性はほぼ私1人。
化粧室に行ってドレスのレディ達に囲まれてると自分が掃除のおばさんか何かに思えてくる。
ううう、しまった。。。。。。。。。。せめてワンピース着てくるべきだった。。。

私は今まで競馬というとおじさん達の娯楽という超偏見があったのだけど、
ここでは男女比もほぼ半々で、
年齢も、20代~70代位と偏りなく幅広い。
イギリスでは、競馬は文化に根付いた、れっきとした紳士淑女の為の娯楽なのだなぁと
実感してしまった瞬間でした。


メインの目的であるキングジョージのスタートまでは、
他のレースを見たり、
パドックでそれぞれの馬を超アップで見たり、
アスコット競馬場の中を色々探索したり。

競馬場の建物の中も、改装後らしくむちゃくちゃ綺麗です。
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ハーツクライの出走するキングジョージのレースの前になってくると、
日本人関係者や報道関係の人達も徐々に増えてきました。
日本からこの為にはるばる来ている方達もかなり多いようです。

写真はコース側から撮ったスタンド。
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キングジョージのレースの始まる40分前から場所確保の為前の方へ。
コース前最前列が運よく空いたのでそこを確保。
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◎がゴール地点。
ここからだったら最後のカーブからゴールまでの直線を全て眺めることができる。
本当はこういう位置だとかえって全体が見にくいのかもしれないけど、私はとりあえずできるだけ近くで見てみたかったのです。

写真はレース前コースに登場したエレクトロキューショニスト。
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16時20分。いよいよ発走。

アスコット競馬場のコースはおにぎり型。
競馬場というと楕円コースのイメージがあったので驚き。

一つ目のカーブを曲がり、二つ目のカーブを曲がり、
見てる私もどんどん緊張が高まっていく。
最終カーブを曲がって、いよいよ直線へ。
まるで手が届きそうなくらいの距離のところで、
物凄いエネルギーの6つの塊が、ドドっという音と共に、
文字通り「駆け抜けて」いく。
あまりのエネルギーの爆発に、腕に鳥肌が立つ。
すごい。。。。。

最後の直線はハリケーンラン、エレクトロキューショニスト、そしてハーツクライ3頭の競り合い。
直線でハーツクライが一度先頭に立った瞬間は周りの日本人皆半狂乱状態。
しかし徐々にハリケーンランに抜かれ、
エレクトロキューショニストも最後の粘りでグンっと上がって来て、
最終的にゴールはハーツクライ3着。

最後の最後まで3頭がどうなるか分からなくて、
競馬の知識ゼロの素人の私でも明らかに「いいレースだった」と分かる、
本当にエキサイティングなレースでした。

10月にフランスで行われる凱旋門賞では、
ディープインパクトがこのハリケーンランと対決するらしいので、
是非頑張ってほしいです。



ところで、
ピアノを弾いている者の観点から勝手に考えたことだけど、、
一体全体「騎手」たちにかかるプレッシャーってどの位のもんなんだろうかと思ってしまう。
ピアノの本番とかコンクールだと、プレッシャーといっても、
教えてくれた先生とか応援してくれてる身内や観客の方々に対するプレッシャーであって、
それですら抱え切れなくて緊張でつぶれそうになることもあるのに、

騎手にかかるプレッシャーって、
馬主、調教師、厩務員、関係者、莫大な投資をして馬券を買った人達、
もう果てしなく莫大なお金と期待がかかったプレッシャーがごーーーんと肩に乗せられるわけで、
特に何ヶ月もかかって用意をしてきたようなこんな大レースの場合、
そのプレッシャーは想像もつかないくらい大きなものだと思う。

しかもピアノの場合、演奏時間はどんなに短くても8~10分以上、
リサイタルだったら2時間くらいあるから、
万が一ボロボロになっても立て直すチャンスはあるけれども、
競馬のレースの場合、2分とか3分の間に全てがかかっている。

馬券を買った人達からのプレッシャーは抱える必要はないにしても、
馬主や調教師達との人間関係を常に上手く保ちながら、
自分自身のコンディションも整え、プレッシャーを乗り越えて
僅か2,3分の間に全てを発揮するって、
並大抵の神経&集中力&努力じゃできないと思う。
いや、本当に騎手を立派に務めている人達1人1人を心から尊敬してしまう。

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写真は表彰式でのハーツクライ。

下の写真は優勝したハリケーンランと、騎手スミヨンがインタビューを受けているところ。
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アスコット駅までの帰り道、
私が日本人とみると横を歩いていたイギリス人のおじさんに
「いやぁ日本の馬も良く頑張っていいレースをしたよ」と声をかけられました。




ハリケーンラン、エレクトロキューショニスト、ハーツクライ、
世界最強馬に挙げられる馬たちのレースが
人生で初めて生で見れたレースだったというのは本当に幸せなことだったなと思う。

この間のイングリッシュガーデンもそうだけど、
「本物」の威力というかエネルギーを目の前にすると、
それまでどんなに興味の無かったものでも、
素直に大感動してその世界に引き込まれてしまうものです。



ところで、最初に話した岩手のお祖父ちゃんは、
仕事(競走馬の搬送)の休憩中、馬のたてがみを結って遊んで(?)いるうちに
すっかり三つ編みのプロになってしまったらしく、
小さい頃私や妹の髪までよく三つ編みにしようとしてくれてました。

お盆とかにお祖父ちゃん家に行くと、
私達を喜ばす為にわざわざ買ってきてくれたのか、
馬のミニ人形みたいなのをうじゃうじゃ持ってきて、
色々馬の話をしてくれたのだけど、

当時はへーとかふーんとか話半分で、私も妹も全く興味を示してなかった・・・。
三つ編みも私達嫌がってたような気がするし。
今思うとおじいちゃんかわいそうすぎ。。うーん。

馬が好きな人は馬に顔が似てくるらしいですが、
本当に嘘みたいに馬そっくりの
長い顔、小さな優しい目をしてたおじいちゃん。

今日パドックでアップで馬を見ながら、
やっぱり本当にお祖父ちゃんは馬そっくりだったんだなぁと改めて思ってしまった。

家に帰ってBBCのニュースサイトにアップされていたレースの動画を改めて見てみて、
今日のレースの感動を思い出して再度鳥肌が立ってしまった私。
馬の走る姿がこんなに美しいなんて、
今日の今日まで知らなかったです。

今頃天国のおじいちゃん、
「そうかそうか、さやかもやっと馬に興味を持ってくれたか」と、
ニコニコ喜んでるに違いないな(笑)



http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/other_sports/horse_racing/5209762.stm
キングジョージの動画はこちらのBBCのサイトから見れます。
ハーツクライは黄色いしましまの騎手(ルメール)の乗っている馬です。
by sayaka-blmusic | 2006-08-01 02:19 | イギリス国内旅行日記
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