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校内ミュージアムでのアルバイト

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ロイヤルアカデミーでは、奨学金を受けている生徒は学校内での様々な仕事を無償アルバイトで規定時間こなさなければいけないという決まりがあります。
学校主催のコンサートのチケットもぎり、図書館での返却業務など、色々と仕事の種類はあるのですが、私の選んだのは、学校内ミュージアム(楽器博物館のようなところ)での受付担当。ただじっと座って、人が来た時や質問を受けた時だけ対応すれば良いのでとっても簡単。


今まで学校のミュージアムって、一体誰が見に来るんだろうと思ってたんだけど、
こうやって受付をしていると
意外にも、地元の方たち始め色々な方が訪れていることに気づく。

2年前にこのミュージアムで見た文献資料の一部分をもう一度見たくて久しぶりに訪ねてきたおじさん。

通りがかりでふらっとやってきた親子。

パガニーニが実際に使っていたという伝説のバイオリンを見る為に遠方からいらした夫婦。

どう見ても「ジョギングがてら来ました!」というような半袖Tシャツ半ズボン、
しかも汗びっしょりという出で立ちで息せき切って現れ、
「ハロー!このミュージアムで17時から無料コンサートがあるって聞いたんだけど、どこにも表示がないんだよね」
今日の無料コンサートは19時からのはずですが・・と伝えると
「じゃ、家に帰ってチェックしてまた来るよ!ありがとう!がははははは」
と豪快に笑って走り去っていったおじさん。

いかにもクラシックを研究していそうな人から、
上のおじさんのように一見クラシックには縁のなさそうな人まで、
訪れる人は本当に様々。

なんていうか、
音楽大学自体が、とても地域に対してオープンだなぁと思う。


ロイヤルアカデミーでは、学校内のホールにて、
ほぼ毎日のようにランチタイムコンサートや夜のコンサート、ワークショップなどが行われ、
その殆どは、無料、もしくはほんの僅かの入場料で一般に公開されています。

出演者はロイヤルアカデミーの学生や卒業生、教授などなど。
お客さんはガラガラの時も満席の時もあって様々だけど、
誰もそんなこと気にしない。
本当に気軽でオープンな場。

生徒にとっても、演奏の機会を多く得られるチャンスだし、
地元の方たちにとっても、
これからのクラシック界を担っていくともいえる若い音楽家達の演奏を
無料でいつでも気軽に聴けるので、
両者にとって本当にメリットのあることだと思う。

ロンドン内にあるもう一つの音楽大学、ロイヤルカレッジオブミュージックでも
同じように一般公開のコンサートは連日行われているようだし、
前にニューヨークに遊びに行った時には、
ジュリアード音楽院でも、生徒による無料の一般公開コンサートが毎日行われていて、
地元の人のみならず音楽好きの観光客多く訪れていた。

日本の音楽大学でももちろん一般公開のコンサートはあるけど、
その殆どは「成績優秀者による発表会」であったり、
半年に一度の定期演奏会であったりして、
結局は、生徒と両親、その関係者で埋めつくされてしまっている気がする。

日本は、
「改まった形で、恥ずかしくないものをきちんと聴かせないと大学の名に恥じる!!」
とか思いすぎてしまっているのかしら・・・。

日本でもこんな風に、音楽大学が主催する、
学校のホールやギャラリーを使った気軽な無料ミニコンサートが
日常的に自然な形で行われていると
クラシック音楽が決して敷居の高いものではなく、
身近に楽しめるものとして社会に根付いていくのではないかなと思う。


ちなみに学校内のミニコンサートを訪れる人たちは
「義理でチケット買っちゃったからしょうがなく来た」
というパターンは殆どなく、
本当にただ純粋に音楽を楽しみたかったり、
若い人たちに演奏に興味があって訪れる人ばかり。

しかも無料。

つまり裏を返せば、
演奏がつまらなかったり期待はずれだったら
コンサートの途中だろうといつでも出て行けちゃうんです。

そう考えると、演奏家にとっては
むしろ一番シビアな演奏の場といえるかもしれません。

(写真はロイヤルアカデミーオブミュージック校舎全景)
by sayaka-blmusic | 2006-03-03 22:38 | ロイヤルアカデミー学校生活
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