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浜松祭り2日目「大凧、いよいよ空へ・・」

「浜松祭り一日目 御殿屋台と初練り」の続きです。

5月3日の浜松祭り初日では、残念ながら初凧揚げは天候不良の為延期。
5月4日の二日目、今日こそは晴れて欲しい!という浜松中の人々の願いが届いたのか、一面の青空が広がりました!

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両方のおじいちゃん、おばあちゃん達、おばちゃんおじちゃん達、2家族総出で、
遠州浜の中田島砂丘近くの凧揚げ会場へ。

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これからキミの凧を揚げるんだよ〜。大凧、無事に揚がるといいね。

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朝9時半頃でしたが、もう初凧揚げは早速始まっていました。
浜松市内の170以上の街の初子の赤ちゃん達の大凧、合計700枚以上が大空に揚がるのです。

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凧の糸目付けの時の日記にも書かせて頂いた通り、静岡県浜松市の浜松祭りでは、端午の節句に合わせて初子の誕生を祝い大凧を揚げるという風習があるのです。室町時代に、当時浜松を治めていた飯尾豊前守の長男の誕生を祝って住民が大凧を揚げたのが起源と言われています。私達は現在東京在住なのですが、夫の実家が浜松にある為、今回、颯太もこの「初子祝い」をして頂けることになったといういきさつです。

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まずは各町内の陣屋(テント)に向かいます。
日よけの目的もありますが、突然の凧の落下による事故を防ぐためにも、
凧揚げ待ちの赤ちゃんやその家族達、また町内の人々皆で、各町内それぞれこの陣営の中で待機します。

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陣屋の外には、それぞれの町の初子の赤ちゃん達の名前が入った大凧(初凧)が、それぞれ置かれています。これから空に舞い揚がる凧たちです。

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初凧揚げに並行して、各町対抗の凧合戦(糸切り合戦)も行われていました。これは、各町がそれぞれ固有の町紋(凧印)が描かれた大凧を揚げ、組同士で凧糸を切り合って競うもの。この合戦も、浜松の凧揚げ祭りの重要な伝統的要素の一つなのだそうです。噂には聞いていたものの、周りではラッパの音やかけ声が響き渡り、凄い熱気で圧倒されました。


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陣屋の周りは、沢山の屋台も。前日天候不良だったこともあり、この日は前日の倍以上の凄い人出でした。

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凧待ちの間、陣営の中にて。
義母、母、妹あすかと一緒に。

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ヤンキー颯太・・・??? ちなみにくわえているのはストローです(笑)

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さあ、いよいよ、颯太の凧揚げの番です。しかし肝心の本人、陣屋で待っている間に食べたおにぎり(町内の方々が作って下さったものです)でお腹いっぱいになって気持ちよく爆睡中・・。

ちなみに颯太の凧を作ってくださったのは、浜松で長い歴史を持つ凧屋さん『伊藤さん家の凧工房』。心を込めて作ってくださいました。颯太の凧を作って下さった時に関してブログを書いて下さっています。→こちら『伊藤さん家の凧工房』

十帖凧は風が強すぎると揚がりにくいらしいのですが、この日は風がやや強め。町の皆さんが、注意深くベストなタイミングや場所を見図りつつ、ギリギリまで走り回って場所決めをして下さいました。

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そしていよいよ位置決定。凧の糸(といってもより合わせた太い糸です)は、上の写真のような大きな滑車で根元を支え、そこから何十メートルも先まで糸が伸ばされます。凧を実際に揚げる作業をするのは、町のベテラン凧揚げ班の皆さんです。

私達親族一同や、東田町の皆さんも見守る中…。

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あがったーーー!!!!!

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颯太もタイミングよくお目覚め。そうちゃんそうちゃん、キミのたこだよ~!!

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1辺3.5メートル以上もある、大きな、大きな凧。
強い風にもぐらつくことなく、しっかりと綺麗に青空に揚がりました!!!

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家族、親族や町内の皆さんで必死に糸を支えます。
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颯太自身もちょっとだけ糸を持たせて頂きました!

とはいっても、風を一面に受けた凧は、そんじょそこらの力じゃ支えきれません。
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親族が糸を持っているその後ろでは、町内の中でもベテランの凧担当の方が、上の写真のようにこんなにも汗びっしょりにして、しっかりと支えて下さっているのです。

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浜松まつり恒例のラッパの音に乗せて、町内の皆さんで『ばんざーい!』と、万歳三唱をして下さいました。

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しばらくの間、大空に揚がる凧を、胸がいっぱいになりながら皆で見つめていました。私たちはもちろんのこと、この日まで凧揚げの準備を進めてきてくれた義両親、東京から来てくれた私の両親や妹あすか、皆感激で涙が浮かんでいました。

さて、大凧は、揚げるときより更にむずかしいのが地上に降ろすときなのだそうです。他の凧に絡んだり木に引っ掛かったり、地面に急落下したりするのを防ぎながら注意深くゆっくり下ろさなくてはいけないのだそうです。
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ゆっくり、ゆっくりと、凧が地上に向かって降りて行きます。

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そして、無事に着地!!!
東田町のベテラン凧揚げ陣の皆様が、しっかりとキャッチして下さいました。

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無事に着地した凧の前で。

この三日間で、浜松の170以上の町の700人近い赤ちゃんの初凧が、それぞれの凧に込められた思いや希望を乗せて、空に揚がりました。

それぞれの初凧は、来年まで町内の公会堂に保管されます。来年の浜松祭りに備えて、面がきれいに張り替えられ、町民の結束の証として町内の合戦凧として生まれ変わるのだそうです。

息子の凧も、来年は東田町の「合戦凧」に生まれ変わって、再び浜松の空を舞うことになります。


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「赤ちゃんの誕生」や「お祭り」の力って、本当にスゴい、と
今回の浜松祭りを通して、心から思いました。

ひとりの赤ちゃんの誕生をお祝いする為に、
バラバラに住んでいる家族、更にふたつの家族が一緒になって、お祝いして、喜びを共有できる。

地域が、家族が、一丸となって、
お祭りの日の為に用意をして、その日を共に分かち合う。

大震災以降、いざとなった時に地域で助けられるよう絆を強めるために
防災の一環として、地域のお祭りを始めた街もあると聞きます。


地域の絆、家族の絆。

今まで日本人が大切に守ってきたもの、
そしてこんな時代だからこそ、きっと今の日本にすごく大事なこと。

あぁ、日本人でよかった、
日本人であることを、誇りに思う、
と心から感じたのと同時に、

こんな風に同じ喜びを共有できる家族や親族がいることの幸せやありがたみを、
あらためて、強く感じました。


無事に凧を揚げて下さった東田町の皆さん、凧を作って下さった皆様、私達家族に浜松祭りという素晴らしい経験をさせてくれた義両親、東京から来てくれた私の家族、一緒にお祝いしてくださった沢山の方々、皆様に心から感謝の気持ちで一杯です。

本当にありがとうございました!!
by sayaka-blmusic | 2012-05-20 22:49 | 浜松
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