先日の日記でも書かせていただいたSATZ先生の特別レッスンを受けてきました!
人間味&音楽性溢れるレッスンで本当に良かったです。
レッスンの曲はオーディションの時と同じベートーベンのエロイカバリエーション。
15のバリエーションとフーガから成るこの30分ほどの大曲は、それぞれのバリエーションのつながりや関係性を構築していくのが本当に難しい。それぞれのバリエーションのキャラクターを出すことばかりに気を取られてしまうと、バラバラ事件になってしまい、全体として脈絡のない音楽ができあがってしまう。
この曲は、英雄の交響曲でも有名なあのテーマが、まず単音で現れ、次にデュオ(二重奏)、トリオ(三重奏)、カルテット(四重奏)と徐々に声部が増えていき、段々とオーケストラの響きに近づいていく。SATZ先生いわく、同じ四声部でも、私のではいきなりオーケストラっぽくなってしまうとのこと。同じピアノでも、室内楽のアンサンブルのような響きで聴かせるのと、オーケストラのような厚い響きで聴かせるのとでは、まったく印象が違う。たしかに 、ここまでをアンサンブルのよう響きで聞かせたほうが、その次のバリエーションのオーケストラダイナミっぽいダイナミックさがより際立つ。
同じ一つ のバリエーションでもその前後のバリエーションのちょっとしたキャラクターの出し方の違いやテンポの違いで、全く印象が違ってくる。同じ20度の部屋でも、その前に10度の部屋にいたのと30度の部屋にいた時では、温度の感じ方ががらりと違ってしまうのと同じ原理 です。
SATZ先生との1時間半のレッスンは、レッスンというより、まるで映画やドラマの脚本を一緒に作っていくような感じで、本当に面白かったです。次回のSATZ先生のVISITINGの時まで、今回学んだことをできる限り他の曲でも応用していけたらと思います。