イギリス出産体験記その2 出産直後〜翌日退院まで 後編

イギリス出産体験記「 出産直後〜翌日退院まで 前編」の続きです。


<赤ちゃんと初めての二人きりの夜>

出産当日はバタバタしているうちにあっという間に終わり、面会時間は午後20時までだったので、付き添いの夫や母も帰らざるを得ず、突然赤ちゃんと二人でぽつーん。

ちなみに、イギリス国立病院(NHS)では、出産も無料、入院も無料なのですが、そのかわり、必要なものは全て持参しなくてはいけません。今日本ではやりの「手ぶら入院」の正反対ですね(^—^;)。赤ちゃんのおむつやおしり拭きなども当然支給されないので、自分たちで用意していかなくてはいけません。

ということで、大量のおむつやタオルなどは持参していてグッズの準備だけは万端なものの、さっきまでの授乳やおむつかえは、母に手伝ってもらってたりしていたので、一人きりでやるのは初めて。出産前のNHS主催の母親学級では多少指導があったものの、赤ちゃんのお世話そのものについて、大して把握していないまま、いきなり赤ちゃんと二人きりになってしまった感じです。

考えてみたら、臨月の間、「陣痛〜出産」までの流れは、必死に何度も頭でシミュレーションしてたものの(ちなみにそれは全くシミュレーション通りにならなかった・・)、出産後の入院中の赤ちゃんの具体的なお世話に関しては、殆ど予習してなかった!( ̄ロ ̄lll)

時々、「気づいたら突然コンサートやコンクールの本番のステージに上がっていて、全く練習していない曲を弾くことになっていて、真っ青—— 」という夢を見るのですが、まさにそんな感覚です。

Midwife(助産婦さん)は、「何か困ったことがあったら、いつでもナースコールしてね」と言ってくれているものの、やっぱり不安。

記念すべき赤ちゃんとの最初の晩、私ちゃんと一人で乗り越えられるんだろか・・。


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うたたねしている間に消灯したらしく、ふと目を覚ますと大部屋の電気が既に消されていて、部屋のあちらこちらから、赤ちゃん達の泣き声やお母さん達のあやす声が聞こえていました。

カーテンをはさんで反対側は、アフリカ系のお母さんと双子のあかちゃんたちが、それはそれは元気な声で泣き続けています。横のイギリス人母子は全く赤ちゃんが寝ないらしく、ベッド脇の電気を付けたままずっとあやしています。


そして、颯太はというと・・。


出産の産声以来、かれこれまる12時間、一度も泣き声をあげていない・・・。
じーーっと周りを観察しているか寝ているだけ。

さすがに不安になって、見回りにきた看護師さんに

「スミマセン。。。この子、全く泣かないというか声すら発しないんですけど大丈夫でしょうか。。。泣」

と聞くと、看護師さん、

「あら、泣かない赤ちゃんなんてラクでいいじゃない、あなたラッキーよ、喜びなさーい。」

でも、出産後、昼間まったく泣かなかった上に、就寝から丸3時間以上たっても、うんともすんとも言わないので、さすがに無理矢理起こしておっぱいあげてみたり。

そして夜中の3時頃。

突然火がついたような泣き声!

向かい側のカーテンの双子ちゃんでもなく、お隣の赤ちゃんでもなく、まぎれもなく私の真横にいる颯太の泣き声!!産声の時の5倍位の声量で泣いてる!

きゃあああどうすればどうすれば??

おっぱいをあげてみるが泣き止まず。

おむつも変えてみるが泣き止まず。

あたふたしながら颯太を抱き上げて体中観察してみると、 片方の鼻が完全に詰まっていて、息をする度に鼻がふんがふんがいっている!どうやらこれが大泣きの原因。

赤ちゃんの鼻が詰まったら、お母さんの口で吸ってあげるというのをきいたことがあるので、おそるおそる吸ってみたものの全くダメ。せっかく日本から買ってきてもらった鼻吸い器は、まさかこんなすぐに使うとは思わず自宅に置いてきてしまったし・・。


にっちもさっちもいかず、この日初めてのナースコール・・。

「すみません〜、全く泣き止まないんですけど、どうやら鼻が詰まっちゃっているみたいで」

来てくれた助産婦さんの顔を見上げると、就寝前に私が「この子泣かないんですけど・・」と相談したのと同じ助産婦さん。

「あなた、この子泣かなくて心配って言ってなかったっけ〜(笑)」

と笑われながら(^-^;)

「あぁ、これねー、スポイトで食塩水を少し入れてほっておくと、自然と流れ出すから、今やってあげるわね」と、すぐに処置してくれました。

スポイトで食塩水を入れてもらってしばらくたつと、本当に鼻の通りがよくなって、すーーっ、すーーっと、気持ち良さそうな寝息で再び寝始めました。

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<一夜あけて>

そして無事翌朝に。

夜中の鼻づまり事件?をきっかけに、颯太はめでたく、ちゃんと泣いてくれる赤ちゃんに変身しました(^-^;)

この日は朝から、母体の方をチェックするお医者さんや、新生児の小児科医の検診、母乳育児のボランティア団体の方、Bountyという育児支援団体が育児用品のサンプルを配りにきてくれたりしました。

昨日の回診と同じく、全て、1対1でベッド際に座って丁寧に説明してくれます。

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これが出産時にもらえる母子手帳。通称Red book。ここに検査結果などの記録を書き込んでいってくれます。ワクチンなどの記録も今後ここに書き込まれることになります。

日本の母子手帳は、妊娠中と出産後とまとめて一冊ですが、イギリスではこの赤い本は出生後の記録のみで、妊娠中の記録(通称green book)は出産と同時に病院で没収(!)されてしまいます。(妊娠中の記録を残しておきたい方は、出産前にGreen bookのコピーを取っておいた方がいいかもしれません)

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<出産翌日のお昼御飯はなんと・・>

午前中にひとしきり検査等が終わった後は、病院のお昼御飯。

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Postnatal ward(産後病棟)の廊下で配膳が行われているのですが、そのメニューはなんと



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サンドウィッチと、フィッシュアンドチップス・・!!!!

出産翌日の妊婦に、フィッシュアンドチップスというこの世で一番健康に悪そうな食べ物をふるまうとは・・。しかも病院食で・・ ( ̄ロ ̄lll) 出産直後のトーストと紅茶に続いて、さすがイギリス!!!

一瞬「うっ」と思ったものの、お腹が空いていたせいか、ぺろっと平らげてしまいました。日本だと、最近の産婦人科では、フランス料理だのイタリアンだののフルコースが出ると聞きましたが、なんたる違い。

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<無事退院!>

そしてこの日(1月7日)の夕方に、夫の車で無事退院。

出産前は、

「出産翌日に退院なんてあり得ない!せめて3、4泊は入院していたい!」

と思っていたのですが、実際経験してみると、

「一泊で充分ですっ!っていうか早く家に帰りたい〜・・」

という感じでした(^-^;)

以前、出産病棟見学ツアーに参加した時に、説明してくれたMidwifeが、

「出産24時間後に退院しなくてはいけません」

ではなく

「出産24時間後から、自由になれるわよ」

という言い方をしていた理由が納得・・(笑)

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と言う訳で、決して「居心地がいい」とは言えなかった入院でしたが(笑)、入院期間が短い分、検査など必要な事柄に関しては、短期集中型でものすごく効率的だった印象でした。

何より、全て母親の目の前で見えるところで検査を行ってくれて、母親と赤ちゃんが主体となり、病院やスタッフさん達はあくまでもそれを「サポートしてくれている」というスタイルはとても良いなと思います。完全に無料で、外国人である私達もここまでのサービスが受けられるというのは、やはり本当に感謝です。


さて、イギリスではこの後の退院後のシステムも特徴的。

「退院したら放置〜」ではなく、翌日から約2週間、毎日助産婦さんが自宅まで検診に来てくれます。

次回の日記はこの助産婦さんの訪問検診について書かせて頂こうと思います。 →次回の日記へ。
by sayaka-blmusic | 2011-02-01 02:40 | イギリス妊娠出産育児
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