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妊娠8ヶ月。イギリスNHS妊婦検診まとめ


先日無事に妊娠8ヶ月に入り、妊娠後期と呼ばれる期間に突入しました。今日からは妊娠29週です。赤ちゃんの体重も1キロを超え、毎日お腹をますます元気にぐりぐりぼこぼこ蹴ってくれます。

8ヶ月に入って、立て続けにイギリスの国立病院(NHS)の検診などが続き、先週は3日連続で違った理由で採血という「血抜かれ週」でもありました(笑)

ここまでのNHSでの妊婦検診で、「ここが日本と違う!」という点を、忘れないうちにまとめておきたいと思います。今後NHSで検診・出産をご予定の方に、少しでも参考になれば幸いです。

あ、いつもながら(笑)かなり長くなるかもしれないので、この日記自分には全然関係ないや〜という方は読み飛ばして頂いて結構です(^-^;)

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NHS妊婦検診、イギリスと日本でここが違う!

1. 妊娠して最初の検診では・・

イギリスでは、どの科の病気の場合にも、まずは近所で各自登録しているのGP(家庭医、総合診療医)で診てもらってから、必要であれば大きな病院の専門医を紹介してもらうシステムになっています。

なので「妊娠かな?」と思った時にも、 日本のようにいきなり産婦人科医院を訪れるのは不可。まず近所のGPで診察を受けてから総合病院を紹介してもらわないと、その後の検診やエコーも受けられません。

私の場合、妊娠5週位目位に近所の家庭医(GP)に行ったのですが、診察室に入ってお医者さんに「妊娠検査薬で陽性が出たので来たのですが・・」と告げると、お医者さんから最初に聞かれたのが、

「サプライズでしたか?」

へ?? この先生は一体突然何でそんなこと聞いてくるんだろう?と思いつつ、

「結婚して以来子供は欲しかったのですが、なかなかすぐにはできなかったので、ある意味ではサプライズでした^-^;) 」

と答えると、

「ではあなたは赤ちゃんができてHappyなのですね」

といわれ、「はい、もちろんです」と答えると、そこで始めてお医者さんにっこりと「おめでとう」と言われました。

どうやら、止むを得ない事情でAbortion(中絶)の相談で来る方もいらっしゃるので、それを遠回しに確認するための聞き方のようです。

そしてこのGPでの初めての診察では、エコーはおろか、尿検査も血液検査もなし!
口頭報告(?)だけです。

お医者さんいわく市販の妊娠検査薬で陽性が出たのなら確実なので必要ないらしい。
そんなんでいいのか??!!

「12週近くに成ったらMidwifeから手紙が行くと思うから、それまで毎日葉酸タブレット飲んでおいて下さいね〜」

と言われ、所要時間3分位であっさり初回診察終了・・。

12週(妊娠4ヶ月)でやっと受けられるエコー検査と助産婦の検診までは、自分が本当に妊娠しているかの確証もないまま、日本では妊娠初期の大イベントである「胎のう確認!」「心拍確認!」のプロセスを一切たどらず来る訳です。

私は小心者で、12週までとても不安で耐えられないので、日系病院にせっせと通っては、エコーで6週で胎のうの子宮内着床確認、7週で胎芽確認、9週で心拍確認と、その度にドキドキしたりほっとしたりを繰り返していましたが、

赤ちゃんが元気にお腹で育っていることをひたすら信じて、2ヶ月近くどーーんと待つことが出来るイギリス人女性達は、ある意味たくましいなぁ尊敬だなぁと心から思います。(ちなみに、急激な腹痛や出血など異変がおきた場合には、12週以前でも診てもらえるそうです)

あと、GPに行くと、この時点で最寄りの総合病院が出産時の病院としてほぼ自動的に割り当てられ、GPの方から登録&分娩予約をしてくれます。日本のように「どの病院で産むか早く予約しないと、予約いっぱいになってお産難民になってしまう!」ということはないので、そういう意味では安心です。もちろん自分の希望の病院が他にある場合や自宅出産を希望する場合には、そちらを選択することも可能です。



2. 助産婦さんとの検診は病院でなく公民館

12週からは1ヶ月に一回位(後期は2週間に1回)のペースで、助産婦さん(Midwife)との検診が始まります。産婦人科専門医には、よっぽど問題が無い限りは最後まで一度も会うことはありません。

これは地域にも寄ると思うのですが、私の地域では、助産婦さんとの検診は、病院ではなく、地元の公民館のようなところです。私の住んでいる地域はユダヤ人街なので、ユダヤ教徒のためのファミリーセンター内にて検診が行われています。

今までユダヤ教徒以外は入っちゃいけない場所だと思っていたので初回はドキドキでしたが、入ってみると普通の公民館でした。このユダヤ人ファミリーセンターの2階にある図書室のような場所に長机がポンとおいてあって、そこで検診が行われます。

毎回、助産婦さんから私自身の最近の体調やお腹の赤ちゃんの胎動回数などについて質問を受けた後、血圧、尿検査、採血、子宮底長を計ってくれる他、小型のトランシーバーのような機械で胎児の心音を聞かせてくれます。

助産婦さんは担当が決まっていて、最後まで基本的に一人の助産婦さんが担当してくれます。私の担当は東欧系の方で、多分私と同い年位かちょっと上位。
場所も病院でないし、助産婦さんも普段着なので、毎回検診に行くというより、気軽にお姉さんに会いにいくみたいな感覚で検診を受けています。



3. エコー検査は基本的にたったの二回!!

そして助産婦さんとの検診とは別に、出産予定病院にエコー(超音波検査、Ultrasound)を受けに行くのですが、以前の日記にも書いた通り、エコーは基本的には12週と20週のたったの二回です。日本だと妊娠期間中を通じて通常10回以上はエコーの機会があると思うので、それに比べるとかなり少ないです。
(もちろん、何か問題が有った場合には、上記の2回にプラスしてエコー検査をしてくれます。 )



4. 病院からの体重制限まったく無し!!

日本では、妊娠中毒症や難産を防ぐ目的で、妊娠中に厳し〜い体重制限があるとのことで妊娠中の体重増加は8キロ〜10キロ増に抑えるのが理想と言われているそうです。

ですが、ここイギリスでは、どうやら「体重制限」という概念自体が存在しないらしく、助産婦さんとの初診で妊娠初期の体重を聞かれた他は、その後一度も体重測定がありません・・・。増えたいホーダイです。

その結果・・。イギリスでは妊娠中の体重増加は15キロ〜20キロ増が当たり前になっているそうです!!現地病院やマタニティヨガで周りを見渡すと、同じ妊娠8ヶ月のイギリス人妊婦さんは、皆さん既に臨月状態のお腹・・。

私は今のところ、一応日本の基準に沿った増加をするように気をつけてはいるのですが、イギリスの基準でいいや〜と思って油断していると出産後に大変なことになりそうなので気をつけたいと思います・・(^-^;)



5.エコー検査は夫同伴が一般的

妊娠中に2回しかない貴重なエコー検査の機会だからということで、
エコー検査は夫婦二人にとって大イベント!

殆どの人たちが旦那さんも会社の休みをわざわざ取って、夫婦一緒にエコー検査に行くようです。母親学級も半数以上の人たちが旦那さん同伴らしく、また子供が産まれた時に父親もまとめて休みを申請できるPaternal Leave(父親の育児休暇)の制度も整っています。イギリスでは結婚後も仕事も続ける女性が多い為か、子育ても夫婦一緒に・・という感覚が強いみたいです。


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ということで、日本に比べるとかなーーり大雑把な妊婦検診ですが、これらのサービスが全て、外国人である私も含めて皆が平等に無料で受けられ、また「予約がいっぱいで出産する病院がない〜!」ということにもならないということを考えると、出産事情は日本より悪くないのかも・・とも思います。

(でも、私のように、NHSでの検診だけではどうしても不安な方は、NHSでの検診の合間に日系クリニックでも平行して検診を受けると、産婦人科専門のお医者さんに色々直接相談できるので良いと思います。)

ちなみに、同じイギリスでも国立病院ではなく私立病院での妊娠出産は事情がまた異なると思います。詳しくは以前の日記に書いています。


来月からはNHS(イギリス国立病院)の主催する無料母親学級も始まるので、またレポートさせて頂きたいと思います。地元の妊婦さん友達も増えたらいいなぁと楽しみにしています。

予定日が1月3日なので残りあと2ヶ月半。お腹の赤ちゃんと一緒に、大切に大切に過ごして行くことができればと思っています。
by sayaka-blmusic | 2010-10-18 20:13 | イギリス妊娠出産育児
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