猛烈におすすめのロシア人指揮者、ウラディミール・ユロフスキー

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もう1週間前のことになってしまいましたが、
今年二回目の PROMS(イギリスの夏の大音楽祭)に行ってきたレポートです。

前回行ったプロムスは、ゲルギエフ指揮World Peace Orchestraによるマーラーの交響曲4、5番(その時の日記はこちら)。

そして今回は、私と夫が二人とも大——好きなロシア人指揮者、Vladimir Jurowski (ウラディミール・ユロフスキー)指揮London Philharmonic Orchestra(LPO)による全曲ロシアンプログラム!

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私たちがユロフスキーのの指揮を初めて見たのは3年前。彼が、ロンドンフィルの首席指揮者に、史上最年少(当時35歳位)で就任した、その就任記念お披露目コンサートでのこと。

そのコンサートでのプログラム前半は、あの有名な大ピアニストポリーニとのベートーベンのコンチェルトでした。この時は、指揮目当てで行った訳ではないので、ユロフスキーに関しては全くのノーチェックだった上に、コンチェルトでは普通指揮者の上手さが特別に分かることは少ないのですが、この時は明らかに、(むむむっ、この指揮者はすごいかも・・)と予感が。

そして後半は、いよいよ指揮者とオケが主役になる、ラフマニノフの交響的舞曲。

そこで、度肝を抜かれました!

一挙一動、一振りごとにで、強烈にイメージが伝わって来るその指揮に釘付けになり、何?何なのあの指揮者は??? と、楽章の合間で大興奮で夫と顔を見合わせ、終わった後も興奮が冷めやらず。

彼のセンセーショナルなロンドンデビューの現場に立ち会うことができたこと、本当に幸せに思います。

それ以来、ユロフスキーが指揮をするロンドンフィルの定期コンサートをチェックして、何度か足を運んでいました。

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話は戻って、あれから3年たった今回のPROMS。

PROMSが行われるロイヤルアルバートホールは、巨大な円形劇場になっていて、座る場所によって、見え方も音響も全く違います。

今回は、兎にも角にも、指揮が良くみえるようにということで、オーケストラの真後ろの席となるコーラス席を予約。

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コーラス席から見た舞台(演奏前)。この席だと指揮者が真っ正面からしっかり見えます(@_@)

意外に音響も良いし、席の値段も安めのことが多いので、ロイヤルアルバートホールにコンサートに行かれる機会がある時は、コーラス席かなりおすすめです。

そして、この日のプログラムはこちら。

ムソルグスキー arr. Rimsky-Korsakov  A Night on the Bare Mountain(禿げ山の一夜)
ショスタコーヴィチ  Violin Concerto No. 1 in A minor
スクリャービン  Rêverie (夢)
プロコフィエフ 交響曲 No. 3 in C Minor

全てコテコテのロシアもので固めたプログラム! 
ラフマニノフが無いだけのが残念ですが、それでもロシア音楽大好きの私にとっては超楽しみなプログラムです。

前半のメインは、難曲として有名なショスタコーヴィチのバイオリンコンチェルト1番。この曲、ピアノ伴奏でオケパートを弾いたことがあるのですが、ソリストとオケパートを合わせるのが死ぬ程大変な曲です。この日の演奏は、指揮やオーケストラはもちろん、ソリストも素晴らしくて、手に汗握る良い緊張感に満ちた快演!

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そして、コンサートのクライマックスは後半のプロコフィエフの交響曲3番。

こういう、ロシアもののリズミックな曲を振らせたら、ユロフスキーの右に出る人はいないんじゃないかと思ってしまいます。

いわゆる巨匠と呼ばれる指揮者達によくある、指先だけちょちょちょっと振って最低限の動きだけでオケに音楽を伝える、というような振り方でなく、ユロフスキーの指揮は、全身を使って、まるでダンスや演技をしているかのような動き。なので、人によっては「やりすぎ」と思う人もいるかもしれないし、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、その動きが決して野暮ったくなく、あまりにもスタイリッシュなので、見ていて本当に快感なのです。そして、どんな小さな箇所でも、決していい加減にせず、全てはち切れんばかりのイメージに満ちている。

地の底から這い上がるようなおどろおどろしさや、透き通るような透明感や崇高さ、全てを破壊するかような爆発・・。様々なイメージが(もはや指揮者というよりActor?)と思ってしまう位Vividな彼の動きを通してオーケストラに伝わり、それが音楽となって観客である私達にも強烈に伝わってきます。

彼が振ると、音楽が隅から隅まで、まるで生き物のように、不思議なほど生命力に満ちて来るのです。

指揮者はオーケストラにテンポや拍、タイミングを伝える役目、と思いがちですが、それにも増して重要な役割は、音楽のそれぞれの箇所の「イメージ」を伝え、統合することなのだなぁと、彼の指揮を見ていると思わされます。

今回も、私も夫も大満足で帰ってきたPROMS。次の彼のコンサートは、9月下旬のロイヤルフェスティヴァルホールでのマーラー。とっても楽しみです!

批評もやはり賛否が分かれがちで、「いくらなんでも大袈裟に振りすぎ。解釈が極端。」と書かれていることもありますが(^ー^;) 若さの爆発の所以でしょう。 彼の指揮、私は大好きです。

それに彼はまだ30代と若いので可能性も無限。ゆくゆくは日本でもコンサートをしてくれるのではないかと思います。ロシア人指揮者ウラディミール・ユロフスキー、皆さん要チェックです!


ー Wikipedia   Vladimir Jurowski
ー ユロフスキーが常任指揮者をしているLPO (London Philharmonic Orchestra)の公式ウェブサイト
by sayaka-blmusic | 2010-08-25 03:20 | ロンドン音楽事情
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