ロシア語を習い始めました! 敬愛する作曲家、ラフマニノフの母国語ということで、 ラフマニノフのことをもっと知るためにも、ロシア語を勉強したいなぁと前々から思っていたのですが、長い間きっかけがありませんでした。 そんな中、ひょんなところからきっかけが。 それは、去年在籍していた作曲コースで出会ったロシア人の友達Natasha。 (この時の日記はこちら) 彼女はロシアでバリバリのクラシック教育を受けていたのだけど、ロシアで宮崎駿の映画を見て衝撃を受け、久石穣に憧れて、映画音楽を勉強する為にロンドンに来た、ということでした。 一方私は、ロシア人であるラフマニノフに憧れて、しかし何故かロシアでなくロンドンへ。 お互い、不思議な繋がり(?)に意気投合して、作曲コースが終わった時、連絡先は交換していたのですが、それっきり、特に連絡は取り合っていませんでした。 そして1ヶ月程前に、ある日突然彼女からメールが来ました。 元気ー?という近況報告のメールかと思ったら、 なんと、私にピアノを習いたい!というレッスン依頼のメール。 現在彼女は、クラシックピアノは長らくお休みをしていて、学校のコースではジャズピアノと作曲を勉強しているけれども、もう一度クラシックもちゃんと勉強したくなったので、レッスンを受けたいとのことでした。 彼女は、ラフマニノフが幼年期を過ごしたサンクトペテルブルグ出身。しかも、レッスンを受けたいと挙げてきた曲は、コテコテのロシア音楽の、Anton Rubinstein(サンクト音楽院の創設者)の曲。 ロシアでピアノの英才教育を受けていたという彼女に、ロシアの作曲家の曲を、私教えられるんだろうかと若干不安に思いつつ、せっかくの機会なので、お引き受けさせて頂くことに。 そしてふと、そういえば彼女はアルバイトでロシア語をロンドンのビジネスマンなどに教えていると話していたことを思い出しました。 それなら、私が彼女にピアノを教えて、変わりに私が彼女からロシア語を教えてもらう、という「交換レッスン」形式はどうかと提案すると、彼女も大賛成!私のロンドン&ブダペストのコンサートが一段落したら開始しようと約束していました。 ------------ ということで、先日その第一回目の交換レッスンでした。 まず、彼女のピアノのレッスンからスタート。 弾いてくれたのは、ロシア人作曲家アントン・ルビンシュタインの小曲。 うーーーん、さすがロシアの血! あんまり人種で演奏を区別したくはないけれども、 ロシア人の演奏を聞くと、やっぱりいつもそう思ってしまいます。 「のだめ」でいうと、「ターニャ」みたいな感じ。 とにかく感情表現が深い!濃い! 奥底から湧き上がるエネルギーというか。 テクニック的なことは、ブランクが長いこともあって、今後リハビリ的なトレーニングが必要だけど、ロシア的なメロディの歌いあげ方などは、むしろ私の方が学ぶことが多いなぁと思ってしまいました。 あと、面白かったのが、彼女が、 「指の練習の為に小さい頃使っていた指の教本で練習しているの」 と持ってきてくれたのが、なんと チェルニー!! 日本では大定番の練習曲です。 イギリスではあまり見ない気がしたのですが、ロシアでは、やはり日本と同じように、小さい頃の指の練習のためには避けて通れない道なのだとか。 ちなみにこちらがロシア版のチェルニー教本。 もともと「表現したい」という強い思いやエネルギーが彼女の中にあって、その上でそれを表現するためにテクニックが必要、ということが彼女の中ではっきりしているためか、私のアドバイスも、まるでスポンジで吸いとるかのように凄い勢いでどんどん吸収していってくれて、教えている私にとっても凄くエキサイティングなレッスン時間でした。 --------------- 1時間ほどのピアノレッスンが終わり、 少し休憩をしてから、後半は彼女が私にロシア語のレッスン。 完全に初心者なので、、 まずはアルファベットからスタート。 33個あるアルファベットの、発音の仕方を一つずつ確認していきます。 ロシア語の文字「キリル文字」は、英語と似ているものも一部あるけれども、半分ほどは全く別の文字で一瞬戸惑うけれども、ひらがなと同じように、基本的に子音と母音の組み合わせから成り、英語のような不規則な読み方も少ないので、読み方さえ覚えてしまえば、あとはほぼ文字通りに発音できるのだそうです。 33個のアルファベットは、主に次の3種類に分かれるそうです。 1. 英語のアルファベットにもあって、読み方も似ているもの 2. 英語のアルファベットにあるけど、読み方がまったく違うもの 3. 英語のアルファベットにない文字。 例えば、上記の「2」の例としては 「P」という文字は、英語のように「プ」という発音はせず、 ララララと巻き舌をする時の「ラ」の発音だったりします。 「H」は「ハ」でなく「ナニヌネノ」のような「N」の発音。 なので、アンナさんは「AHHa」になります。 などなど。 うーん紛らわしい。。。 そして、「3」の「英語のアルファベットにない文字」に関しては 何だこれ、虫の羽根? というものや、 (ズィの発音) えっと、顔文字に使う記号?? ( ̄Д ̄;) (゚д゚) (;´Д`) ←こういうの (Dの発音) というものもあったりして、既に混乱。 結局、一回目のレッスンでは、アルファベット18個までしか行きませんでした。 ここまでだけでもぜーぜーはーーはーーー。 うううう、アルファベットと似ているキリル文字でもこんなに大変なのに、 ハングル文字とか、アラビア文字勉強している人を尊敬。 欧米人が日本語のひらがな、かたかな、漢字を全てをマスターするのって、 一体どれだけの労力が必要なんだろう・・と思ってしまいました。 しかし、最初のレッスンで習った知識を組み合わせたら、 ラフマニノフの原語表記 が読めるようになっていることに気づきました! うおおおおお、これだけでも感動(ToT) 今後、まずアルファベットを全て克服することが第一目標。 その後、単語や、36種類もの格活用があるという恐ろしく複雑な文法が待ち構えていますが、取り合えず、挫折するまで頑張ってみます (^-^;) この日、彼女のピアノと、ロシア語に少し触れただけで、何故かものすごい強いインスピレーションが降ってきて、彼女が帰った後、新しい曲が一曲出来上がりました。せっかくなので、曲名は彼女の名前を頂いて「Natasha」と命名。ちなみに、ラフマニノフが生涯大切にした奥さんの名前と一緒(Natalia → 愛称Natasha) 何だか、私ばかり彼女から沢山ものを貰っているような気がして不安だけど、 ちゃんと彼女にとっても「交換レッスン」で得たものが少しでもあったならいいなぁと思います。 次回の交換レッスンは早速来週の予定。第二回目も楽しみです!
by sayaka-blmusic
| 2010-04-01 15:47
| ロンドンでの日常生活
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