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ロンドンの築地市場Billingsgate Fish Marketへ!しかし・・・

イギリスでの食生活で困ることの一つが、お魚や貝などの新鮮な魚介類が非常に手に入りにくいこと。

イギリスはフィッシュアンドチップスの国と言われている割には、昔ながらの「肉はご馳走、魚は肉の代用品」という意識がまだ残っているのか、魚屋さんがすごーーーく少ない。

スーパーでも、鮮魚コーナーがあるのはかなり大きな店舗のみ。たいていは、肉コーナーや乳製品コーナーに押しやられて、隅の方にちょこっと真空パックのスモークされたサーモンや鯖(Macharel)、たら(Cod)の切り身等が遠慮がちに置いてあるだけです。どうしてもお刺身が食べたい時には、日本食材店の「あたりや」などに行って買うのですが、日本と比べるとやはりかなりの割高なので、頻繁に食べる訳にはいかず。

そんな中、ロンドン最大の魚市場「Billingsgate Fish Market」がロンドン東部のCanary Wharfあるという話を聞き、ずっと行きたいと思っていたのですが、何しろ朝5時に現地にいなければいけないという大きな壁が立ちはだかって、なかなか行けずじまい。

ですが、先週末の土曜日、諸条件がやっと合って、ようやく行くことができました!
朝3時半に起きて、4時過ぎに出発。朝5時に現地着。もちろんまだあたりは真っ暗。

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Canary Wharf はロンドン東部のテムズ川沿いにある再開発地域で、東京でいうとお台場みたいな感じです。魚市場のバックに高層ビルという不思議な光景。

このBillingsgate Fish Marketは150年以上の歴史を持っていて、北はスコットランドのアバディーン、南は南西イングランドのCornwallから毎日運ばれてくる魚介類を求めて、ロンドンの多くのレストランや魚屋さんも日々ここに仕入れに来ているそうです。

早朝5時のマーケットスタートの時点で駐車場は既にいっぱい!何とか駐車スペースを見つけて中へ。

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すごい活気!! まさにロンドンの築地!といっても私自身は築地に行ったことないのですが、行ったことがある人によると、築地と比べたらやっぱり5分の1位の規模だそうです。でもロンドンでこれだけの魚介類が揃っている景色は衝撃!

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ロブスター

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カレイとサーモン

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カニ、カニ、カニ、カニ!!
大好きな魚介類が辺り一面にある光景に、すっかりハイテンションに。

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マテ貝。こんな風に生きたままバンドに縛られて売っています。

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体長1メートル以上のかじきまぐろ(Sail Fish)も発見!! さすがにこれは買って帰れません・・・。


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その他、各種魚、ホタテ、イカ、タコ、サメやうなぎ、何故か牛の足まで売っていました。

殆どは箱売りで、バラ売りは少ない為、一般客は、何家族かで合同で買って後で分けるパターンが多いようです。それでも多すぎるものもあるので、「あの~~これ、バラ売りはありますか?」と聞いたら、「一個ずつ買いたかったらTESCO(スーパー)に行ってね~笑」と笑いながら言われてしまいました。まあ、確かにそうですね・・。

そんな中でも量り売りしている店がいくつかあったので、カレイ2匹、スズキ5匹、巨大エビ2尾、巨大いか1杯、巨大ハマグリ4個、たこ1匹、鮭切り身、マテ貝16本、あさり500グラム、カニ2杯、を購入。以上で全部合わせて30ポンド位。これを一緒に行った友達夫婦と分けたので、一人当たり7ポンド位でこれだけ色んな種類のシーフードが食べられるというのはロンドンで考えると格安です!

開始後30分ほどたつと、既に品数の少ないものは売り切れ始めてしまっていました。やっぱりスタートから15分位が勝負みたいです。

6時頃にマーケットを出発し、朝7時前には自宅に帰ってきました。まだ薄暗いうちに用事から帰ってくるというのは不思議な感覚。それにしても眠い・・・・。あのマーケットに毎日買出しに行っている業者さんは、これを毎日繰り返しているんだと思うと尊敬です。

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家に帰って、最低限の魚の処理や下ごしらえをして冷蔵庫や冷凍庫に放り込んだ後、さすがに眠いので数時間仮眠。この日はレッスンが無かったので昼間に自分のピアノの練習や用事を済ませた後、夕方からいよいよ市場で買ってきた魚介類で夕飯準備スタート!

カレイは煮付けに、マテ貝は網焼き、カニは茹でて酢味噌と酢じょうゆで! 滅多に買わない日本酒も買って、一緒に魚市場に行った友達ご夫婦も交えて、ロンドンでは滅多にできない魚介類三昧ディナーです(^-^)

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まずマテ貝の網焼き。これが食べたくて今回マーケットに行ったようなものでした。みりんや醤油、お酒、ショウガを混ぜたタレをかけながら網で焼くと、すごく良い香りが漂ってきます。食べてみると、やっぱり美味しい~~~!こってりした濃厚な味で日本酒に合います。

カレイ(Plaice)は日本のものに比べるとかなり肉薄でぺったんこすぎるけど、煮付けにすると日本とほぼ同じ味。

カニも、ちょっと身が少ないけどそれなりにおいしいし、カニ味噌の部分も美味!

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と、このあたりまでは順調。こんなに安くておいしいなら、Billingsgate Fish Marketまた行きたいね~!と話していた矢先。

そろそろ、あの巨大えびをグリルして食べよう、とした辺りから方向がおかしなことに。

こんがり焼けたおいしそうな姿に、期待度200%で、巨大エビにかぶりつく。

ん・・?明らかに生ぐさい。火を更に通し直してもやっぱり同じ。ありえないくらい極端に生ぐさい味で、とても食べられる味じゃないので、四人とも一口でギブアップ!!



一刻も早くこのエビの味を口から消し去りたくて、あさりのお味噌汁で口直しをしようということに。今日買ってきたばかりのあさりだし、作る手順も日本と同じだし、そうそう変な味になりえないでしょうと安心しきっていたのですが、お味噌汁の中のあさりの身を口に入れて噛んでみると、中からじわ~~っとあさりの風味、ではなく、

なぜか・・・・


石油の味・・・・・・・・・!!!



石油食べたことあるのか、と聞かれたらそれは無いけれども、その場にいた4人ともが、確信を持って「石油の味!」と言い切ったので、私の味覚の問題ではないはず。

うーーん、北海油田あたりで取れたあさりなのか、工業排水の近くで取れたあさりなのか、はたまたアラブの油田????とにかくどう考えても石油の味。

砂抜きしている時点から様子がおかしかったので、ん?とは思っていたものの、加熱したら普通にパカパカ口開いてたから大丈夫だと思ったのですが・・・。恐らく生きてる死んでるの問題ではなくて、生きていた場所の問題と思われます。

これまた一口でギブアップ!!
口いっぱいに広がってしまった石油の味を消すために、急きょコーラだのアイスだの、味が正反対のものをニュースエイジェント(コンビニ)から買ってきて必死に口に放り込むはめに。せっかくの日本酒やマテ貝の余韻も、ぜーんぶ一緒にコーラで流し去らさねばならぬ屈辱。

う・・・・・・・・・・・しばらく海老とアサリは見たくないかも・・・・・・・・。

その後、他の美味しかったはずの魚介類も、あの衝撃のエビや石油アサリの味がよみがえってきてしまって、なかなか箸がすすまず。なんとか一通り平らげた頃には一同げっそり・・・。

冷凍庫で眠っている、イカやタコ、スズキなどが外れでないことを祈るばかりです。

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で、今日の結論。

考えてみれば当たり前のことなんだけど、やっぱり魚介類に関しては日本が圧勝だなと改めて痛感しました。サーモンや鯖など、日本よりも油がのっていて美味しいお魚も一部あるものの、全体的に考えると、やっぱり日本で食べる魚介類が圧倒的に美味しい。

それに、いつでも新鮮で安心して食べられる魚介類が、市場まで行かずとも近所の魚屋さんやスーパーで気軽に買えるということは、やはり長い魚文化の歴史を持つ日本ならではだなと思います。

そのような歴史を持たないイギリスで魚介類を手に入れる、ということを前提とすれば、確かにBillingsgate Fish Marketは、ロンドンではこれ以上無い位品揃えはいいと思います。私達が今回買わなかったもので、とっても美味しいものも、もしかしたらあるのかもしれません。ただ、あまりに当たり外れの差が大きいので、新鮮なものとそうでないものをよっぽど吟味して買わないと、今回のように、トラウマになりうる位のショッキングな体験をする危険性があるかも・・・。

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それにしても、最近の日記を読み返してみると、野菜狩り、果物狩り、栗拾い、魚市場・・・と週末ごとに食べ物を求めて放浪している気がしてきた・・。潜在意識の中にイギリスの食べ物に対するストレスが溜まっているのかも・・(笑)
by sayaka-blmusic | 2009-10-26 22:38 | ロンドンでの日常生活
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