パート1の続きです。
2008年2月、特別講座を終えたばかりのラフマニノフの巨匠、ハワードシェリー先生を探して、学校中うろうろしていると、学校のエントランスの外に彼の姿が。しかも今まさにタクシーに乗り込もうとしているところ! 猛ダッシュでかけより(怖すぎ)、息切れしながらタクシーの窓越しに 「お急ぎのところゴメンナサイ! あ、あなたに教わりたいのですが、定期的なレッスンはされていますか??」 と聞くと、(今考えてみるとかなり唐突すぎ・・・) 「残念ながら、ツアーなどで忙しくて定期的なレッスンはしていないのだけど、単発的にだったら可能かもしれない。さっき講座で最後に弾いていた子に僕のメールアドレスを伝えてあるから、彼女からメールアドレスを聞いて、そこに連絡をしてね。」 「は、はい!ありがとうございます~~ (ToT)」 で、今度は必死でさっき最後に演奏していたというウズベキスタン人の子を校内で探し、事情を話してメールアドレスを聞く。 その日、家に帰って一息ついたところで、さっそくメールを書きました。 今日のマスタークラス、先生の教え方も演奏も、本当に感動したということ。 ラフマニノフの曲の全曲録音を成し遂げたという偉業に、心から敬意を感じるということ。 自分自身もラフマニノフを心から愛していて、ラフマニノフ弾きになりたいと思っていること。 いつか、もしチャンスがあれば、是非あなたからラフマニノフの曲をレッスンしてもらいたいと思っているということ。 何度も読み返したあと、 送信ボタンをクリック。 しかし待てど暮らせど返事は来ず・・・・。 それから丸1年ほどたった2008年2月のある日、ふと何気なくメールフォルダを整理していると、半年位前のスパムメールフォルダの中に「ハワード・シェリー」の名が! !!!!!! 慌てて開いてみると、1年前に私が送ったメールに対してのとても丁寧なお返事が書かれていました。送信日時は約半年前。それによると、彼はスパムメールフォルダから偶然私のメールを見つけ、とても返事が遅れてしまったことをお詫びして下さっていました。 そう、つまり私が最初に送ったメールが彼のスパムメールフォルダに入ってしまい、彼が半年後にスパムメールの中から発見し返事を書いてくれたメールが、今度はどういうわけか私のスパムメールフォルダに入ってしまい、更に半年後に私が発見したといういきさつでした。 おそるべしスパムフィルタの2重妨害!! で、すぐにお返事を書いて、今度はスパムに引っかからないように2つのメルアドから送信すると、今度はフィルタにかからなかったらしく、すぐにお返事を下さいました。ただ、残念なことにもうすぐ彼は長期の世界ツアーに出発してしまうところで、次にロンドンに戻ってくるのは4ヵ月後の6月になってしまうということ。6月になったらレッスンを見てあげられると思うので、ロンドンに戻ったら私あてに連絡するね、とメールに書いて下さっていました。 と、その後、4ヶ月の間にあれやこれやと事情が変わり、私自身2008年6月~11月の長期一時帰国が決まりました。その旨、ハワード先生にも一応メールでお伝えしたのですが、6月に入ってもハワード先生からの連絡が無かったため、もはや完全に諦めモードに。そして引越し荷物の最終片付けをしていた一時帰国出発前日の2008年6月25日午後14時ごろ。 あと数時間後位に、携帯の解約手続きのための連絡をしなきゃ・・と思っていた矢先に、携帯の着信音が鳴りました。 トゥルルルルーーー。 非通知設定のプライベート番号。 誰だろう・・と思いながら電話を取ると・・ 「ハワードシェリーです。 今ちょうどロンドンに戻ってきたよ。6月にレッスンの約束だったよね。 もうすぐ日本に帰ってしまうというメールを今見て慌ててかけたのだけど、まだロンドンにいたんだね!よかった!」 ええええーーーーー!!!! その時の私の驚きと喜びとパニックったらありません。 そう、6月に世界ツアーから戻ってきたら連絡する、という約束を、彼は本当に覚えていてくれたのでした・・・。しかもその数時間後に、私は携帯の契約を切ってしまうところだったので、まさに奇跡のギリギリセーフのタイミング。 興奮を抑えながら、 「あの、私実は明日の朝の便で日本に帰国してしまうんです・・。でも、11月にまたロンドンに戻ってくる予定なので、その後、是非是非ラフマニノフのレッスンをお願いできたら嬉しいです!」 すると先生、 「ぎりぎり帰国前に話せて本当に良かった! じゃあ君がロンドンに戻ってきたら君のラフマニノフを聞くのを楽しみにしているよ!」 と言って下さいました。 翌日、私は予定通り日本への一時帰国へ出発。 そして、4ヶ月の日本一時帰国後、再度ロンドンに帰って来た後、ブリストル大聖堂でのコンサートの演目の一つがラフマニノフのコンチェルトと正式に決まった為、この曲で是非ハワードシェリー先生のレッスンを受けようと決断しご連絡! 今度は、スパムメールに入ることもなく、また世界ツアー(指揮者としての)から先生がちょうどロンドンに戻っているタイミングと丁度ぴったり合うことができ、とうとうレッスンを受けることが決定しました。 今度こそ本当に会える! ラフマニノフの巨匠、ハワード・シェリー先生にレッスンを受けられる! 前日は興奮と緊張でなかなか寝付けないほどでした。 そして迎えた先週末のレッスン当日。 <Part 3>へ続く
by sayaka-blmusic
| 2009-06-03 20:59
| ラフマニノフについて
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