ロイヤルアカデミーでの今日のPresentation in Performanceの授業は、「Criticism in Performance (演奏の批評)」について、でした。
演奏家にとって、新聞や雑誌での批評って、一生ついてまわるものだけど、日本の音大では批評について授業で学んだことは一度もなかった気がする。
同じコンサートについての4枚の異なる批評が、セットになって生徒一人一人に配られる。題材になっているコンサートは、この間私も行った9月3日のロイヤルアルバートホールでのプロムスで、ロイヤルアカデミーとNYのジュリアード音楽院の混合オーケストラが共演したコンサート。ちょうど私も同じコンサートについてのレビューをサイトにのせる為に書こうと思っていたところだったから、とても興味深かった。
このコンサートについての、実際の批評を4つ見比べながら、皆でディスカッションをしていく。こうやって見比べてみると、確かに、批評家によって随分観点が違って面白い。後半は、3分ほどの様々なレコーディングを聴きながら、それぞれ短く批評をしていく練習。
この授業、「Presentation in Performance」は、演奏技術だけにとどまらない、演奏家としての総合能力を伸ばしていくというコンセプトの授業で、最終成績は
・クラス内での演奏(ソロorアンサンブル)
・演奏前のトーク
・プログラムノート(曲目解説)
・コンサートプロモーターへの売り込みの手紙
(自分のキャリアの説明や、幾つかのコンサートプログラムの曲目提案を含む)
・他の人の演奏についての批評レポート
などを、全て含んで評価されます。
「演奏家としてどう活動していくか」 という実際的な部分の教育って、
日本の音大では、まだあまり見られない例かもしれない。
是非是非、日本の音大でも取り入れてほしい授業だな、と思います。