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新型インフル・ロンドンでの状況 & 次回コンサートのお知らせ

日本のネットニュースなどを見ていると、既に30人近く感染が確認されているイギリス以上に、新型インフルエンザの話題で持ちきりで驚きました。

ロンドンの状況はというと、一部の幼稚園などは一時閉鎖になっていたりしますが、街や地下鉄の様子は普段とまったく変わらず。マスクをしている人は今のところ一人も目にしません。というか売っているところすらも目にしたことありません・・。

BBCなども、連日トップニュースにはなっているものの、日本のように無駄に不安を煽るような報道の仕方ではなく、淡々と状況を説明し、注意を呼びかけている感じです。


ちなみにこういう時のイギリスの報道や国民の冷静さは、かなり筋金入りだと思います。

私が最初にロンドンに住み始めたのは2005年7月14日。
7月7日に起きたロンドン地下鉄テロと、2回目の7月21日のテロの、ちょうど真ん中の日でした。

到着して一週間目に2回目のテロが起き、日本ではすぐに報道されたらしく日本人の友達が親から心配の電話をもらい、その知らせで私も知りました。続いて、バイトに出かけたはずのフラットメイトも「O駅(最寄の駅)も爆発物が見つかって封鎖されたみたい!」と家に戻って来て、私はもう不安で不安で一人で大パニックに。


これが日本だったら一斉に全チャンネルで緊急特番をやっている事態。
すぐにTVを付けてみると、目に飛び込んできたのは緊急特番ではなく、




クリケット中継・・・・。




試合時間8時間以上もかかり、間にティー休憩とランチ休憩も挟むという、
非常~にイギリスらしい、気が遠くなる程のんびり平和なあのスポーツが、普段と同じように中継されていました。

他の主なチャンネルでも、緊急でニュースをやっているチャンネルは無し。
いつものニュースの時間になって、やっと始まったニュースでは、ロンドン市民が街頭インタビューで、
「冷静に対応して、普段通りの生活を送ることが、私達がテロリストに対してできる最大の抵抗だと思う」
と答えていて、「ああ、この国の芯の強さは、こういうところにあるんだな・・・」 と感動した記憶があります。

まあ、冷静を通りすぎてちょっとのんびり過ぎるのでは・・と思うことも無きにしもあらずですが・・。



今回のインフルエンザに関しては、ロンドン内でのパニックよりも、
むしろ「パニックになっている日本への対応」で大変、という話をここ数日よく聞きます。

現地の会社に勤めている人で、日本への出張を予定していた人が「豚インフルが危険だから来ないでくれ」とミーティングをキャンセルされたとか、日本への一時帰国で泊まる予定にしていた友達から「ウイルスが怖いので泊まりに来ないでくれ」と断られてしまった話、などなど・・。

夫は今ちょうど学会でアメリカに行っているのですが、日本からの参加者は殆どがキャンセルだったそうです。世界中から来る発表予定者のうち、豚インフルエンザを理由に、国を挙げてキャンセルしていたのは日本とシンガポールくらいだったとか。本人は来たくても、政府から各大学に「渡航はなるべく自粛しましょう」みたいな指示が出て、仕方なくキャンセルとなり、残念がっている方も多いようです。

キャンセルするのが悪いという訳ではなく、
そういう不安を煽るかのごとく「感染疑い例」を片っ端から必要以上に大騒ぎしている日本の報道が、いくらなんでも行き過ぎている気がします。

もちろん、今回の新型インフルの危険性はまだまだ油断できないし、
しっかりと気をつけて予防することは大事だとは思うけど、
国内で一人でも感染者が出たら、日本は終わりだ~!みたいな不安を煽る報道を見ていると、もし本当に、それこそテロなどの大変な事態が起きた時、日本のマスコミは冷静に対処して、国民を正しい方向にリードしてくれるような報道をしてくれるのだろうか・・・と少し不安になってしまします。

とはいえ、正直、私自身かなーりニュースや情報に「踊らされやすい方」なので、
ひとつの情報に惑わされすぎずに、いつでも情報を客観的に捉えて自己責任で行動しなくてはな・・と考えさせられるきっかけになりました。


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ということで、こんな時に最悪のタイミングなような気がしないでもないですが(^-^;)
一日も早くこのインフルエンザ流行が収まってくれることを祈りつつ、次回のコンサートのお知らせです。


今回は、ブリストル大聖堂で行われる「High Sheriff Gala Concert」のゲストとして、
昨年に引き続き今年も来英予定の妹あすかと一緒に、2台ピアノ曲の他、
ラフマニノフのコンチェルトなども現地オーケストラと一緒に演奏させて頂く予定です。

High Sheriffとはエリザベス女王に代わってその州の司法権を司る執政長官で、
ブリストルでは毎年、このHigh Sheriffを記念するGala Concertを、ブリストル大聖堂にて開催しているのだそうです。昨年ブリストル大聖堂で行った、私達の2台ピアノのリサイタルに、今回の主催者やオーケストラの音楽監督がいらしていたのがきっかけで、今年のGala Concertのゲストに呼んで頂くことになったといういきさつです。

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上の写真は、昨年のコンサートの時に撮影したブリストル大聖堂。1140年に建てられたというこのアビーの荘厳な佇まいに、着いた瞬間から圧倒されてしまった記憶があります。中に一歩足を踏み入れると、不思議な温かい空気とパワーで大聖堂中が満ちていて、あの時コンサートが成功したのは、あの大聖堂の持つ不思議なオーラというかパワーに助けられたからだな・・と今でも思っています。


今回協演させて頂くオーケストラは、ブリストルを中心に活動している小編成オーケストラの「エメラルドアンサンブル」、指揮はNational Youth Orchestra of Great Britainの常任指揮者で、BBCの音楽番組のコンサルタント等も兼任しているPeter Stark氏です。

曲目は、私&オーケストラによるラフマニノフ2楽章のコンチェルトや、あすか&オーケストラによるガーシュインのラプソディインブルーの他、オーケストラのみの曲、2台ピアノの曲、2台ピアノとオーケストラの曲、そしてお馴染みピアニカも登場、などなど、正に「てんこ盛り」のプログラム。

昨年貴重な思い出を頂いたあのブリストル大聖堂で、今度は地元オーケストラと一緒に協演させて頂けること、心から嬉しい気持ちでいっぱいで、今からワクワクしています。


以下、詳細です。

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The High Sheriff of Bristol
Gala Charity Concert 

2009年6月12日(金)
19時30分 開演
場所:ブリストル大聖堂 (Bristol Cathedralのウェブサイト

出演:
Sayaka and Aska Matsumoto / The Emerald Ensemble Orchestra

指揮:Peter Stark

主催:The High Sheriff's Fund, The Fitzhardinge Society

Sponsored by:
Smith & Williamson、Waitrose、Rolls-Royce、First Great Western、
Bristol University、Wessex Water、Taylor Brothers Printing、他


演奏予定曲目の一部:

◎ミヨー: スカラムシュよりブラジリア (by あすか & さやか)

◎カプースチン: "MANTECA" (Dizzy Gillespie) Paraphrase for 2 Pianos (by あすか & さやか)

◎ガーシュイン: ラプソディ・イン・ブルー  (by あすか & オーケストラ)

◎ラフマニノフ: Piano Concerto No.2 (3rd movement) (by さやか & オーケストラ)

◎エルガー:Enigma Variations (by オーケストラ)

他・・ (プログラムには無い、当日サプライズ曲も用意しています!お楽しみに!!)


チケット:
£35 Nave-Front
£25 Nave-Rear
£20 West End
£5 North & South Aisles (柱の後ろになってしまう可能性有とのことです)

チケット事前予約は Tel: +44 (0)1179468184  (Bristol Cathedral Trust ブリストル大聖堂財団)
客席数800席前後。当日券も発行予定とのことです。


ブリストルはイギリス南西部に位置し、ロンドンからは電車で1時間30分ほどかかるので、
なかなか「是非いらしてください!」とは言いにくい場所ですが、
魚介類が美味しい街で、近くにはお風呂の語源となった観光地「Bath(バース)」もあり、とても素敵なところなので、もし、イギリスにお住まいの方で、小旅行も兼ねていらして頂ける方がいらっしゃいましたら本当に本当に嬉しいです!!
by sayaka-blmusic | 2009-05-06 05:12 | コンサート関連
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