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NHS出産病棟ツアー 

今日から妊娠35週。あと1週間で臨月です。

私の出産予定のNHSの病院では、週に一回、日曜日の昼に、Labour Ward(病院の分娩棟)を見学できる無料ツアーがあります。エコー検診などでは何回か病院自体には来たことがありますが、出産病棟は普段は関係者以外は入れないので未知の世界。予め見ておいた方が心の準備もできるし、と思って行ってみました。

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NHSのRoyal Free Hospital。この辺りでは一番大きな国立の総合病院です。私を含め、この地域周辺に住む妊婦は、プライベート病院や、その他の施設をあえて選択しない限りは、基本的にこの病院で出産することになります。



休日だったので夫も一緒に来てくれたのですが、いざという時の、駐車場の場所や、病院内での分娩棟への行き方も一緒に確認できて良かったです。

でも、見学ツアー自体は女の人ばっかりかもね・・二人一緒でも大丈夫かなぁ心配しながら行くと、
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なんと、この日の参加者、一人残らず全員が夫連れで、夫婦での参加でした!!びっくり!! そういえば最近日本で発刊された父親育児雑誌「イクメン雑誌 FQ JAPAN」の発祥がイギリスらしいけど、さすが発祥の地・・(^-^;)

そして、病棟内見学開始。


<1. Triage>

まずは、陣痛が始まって病院に着いたら最初に行く「Triage」という部屋。

「陣痛が始まって」といっても、この国のNHSでは、かなりギリギリまで自宅待機をすることが求められるので、母親学級で言われた指示では、陣痛が3分間隔位になるまでは家で待機、その後病院に電話で連絡して、OKと言われたら病院に来てもいいとのこと。陣痛間隔が3分間隔位より長い時には、たとえ破水していても、家に一旦追い返されるそうです。ひえー。でも、実際、慣れた環境の家でギリギリまで待機していた方が、お産もスムーズに進み易いらしいし、病院の病室数にも限りがあるので、確かに理にかなったことなのかもしれません。

ということで、この「Triage」の部屋は、家に追い返されるか、それともそのまま分娩室に移れるかが判定される場所。

「Triage」の意味自体を調べてみたらフランス語が語源で「重症度判定検査」という意味らしいです。なるほど・・。




<2.Labour Ward(分娩室)>

そして、次に、いよいよLabour Ward(分娩室)へ。

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思ったより綺麗でびっくり! 全て個室で、それぞれの部屋にお風呂とトイレも付いています。日本でいう「陣痛室」と「分娩室」を両方兼ねた部屋に当たると思います。プライベートの病院だったらもっと豪華だと思いますが、国立病院で、無料で出産できてこの部屋だったら、もう十分過ぎるほどです。基本的には助産婦さんが1対1でずっと付き添ってくれるそうです。

ちなみに、この病院は、Labour Wardは5部屋、Labour Wardより設備がやや簡易式のBirth Centreが3部屋あります。Labour Wardは主にEpidural(無痛分娩)を希望する人が優先的に入るらしく、こちらの部屋の方が多いということは、やはりイギリスでは、無痛分娩が多数派というのは本当みたいです。

無痛分娩もですが、水中出産もイギリスではとても多いです。ただ、この病院で、水中出産用のプールがあるのは、一部屋のみで、その日の状況次第で早いもの勝ちになってしまうようです。


ということで、じっくり見させてもらったLabour Wardですが、この部屋にいることができるのは、出産直後まで。

この国では、出産直後になんとシャワーをこの部屋で自分で浴び、ここを退室しなければいけません。日本だったらシャワー許可が出るのは数日後からなので、直後の自力でのシャワーというのはどうなんだろう、体力持つんだろうか私・・。というか出産直後のフラフラの身体でシャワーを浴びれるイギリス人の体力って一体・・。


<3. Postnatal Ward(産後病棟)>


そして、出産してすぐシャワーを浴びた後に移動する、Postnatal Ward(産後病棟)を見学。こちらはカーテンで仕切られた相部屋です。

ここには1週間ほどゆっくりのんびり入院・・ではなく! 初産婦で約24時間前後、経産婦だと、産後約6時間後から退院開始だそうです(帝王切開の場合は除く)。日帰り出産という噂は本当でした・・。

でも、説明してくれた助産婦さんの口ぶりでは「24時間後から晴れて退院でき ますよ〜(ニコニコ)」という感じだったので、恐らく、イギリス人は、一週間も入院しているよりも、一日でも早く住み慣れた自宅に戻りたいという人が多いのかもしれません。(実際、自宅出産を希望する人も多く、サポート体制も整っています)



ということで、今日見学した限りでは、施設もとっても綺麗で、かなり細かいところまで説明してもらったので、とても安心しました。しつこいようですが、これらが全て無料サービス(自然分娩でも無痛分娩でも水中出産でも、変わらず無料)というのは、やっぱり本当に素晴らしいと思います。

出産直後に自力でシャワー浴びたり、24時間で自宅に戻る体力があるかどうかは不安ですが、まぁ、遊牧民族は、出産直後に移動を始めるっていうし、それに比べたらずっとマシだなと思うことにしました(^-^;)



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最後に、私の担当のMidwife(助産婦)Orliと記念写真。妊娠して今までにいたる毎回のMidwife検診も、週に一回通っている母親学級も、全て彼女が私の担当だったのですが、たまたま今日のツアーも彼女が担当でした。Midwifeにも色々いて、合わない人にあたると、妊娠中ずっとイヤな思いをしてしまう人もいるようですが、彼女は本当に素敵な女性で、説明もとっても分かり易くて上手だし、いつもニコニコ笑顔で優しく、本当に素晴らしいMidwifeに恵まれたなぁと感謝です。
by sayaka-blmusic | 2010-11-30 01:42 | イギリス妊娠出産育児 | Comments(2)

ジャズピアノ英国王立音楽検定体験記 本番編&感想

「準備編」のつづきです。

ということで、ABRSM Grade Test(英国王立音楽検定)のジャズ部門を受けてみることにした私。先週木曜日がその本番でした。

この検定は、クラシック部門、ジャズ部門とも、年に3回、同じ時期にイギリス全土で行われているのですが、私の地元会場は、この小さな教会。

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とってもとても分かりにくい案内表示・・。足下の水道管の横って、宝探しじゃないんだから・・(^-^;) このいい加減さがなんともイギリスらしいです(笑)



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そしてこちらが試験会場の入り口、教会の裏口です。

他の会場も、例えば小学校の一室や、コミュニティセンター(公民館)などなどで、様々な場所で地元密着型(?)で行われるのもこの試験の特徴です。

コンサートやコンクールはともかくとして、いわゆる「ピアノの検定」って、一体何年ぶりだろう・・。ある意味コンサートより緊張します^^;

今までこの英国王立音楽検定のクラシック部門の方は、自分の生徒さんに何十人にも受けさせてきたけど、スケールから初見演奏、実技試験まで、万遍なく用意して臨まなくてはいけない大変さとか、この狭——い寒——いチャーチの控え室で緊張して待たなくてはいけない緊張とか、生徒さん達の気持ちが初めてすごーーーく分かった気がしました。やっぱり何事も、自分でも体験してみるって、とっても大事だなぁと実感。

ちなみに、クラシック部門の方は小中学生の受験者が多いですが、ジャズ部門の方は、さすがに小学校時代からジャズに興味を持つ渋い子供は少数派なのか、私の見た限りでは、大人の受験者が多かったです。(もちろん小学生でも受験は可能)



そして、この日の試験官が、なんと!!!!

Tim Richards氏。

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Schott Musicが出版している、ジャズの教本シリーズ「Exploring Jazz Piano 1&2」や、「Exploring Blues Piano」の著者として、ロンドンのジャズ教育界では超有名なジャズピアニストです。上の本の表紙の写真がTim氏本人です。

私自身、 Exploring Jazz Piano の本は1年位前に買って以来愛読していたので、びっくり!! ちなみに、この本は全英音楽産業協会 (MIA) から、Best Pop Publication 2006を受賞しています。

何より、Tim Richards氏は、この英国王立音楽検定のジャズ部門自体の創設や改訂自体に関わっているお一人。

他から聞いたところ、英国王立音楽検定の中でも、ジャズ部門の方はまだ歴史が浅くて受験者も少なく、また審査できる先生の数も少ないことから、このような大御所が直接審査にあたるんだそうです。なんて贅沢!

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試験会場に入り、(おおおお、本当にTim Richardsだぁ〜)と興奮しながらいよいよ試験開始。

試験内容は「準備編」にも書いた通り、以下の4つ。

1. スケール&アルペジョ (長短音階、ドリアン、リディアンなどのモード音階などから当日指定。)

2. 課題曲3曲演奏 (ブルース、スタンダード、コンテンポラリージャズから1曲ずつ。テーマ→即興→テーマ変奏の流れ)

3. Quick Study (その場で楽譜を渡され、初見演奏に続いて即興演奏)

4. Aural Test(口頭試験と、連弾即興セッション試験)

まずはスケールと、課題曲3曲演奏。「All Blues」と「Blue Bossa」と「Waltz for Autumn」。心配していた即興の部分もなんとか無事崩壊はせずに終えました。Quick Study(初見&即興演奏)の方は、ラッキーにもシンプルなBluesで、5拍子のコンテンポラリーとかだったら、即興演奏どーしよーかと思っていたので一安心。

そして最後に、Aural Test。口頭セクションを終えた後は、いよいよ試験官と二人で、連弾即興セッション試験!!! いくら試験の場とはいえ、Tim Richardsと二人で連弾セッションです!!贅沢すぎーーーー!! 

と興奮している間に、あっという間に終わってしまいました。うーーーーん、あと10分位続けていたかった〜。



そして、退室間際に(こういうこと試験の場で試験官に言っていいんだろうか)と迷いつつ、思い切ってTim氏に、

「あの、私あなたの本のファンです! 自習するのに使っていたのですが、素晴らしい内容でした!」と伝えると、

にっこりと笑って、「ちょうど先月末に新しいシリーズ「Exploring Latin Piano」を出版したところで、来週出版記念パーティ&コンサートを開くから良かったらおいで」と、招待券まで下さいました。感激・・(ToT)  思い切って話しかけて良かったー!



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ということで、無事終わったジャズピアノ英国王立音楽検定。

生徒さんに今後ジャズ部門も受けてもらう前に、まずは自分自身が一度体験してみなきゃ、というのが動機でしたが、実際体験してみると、思った以上に私自身沢山学ぶことがあった試験でした。

なかなか客観的な視点では計りにくいジャズを、ここまできちんと体系化してある試験内容は、本当に素晴らしいなぁと思います。Grade5までしかないのが本当に残念。最高グレードのGrade5まで取っても、やはりジャズの導入部分でしかないので、クラシック部門のようにGrade6〜8まで新設されれば、もっと面白く可能性も広がるのではないかと思います。

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私が即興演奏を習っているTOM先生は、クラシックもジャズも即興演奏も幅広く教えている先生なのですが、先生いわく、生徒さん達がクラシックとジャズを平行して学ぶメリットは本当に大きいとのことです。

私自身、作曲を初めて以来、Bebop、モードジャズ、映画音楽、即興演奏など幅広く勉強するようになってから、クラシックの楽譜に対する見方も変わってきて、今まで「楽譜の丸暗記」でしかなかった曲の見方が、コード進行とそれに付随するメロディがどう絡まって行くかという見方に完全に変わり、和声感や耳の使い方がガラっと変わっただけでなく、クラシック曲の暗譜も飛躍的にラクになりました。あと、前にも書いたことがありますが、ラフマニノフ等の曲の分析は、クラシックの和声分析よりも、ジャズのコード理論に基づいた和声分析の方が、何倍も効率が良いこともあります。


日本でも、ジャズやポップスをレッスンに取り入れているクラシックピアノの先生方も増えてきているものの、その多くのパターンは、

「息抜きにポップスやジャズっぽい曲もやってみましょう〜」

と、ジャズっぽい曲やポップスの曲のピアノアレンジ楽譜を、クラシック曲を弾く時と同じように、普通に譜読みして暗譜して演奏・・、というところに留まってしまっている気がします。それでは、本当に「息抜き」で終わってしまって、そこから学べるものは殆どなく、もったいない気もします。

ジャズにしろポップスにしろ、せっかく取り入れるのであれば、コードの理論や、即興演奏の方法など、むしろ真正面から真剣に向き合った時に、本当の意味でクラシックの演奏にも生きてくるのではないかと個人的には思うし、事実、国際コンクールで出会った一流ピアニスト達(特にロシア人)は、ジャズもプロ並に弾けるという人たちが沢山いました。もちろんそれらの勉強が「必須」だとまでは思わないけれども、メリットは確かに計り知れないほどあると思います。


クラシック部門は既に日本でも広がり始めている英国王立音楽検定。

是非ジャズ部門の方も、日本に取り入れられて広まって行くといいなぁと思っています。特に、クラシックのバックグランドがあって、これからジャズも始めたいという生徒さんや先生ご自身には、最適なシステムになっていると思います。





さて、気持ちを切り替えて、12月にはラフマニノフを含むクラシック曲&オリジナル曲での本番です♪

11月末には日本から妹あすかも到着し、12月中に、あすかとジョイントで、出産前最後のコンサートが2回。お腹の赤ちゃんと一緒に頑張ります(^o^)/





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<追記>

最後に、これまでクラシックだけやってきたけれども、ジャズの理論も1から勉強したいという方に、特におすすめの教本をいくつかご紹介させて頂きます。どれも、私自身使用してとっても役に立った本です。

● Exploring Jazz Piano 1
● Exploring Jazz Piano 2
 (Tim Richards著 Schott Music出版)
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上記のTim Richards氏の著書です。 全英音楽産業協会 (MIA) から、Best Pop Publication 2006を受賞しています。解説の分かり易さと詳しさ、独学にもレッスンにも使える課題部分の充実、譜例の充実さ(全ての解説に譜例がついています)どの点をとってもピカ1です。一巻あたり300ページと、かなりのボリューム。作曲の参考にもとても役立ちます。




● A Classical Approach to Jazz Piano (Exploring Harmony)
 A Classical Approach to Jazz Piano Improvisation

(Dominic Alldis著、Hal Leonard出版)
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ロイヤルアカデミーのジャズ科の教授の著書です。ロイヤルアカデミーのクラシック科の生徒に向けてのジャズ講義も行っており、この本は、クラシックのバックグラウンドがある人に向けて特別に書かれた珍しい貴重な教本です。譜例も、ショパンやバッハなど、クラシックの曲を例にしたジャズコードの解説など、クラシックをやっている人にはとても入り易い本だと思います。





● The II-V7-I Progression Volume 3 (Jamey Aebersold Jazz出版)
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ジャズピアノを始めた最初の半年位、全調でのツーファイブワン進行の定型の和音とソロの各種定型パターンを永久に繰り返すことから始めたのですが、その際にこの本が本当に役立ちました。ツーファイブの基本的なコード伴奏や即興演奏を、まずは全調で弾けるようになることを目標に、基礎の基礎からクラシックでいうハノン感覚で練習できるのでオススメです。




● Jazz Theory Workshop 初級編
● Jazz Theory Workshop 中・上級編
   (小山大宣著 武蔵野音楽学院出版)
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日本語で書かれた本で私が読んだ中ではこれが一番素晴らしいと思いました。初級編から上級編まで丁寧にきちんと読めば、一通りの基礎的な理論知識が体系的に頭に入るようになっています。 「倍音列」や「純正律と平均律」など、音楽そのものの基礎的な知識まで詳しく解説してあり、ただ分かり易いだけで根本的なところが理解できない解説書とは全く異なり、素晴らしいです。30年以上も前に書かれた本なので絶版になってしまっていますが、いくつかのサイトでは、まだ購入可能のようです。


Dominic AlldisとTim Richardsの上記の本は、どれも日本のアマゾンでも購入できるようです。→日本のアマゾンでの上記4冊へのリンクはこちら
by sayaka-blmusic | 2010-11-22 20:26 | ロンドン音楽事情 | Comments(2)

ジャズピアノ英国王立音楽検定体験記 準備編


イギリスでは、ピアノやバイオリンなどの楽器を習っている子供達の多くが毎シーズン挑戦している英国王立音楽検定「ABRSM Grade Test」。 

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この試験は、 エリザベス女王を総裁に持つABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music)という、Royal Academy of Music、Royal College of Musicなど、イギリスの主な4つの音楽院が共同で運営している団体で、100年以上の歴史を持つ世界最大の音楽検定。UK全土はもちろん、世界90ヶ 国以上で、毎年62万人以上が受験しているというマンモス検定です。日本のヤマハ音楽教室のグレードテストも、元々はこの検定を参考にして作られたのだとか。

ちなみに英国王立音楽検定自体は、既に日本でも広がり始めていて、Rolandなどの窓口を通して日本でも受験できるようになっています。

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上の写真は、クラシック部門のグレード教材の一例。イギリスでは、このグレード試験対策のテキストが様々な出版社から出版されています。

Grade1〜8まであり、Grade1だったら、ピアノを初めてすぐの小さい子供でも受けられるので、レッスンの上達目標や励みに丁度良いです。

今までの私の生徒さんの例で言うと、小学生の生徒さんで、ピアノを始めて2年位でブルグミュラーが弾ける位で、だいたいグレード3の受験が可能。「エリーゼのために」などがスラスラ弾けるレベルで、グレード4〜5の受験が可能、古典派のソナタやロマン派の小曲が弾けるようになると、グレード6〜8が受験できる、といった感じです。早ければ中学校1年生位でグレード8を取っている子もちらほら。

とはいっても、ただ曲だけ弾ければいいという訳ではなく、他にもスケールやアルペジョ、Sight Reading(初見演奏)、Aural Test(ソルフェージュを含む口頭試験)などもあり、万遍なく用意しなくてはいけないので結構大変。 私のロンドンでの生徒さん達も、今まで何十人と受験してきていているのですが、皆グレード試験を通してかなり力が付きます。




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さて、あまり知られていませんが、この英国王立音楽検定は、ジャズ部門もあるのです!ジャズの公式な検定試験は、世界でも稀なんだそうです。エリザベス女王を総裁に持つジャズ試験って、なんだか新鮮な組み合わせ・・(^ー^;)

私自身、作曲の参考にということで、クラシックと平行してジャズピアノの勉強をロンドンで初めて以来、BeBopジャズはShan先生、モード奏法と即興演奏はTom先生と、それぞれ別の先生に習っているのですが、そのうちTom先生とレッスン後に話していた時に、

「ABRSMのグレードテストのジャズピアノ部門、内容がかなり充実していて良いから、君の生徒さんでジャズピアノにも興味がありそうな子には、是非受けさせたらいいと思うよ〜」

と教えてくれました。とはいっても、試験内容は当然クラシック部門とはかなり異なる部分も多い模様。ならば自分の生徒さんに受けさせる前に、まずは私自身が体験してみよう!と思い、受けてみることにしました。

クラシック部門が、Grade1〜Grade8まであるのに対して、ジャズ部門は最高グレードでもGrade5までのみ。取りあえず、Grade5の受験を申し込んでみました。

基本的には子供達の受ける試験だし、2、3日前からちょこっと用意すればいいかな〜と、完全にナメてかかっていたら、甘かった!!!

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Amazonで注文した課題曲集や教材が一通り届いて早速見てみると、これが結構準備も大変!

ジャズピアノ試験は、以下の4つのセクションから成っています。


1.演奏実技

クラシック部門では「バロック/古典」「ロマン派」「現代曲」の3つの時代から選ぶのですが、ジャズピアノ部門では「ブルースジャズ」「スタンダードジャズ」「コンテンポラリージャズ」の3つのスタイルからそれぞれ一曲ずつ演奏。課題曲集にある候補の中から自分で選べます。

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演奏の際は、普通のジャズのセッションの時のように、1回目は楽譜通りテーマを演奏。その後、テーマのコード進行に沿って2、3コーラス分、即興演奏。そして最後に、テーマを少しアレンジして演奏し終了。という流れです。

私が選んだのは、Miles Davisの「All Blues」と、「Blue Bossa」、「Waltz for Autumn」の3曲。

即興部分に関しては、Tom先生曰く、事前に作って弾く音符まで完全に決めてしまっていると、演奏の即興性の勢いが無くなるし、試験官にも分かってしまうので、原案だけ決めておいて、後は当日のフィーリングで即興にした方が絶対良いとのこと。ちなみに、最後にテーマに戻ってくるところは、テーマに戻るといっても、全く楽譜通りに弾いたらむしろ減点だとのこと。

楽譜通りに弾くと減点、というのは、クラシックをやってきた身からするととても新鮮。クラシックのように楽譜通り譜読みしてその通り暗譜して何回も練習する方が、私の場合慣れているせいかずっと気楽です・・(^ー^;)



2. スケール&アルペジョ

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クラシック部門では長音階と短音階と半音階だけなのですが、ジャズ部門ではこれに加えて、ドリアンスケール、ミクソリディアンスケール、リディアンスケール、ペンタトニック、ブルーススケールなどなども、基本的に全調で弾けるように用意しなければいけません。ドリアンやリディアンはまだしも、♯やbの多いマニアックな調のブルーススケールとかなんて、普段滅多に弾く機会ないので、久しぶりに真面目に「音階練習」しました・・・。



3. Quick Study

クラシック部門では「初見演奏」に当たる部分です。要するに、初めてその場で渡された楽譜を30秒位でざっと読んで、その場ですぐ演奏する試験。

ジャズ部門の場合は、「初見演奏&即興演奏」という感じで、最初の一段は楽譜通りに演奏、2段目からは、同じコードに沿って即興演奏が求められます。スタイルは、Bluesか、Latin Jazz、普通のSwing Jazz、Jazz Rockのどれかがその場で指定されます。これは当日まで用意しようがないので、過去問題集を見ながら練習。

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一つ一つの曲は、シンプルで簡単なものなのですが、その分、曲やスタイルによってはやたら即興しにくいものもあって意外に難しいです。



4. Aural Test


これも、クラシック部門にもあるテストです。口頭形式で、試験官の弾く演奏を聞いて、曲のスタイルを答えたり、音程を答えたり。

クラシック部門と一番違ってユニークな点は、試験官との「即興連弾セッション試験」があること! 試験官とピアノの前に連弾形式で並んで座り、まずは試験官が数小節演奏をスタート、その後試験管がベースのリズムを刻み続ける中、4小節ごとに、受験者と試験管が交代交代で、右手部分のソロを即興演奏します。当然楽譜は見れず、試験官が何調のどんなスタイルの曲を弾き始めるかも分からないため、耳と反射神経が頼りの試験。



ということで、ある意味では、クラシック部門以上に大充実の内容のジャズ部門。先週木曜日がいよいよ試験本番で、受験してきました。本番編は次回の日記にて・・。
by sayaka-blmusic | 2010-11-21 23:23 | ロンドン音楽事情 | Comments(4)

ナナメ45度との戦い



現在妊娠9ヶ月(33週)なのですが、8ヶ月後半位から、急ピッチでお腹が巨大化してきました。

普通はお腹には基本的に、表側と裏側(??)があると思うのですが、
妊娠6ヶ月位から徐々に、お腹の「横側」が出現!

そして7ヶ月位からは、お腹の「下側」も出現!!
お腹の「下側」で手を組むと、完全に手が隠れて上から見えなくなります。

もちろん、妊娠前にも、食べ過ぎでかなーり太った時期は何度かあったので、その頃にはお腹の「横側」だの「下側」だのが存在していましたが、妊娠時のお腹の出方はそれとは明らかに違って、前に「ぼこーん」と突き出す感じなので、お腹の前側だけに、スイカをぶらさげているような感覚で、なんとも不思議です。

で、くせ者なのが、このお腹の「横側」。

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前にぼーんと飛び出すので、上から見おろすとお腹の横側がナナメ45度になっているのですが、このナナメ45度が意外にも凄—くやっかい。

夜寝る時に横になるとこのお腹が、既にお腹の中で2キロ位になっている赤ちゃんもろとも、ずどーーんと横に落ちてきて、お腹がこんな形に引き延ばされるんです。

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で、この時に、皮や筋肉や内蔵まで無理な力が加わるためか、ものすごーくイタい!! あまりの痛さと寝苦しさに、殆ど寝れない夜が何日か続き、これはイカンと思い色々調べたところ、

こーんな便利な妊婦用腰枕があることを発見!!

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日本にも色々な形の妊婦用枕がありますが、イギリスではこの形が人気みたいで、「Pregnancy Wedge」というそうです。Wedgeとは英語で「V字型のもの」という意味です、イギリス料理の一つ、皮付きポテトフライ「Potato Wedges」もまさにこの枕と同じ形です。

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ですが、アルクオンライン辞典によると、「Wedge」には、他に動詞として「無理矢理割り込ませる、押し込む」という意味があるそうで、これを先ほどのお腹のナナメの部分に正に「無理矢理差し込む」と、見事にフィット!!

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お腹がずどーーんと落ちて来るのを防ぐことができ、かなりラクになります。

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使っている様子。Amazonの見本写真から拝借。


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私の場合、これに更に、上の写真の日本製の妊婦用炊き枕(長さ1メートル位)を併用。これで足と腕が更に楽になって横向きの姿勢が取り易くなります。(仰向け寝は血管を圧迫するので良くないとのこと、うつぶせ寝は物理的に不可能)

更に、足のむくみ防止に足下を高くする為の枕を一つ。

更に、頭には普通の枕を一つ。

ということで、日英融合の合計4つの枕を駆使して寝ている為に、ベッドのかなりのスペースを枕関係が占領しています・・。

反対側に寝返りをうつためには、この「枕セット(?!)」を、ごっそり線対称に移動しなくてはいけないため、寝返り一つするのも大移動。それでも枕のない寝苦しさに比べたらずーっとましで、入眠が楽になってきました。

ちなみに。

前に日記に書いたナゾの夜中のキョンシーポーズ(9月9日の日記参照)は、今でも続いています。

入眠時には、これだけ枕を駆使して横向きのポーズを固定しているのに、それを押しのけて仰向けで両手を挙げてキョンシーになっているのだから不思議・・。まぁ、これも妊娠にともなう症状の一つ(?)と割り切って、気にしないことにしました(笑) 出産後には治るでしょう、きっと(^-^;)


話が脇道にそれてしまいましたが、イギリス製のPregnancy Wedgeも、日本製妊婦用炊き枕も、それぞれ違ったメリットがあってとっても優秀なので、妊娠後期の寝苦しさに困っている妊婦さん、是非試されてみて下さい。

ちなみに私が使っているのは以下のものです。

ー イギリス製(?)妊婦用腰枕 「Pregnancy Wedge」

http://www.amazon.co.uk/Express-Yourself-Mums-Comfy-Pregnancy/dp/B0010X86A2

ー 日本製妊婦用炊き枕 「MOGU」

http://www.mogulax.jp/shopdetail/006000000005/order/
by sayaka-blmusic | 2010-11-16 22:41 | イギリス妊娠出産育児 | Comments(0)

ロンドンのロシア料理食堂「トロイカ」


前にも日記に登場した、私のロシア語の先生であり、同時にピアノの生徒さんでもある、ロシア人の友達ナターシャ。元々は作曲の学校でクラスメイトだったのがきっかけで友達になり、今年の3月から我が家でロシア語&ピアノの交換レッスンを初めて以来、週1回のペースで今でも交換レッスンを続けています。彼女の誕生日は11月1日で、私とたったの2日違い!

せっかくだから、合同バースデーディナーをしよう!ということで、先週末、ロンドン内にあるロシア料理のレストランに、ナターシャと私と夫の3人で行ってきました。

ロンドン北部Chalk Farm近くにあるロシア料理レストラン「Trojka(トロイカ)」。

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ロシア料理レストランといっても、実際はメニューの中に、ハンガリー料理やポーランド料理などの東欧系メニューも色々混じっているのですが、お店の基本的なコンセプトはやっぱりロシア♪


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店のカウンターの後ろには、何十体ものマトリョーシカ人形がずらーーっと並んでいます。


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こちらはロシアのお茶用湯沸かし器「サモワール」。

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レストランといっても、カフェや大衆食堂的なカジュアルな雰囲気なのですが、お店の内装や絵画などはロシアの雰囲気満点で、ロシアが憧れの国である私にとっては、もーいるだけでワクワクしてしまいます。


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乾杯——の前にバースデーガール二人で記念撮影。

このレストランは、以前夫と二人で来たことがあるのですが、その時はメニューを見ても何がなんだか分からず、取りあえず料理名を知っている「ボルシチ」と「ビーフストロガノフ」だけ頼んだのですが、今日はナターシャが解説してくれるので安心!

メニューを見ながら、ロシアの典型的伝統料理を色々チョイスしてくれました。


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まずはなんといってもボルシチ! スープの赤い色はBeetroot(赤蕪)から出ている色です。日本人にとってのお味噌汁位、ロシア人にとってはなじみの深いスープなのだそうです。ちなみにこのレストランではボルシチたったの2.5ポンド!素敵〜!



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こちらは「ピローグ」。日本でも有名な「ピロシキ」はこの「ピローグ」の小型版なのだそうです。中には野菜やマッシュルームなどがぎっしりと入っていて、確かにピロシキの巨大版といった感じ。


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こちらは「ゴルブツィー」。 ソースに隠れていて見にくいですが、ロシア版ロールキャベツです。日本のロールキャベツとの違いは、お肉や野菜と一緒に、なんとお米もミックスされてキャベツに巻かれていること。不思議な食感で、これが意外においしい!!


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ロシア風サーモンのパイ包み「クレビャーカ」。これも伝統料理の一つらしく、中にはサーモンやほうれん草、そしてこれもやはりお米が一緒に入っています。

上にのっているクリームはサワークリーム(スメタナ)。ロシア人は、このスメタナをあらゆる料理に付け合わせるらしく、ナターシャも、料理だけではなくパンにまでこのスメタナを大量に塗って食べていました。そういえばハンガリー料理も、サワークリームはことあるごとに出て来た気がするので、東欧〜ロシアではサワークリームは重要な役目を果たしているのかなぁと思います。

あと、ナターシャいわく、ロシア料理はむやみやたらにスパイスを使わないんだそうです。確かに、どの料理も、変なクセが無くて素材そのものの味が引き出されている素朴な味。でも深くてずっしりとした重みがあって、なんていうかロシア音楽にも共通するところがあるかなぁなんて思ってしまいました。

ちなみに、ナターシャは、ラフマニノフが少年期を過ごしたサンクトペテルブルグ出身。ラフマニノフも、こういう味を食べて育ったのかしら・・。


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食後に注文したロシアンティー。ラズベリーやチェリーのシロップ、はちみつなど入れて飲むのがロシア流なのだそうです。私のオーダーしたのは、ラズベリーシロップバージョン。ほんのりラズベリーの香りがして、とっても美味しかったです。


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食後に3人で記念撮影。 ロンドンにいながら気分はすっかりロシア! お腹も心も大———満足のロシアンナイトでした。


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ナターシャからお誕生日プレゼントにもらったBBC発行のロシア語の教本。いつもナターシャが私にレッスンで使ってくれていたのは、ロシア語で解説してあるロシア語のテキストブックだったので、レッスン以外の時に一人で自習しようと思ってもちんぷんかんぷん〜だったのですが、今後はこのテキストを併用して上達スピードアップ目指して頑張ります! 


ロンドンのロシア料理レストラン「Trojka」のウェブサイトはこちら。お値段もリーズナブルで料理もおいしく、とってもおすすめです。
http://www.trojka.co.uk/

最寄り駅はChalk Farm。Primrose Hillの近くです。
金曜日と土曜日は、ロシアンミュージックナイトも開催されているそうです。
by sayaka-blmusic | 2010-11-09 09:31 | ロンドンでの日常生活 | Comments(4)

31歳になりました

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昨日11月3日、無事31歳の誕生日を迎えました。



今までは誕生日というと、単純に

「自分が産まれた日」

だと思っていたけど、




これから赤ちゃんの出産を迎える今考えてみると、誕生日って、

「母親が命がけで自分を産んでくれた日」

なんだなぁと、思います。



私の母の姉(伯母)は、私が産まれる前の年に、お産直後の心臓発作で亡くなっていて、そんなことがあった直後の初めての出産で、母にとっては、どんなにかどんなにか不安だったろうと思います。

でも、母は、そんな不安の中でも、私のことを産んでくれた。

11月3日は、そういう日なんだな・・と思うと、31年前のこの日に、私のことを産んでくれた母はもちろん、父や、今までの人生で出会ってきて支えて下さった先生方や友達、沢山の方々に、本当に感謝の思いが溢れます。




昨日、友達のSちゃんから、

「お誕生日おめでとうございます!
さやかさんと旦那さんのイメージで、粘土細工を作りました。写真を添付します」

ということで、写真を頂きました。

あまりにも温かい素敵な作品だったので、ご紹介させて頂ければと思います。

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1月3日が予定日なので、お腹の赤ちゃんの「初めての誕生日(推定)」まで、ちょうどあと2ヶ月を切りました。Sちゃんの作ってくれたこの粘土細工作品のように、夫と二人で、温かいゆったりとした気持ちで大切な赤ちゃんの誕生を待ちたいなと思っています。

(一番上の写真は、先週末訪れたWalesのAberdovyの海の夕焼けです)
by sayaka-blmusic | 2010-11-04 23:09 | ひとりごと | Comments(6)