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松本あすか&さやか チャリティー・サロンコンサート for The Isabel Hospiceのお知らせ

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6月3日のブリストルでの公演後、6月7日に妹あすかとロンドンのMayfairにてチャリティコンサートに出演させて頂きます。

今回のコンサートを企画して下さったのは、イギリス人Janさんご夫妻。
前の日記にも書いたWelwynでのコンサートや、Brocket hallでのコンサートを企画して下さった方々です。今回もBrocket Hallの時と同様、Welwynにあるホスピス「The Isabel Hospice」への寄付を目的としたコンサートです。


この日のコンサートはピアノが一台なので、

<あすかソロ>
ニューアルバム「ピアノエスプレッシーヴォ」から何曲か演奏
ビートルズ「Yesterday」 あすかバージョン   など

<さやかソロ>
ラフマニノフのソロ曲、協奏曲、交響曲より 何曲か演奏

<さやか&あすかデュオ>
ラヴェル ラ・ヴァルス (ピアノ連弾)
ブラームス ハンガリアン舞曲第5番 (ピアノ連弾)
トルコ行進曲バラードバージョンby Aska (ピアノデュオバージョン)  
かごめかごめ変奏曲 ぐるぐるバージョン  
チャルダッシュ (鍵盤ハーモニカ&ピアノ)   など


などなど、あすか・さやかそれぞれのソロと、二人のデュオを織り交ぜたプログラムになる予定です。



以下はコンサート詳細です。
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Aska & Sayaka Matsumoto チャリティコンサート in Mayfair

日時 2008年6月7日(土)  19時~
場所 イギリス・ロンドン・Mayfair    最寄駅Green Park駅 等
(プライベートスペースの為、ご予約後に正確な場所をご連絡させて頂く形になっています)
食事  ディナー・ワイン・シャンペン付き
会費 100ポンド (全額がThe Isabel Hospiceに寄付されます)



しょ、正直この会費にはギョっとしたのですが、ディナーやワインは、主催者の方々のご好意によって用意され、会費自体は全額が直接ホスピスへ寄付される形だとのことです。
前のロンドンマラソンの日記にも書きましたが、これだけチャリティー文化が浸透しているイギリス人の方々にとっての「チャリティー」の感覚って、日本人のそれとは全く違うんだな・・と、改めて感じさせられました。自分にできることは限られているけれど、ピアノの演奏という形で少しでも貢献できたら嬉しいです。

ゲストの人数がかなり限られている為、もしいらして頂ける方がいらっしゃいましたら、5月30日までに、お手数ですが、以下のメールアドレス宛にご予約頂ければ幸いです。
info@borderlessmusic.com
ご予約後、追って詳細をお送りいたします。

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ということで、ふと気付いたら、あすかのイギリス上陸まであと3日!!!
あすか、あすか、あすかがやーーってくる。。 (何故かゴジラのテーマが頭で回る・・)

3日のブリストル公演では2台ピアノ、そして7日のロンドンMayfairではデュオ、と久々の共演が今から楽しみ。またあすか到着後、ご報告させて頂きます!


※上の写真は、コンサートとは全く関係ないのですが、Regent's Parkのカモメと鴨と餌をあげるLady。ロンドン内には、こんな風に、ふと「ほーーっ」とした気持ちになれる風景が沢山あるのが好きです。
by sayaka-blmusic | 2008-05-26 19:48 | コンサート関連

松本あすか&松本さやか ブリストル公演のお知らせ

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イギリスの中でも、「カルチャーとアートの街」として知られるブリストル。ロンドンから西に電車で1時間半ほど行ったところにあるウォーターフロントの港町で、近くにはお風呂(Bath)の語源となったBath(バース)の街があります。そのブリストルの街のシンボルであり、900年近くの歴史を持つブリストル大聖堂にて、妹あすかと二人で、2台ピアノのリサイタルをさせて頂けることになりました。

あすかとの共演は、昨年10月の王子ホール&渋谷JZBrat以来半年ぶり、そしてイギリスでの共演となると、昨年4月にロンドンで行った「Rhapsodies」の共演以来1年ぶりとなります。



- Two Pianos - 松本あすか・松本さやか 2台ピアノリサイタル in Bristol

日時:2008.06.03(火)/
開演: 1:15pm  Free Admission & Seating 

会場:ブリストル大聖堂(ブリストル・イギリス) 
http://www.bristol-cathedral.co.uk/

主催: ブリストル大聖堂Music Partnership & Anglo Japanese Society of Wessex


曲目
ミヨー:スカラムシュより「ブラジリア」  (2台ピアノ)
ブラームス: ハンガリアン組曲 第5番 (4手連弾)
モーツァルト: トルコ行進曲 松本あすかアレンジバラードバージョン (4手連弾)
尾高久忠: 「Midare」 (2台ピアノ)
モンティ: チャルダッシュ (鍵盤ハーモニカ&ピアノ)
Chick Corea:  「Contest」 (2台ピアノ)
ラフマニノフ: 組曲No.2より 「タランテラ」 (2台ピアノ)
など


<余談1>
ブリストル大聖堂内にグランドピアノが2台配置され演奏されるというのは、ブリストル大聖堂でも異例のことらしく、果たしてお風呂場のような音響で、2台ピアノだとどういうことになってしまうのか、主催者含め誰も分からず・・・というある意味恐ろしい状況ですが、きっと大聖堂だからこその豊かな響きになるのでは・・と信じて(笑)頑張ります!

<余談2>
今回、西洋クラシックの曲だけでなく、日本の祭り太鼓をイメージしたような尾高尚忠による2台ピアノの名曲「Midare」を演奏させて頂ける、というのも日本人としてとても嬉しいです。また今回のリサイタルでは、それ以外にも、あすか十八番のジャズ要素の強い曲としてチックコリアのフラメンコをモチーフにした2台ピアノの曲や、私の大好きなラフマニノフの2台ピアノ曲、またあすかアレンジのトルコ行進曲バラード連弾バージョンなど、多要素を一気に混ぜ込んだプログラミングになっています。今回、そのようなプログラムを、イギリスの歴史と由緒ある大聖堂という会場で許可・・どころか、むしろ「是非日本の曲や色々なジャンルの曲を!」とリクエストして下さったイギリスの主催者の方々に、本当に感謝です。

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久しぶりのあすかとの共演、
イギリスの歴史を何百年と背負った大聖堂での演奏、
そして久しぶりの、ラフマニノフ以外の曲(笑)数々も含んだプログラミング、
今から本当にワクワクしています。

ロンドン・パディントン駅からブリストル駅までは電車で1時間半ほどかかってしまう為、今回はロンドンに住んでいらっしゃる方には「是非いらして下さい!」とは言い辛いのですが、もしこれをお読みの方で万が一ブリストル周辺在住の方がいらっしゃいましたら、是非いらして頂けたら嬉しいです!
by sayaka-blmusic | 2008-05-16 09:13 | コンサート関連

妹・松本あすかデビューアルバム「ピアノエスプレッシーヴォ」発売!

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妹あすかのデビューアルバムがキングレコードから5月8日に発売されました。

(といっても私はまだ試聴だけで、現物を手にできていないのですが・・。
あっちゃん早くロンドンにも送ってー。)


クラシックの曲の数々が、あすかスーーパーーーアレンジによって
ジャズやポップスのテイストが加えられ、信じられない位お洒落に生まれ変わっています。

一例を挙げると

「ムソルグスキー 展覧会の絵」
「バッハ インベンション 第1番」
「エリーゼのために」
「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番第1楽章」

などなどが、想像を遥かに超えるお洒落でカッコよすぎるサウンドに変身しています。

その他、あすかの十八番、カプースチンのトッカティーナや、
ピアニストによる各アレンジで有名な
「リストのハンガリアンラプソディ2番」あすかバージョンなども収録されています。

しかも共演には神保彰さん、三沢またろうさん、篠崎由紀さんなどの大御所アーティスト!
(ちなみに私的には、中学の頃大ファンだった米米クラブの1メンバーだった
三沢またろうさんとあすかが共演しているのが一番衝撃・・・)



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よく「妹さんはどんなことやってるの?」と聞かれ、
これこれこういう活動をしています、と説明すると、

「クラシックをジャズアレンジ、ああ、良くあるやつねー。」

とか簡単に言われたりして、
「むっ」とすることが多々あるのですが (失礼な言い方をする人はいるものです・・)、
むっとしたところで、やっぱりこの魅力は、実際に聴いてもらわないと分からないかも・・、とも思います。

彼女のアレンジは、なんていうか本当に一言で言い表せないジャンルで、
単なるジャズアレンジというより、ジャズ・ポップス・フォーク・ダンスミュージック・民族音楽などなど様々なジャンルが融合されていて、クラシックでもジャズでもポップスでもない、
何の枠にもはまらない、新しい「あすかジャンル」になっています。

前に本人に
「あっちゃんのアレンジって、どのジャンルを組み合わせたものなの?」と聞いたら
あっさりと、

「私にもわかんない 笑」

と答えが返ってきました。
きっと、どのジャンルをどう組み合わせてとかいう小難しい音楽論より、
ただただ彼女は彼女の感じたものを純粋に発信しているんだろうな、と思います。



クラシックに物心付いた時からあれだけどっぷり漬かった後に、
ジャズ・ポップスなどクラシック以外の音楽を勉強し、色々なジャンルで活動し、
彼女にしかできない、彼女だからこそできるオリジナルの世界を探求してきたあすか。

ヨーロッパのクラシックホール、チャーチ、日本の老舗コンサートホール、
日本のライブハウス、そして公園での演奏から路上パフォーマンスまで、
「超どクラシック」の世界と、その対極の世界まで、
両方をこの年齢でここまで体験しているアーティストは、多分そんなに多くないんじゃないかな、と思う。

そして、様々なジャンルのアーティストとも共演していく中で、
クラシック・ジャズ・ポップス・その他のジャンルなどなど、どれが一番優れているとかじゃなくて、いいものは良いし、感動するものは感動する、と彼女なりに発見した時に、
その全てから、彼女のフィルターを通して感じ取ったものを、
今度は彼女なりの方法で、アウトプットしたものの結晶が、
今回のアルバムなのではないかな、と思います。



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あすかの演奏って、不思議なことに、
クラシックホールでのスタンウェイ弾いていても、
路上でキーボードを弾いていても、
同じように、「あすかの音」「あすかの音楽」が聴こえてくる。

前にあすかに、

「ライブハウスとかだと、アップライトしかなかったり、
キーボードにペダルが付いてなかったりして、
大変なこともあるんじゃない?」

と聞いたことがあるのですが、その時、彼女が言った答えは、






「私は、たとえバケツでも音楽できると思う」







・・・・・。衝撃でした。


事実、彼女の演奏って、どんなピアノや楽器で弾いていても、
例え音量や音色の変化が付きにくい電子ピアノやキーボードでさえ、
まるで魔法のように、生き生きとした音楽の呼吸やリズム、音色が聴こえてくる。

以来私も、イギリスなどのコンサート会場やチャーチで、
いくらボロボロのピアノや半分壊れたピアノに当たっても、
(あすかはバケツでも本物の音楽はできるって言ってた!)
と思い出して頑張るようにしています。
(まあそれでもピアノは良いに越したことは無いのですが・・^^;)

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ところで、

このアルバムの中でも特に注目なのが、
私も最も愛する作曲家ラフマニノフの

「ピアノ協奏曲 第2番 第1楽章」

のあすかアレンジバージョン!!

ジャズ・ポップス・ダンスミュージックを全て融合したような不思議なテイストになっています。


ちなみに、ラフマニノフの初期の大ヒット作品である、
Op.3-2のプレリュード「モスクワの鐘」は、
出版当時、ロシアやヨーロッパで大流行して、
地元のバンドなどがアレンジしてバンドバージョンとかまで勝手に演奏されていたそうですが、
ラフマニノフは、そのバージョンも大好きだったそうです。

作曲家の作ったものを勝手にアレンジして!と目クジラたてる
頭のかたーーーい先生方もたくさんいるみたいだけど、
考えてみたらリストだってラフマニノフだってブラームスだって、
誰かの他の作曲家の曲を元にアレンジして、変奏曲とかトランスクリプションとか
沢山作っている。

それに作曲家達にとっても、
自分の作った曲が、100年以上後に、
その時代のテイストに合わせてアレンジされて、
それを聞いた人がそれをきっかけにオリジナルにも興味を持って聴いてくれれば
きっとすごく嬉しいことなんじゃないかな、と思う。


ちなみにヨーロッパはそのあたり考え方が柔軟なのか、
あすかの作ったバッハインベンションNo.1 ジャズ(?)バージョンを、
ロンドンにて、ロイヤルアカデミーのとある教授の前で

「これ、妹がアレンジしたバッハなんですけど・・」

と恐る恐る(笑)弾いてみた時、

「これはスゴイ!妹さんに是非全曲分アレンジするように言って!」

と大喜びで言ってもらったことがあります。
日本の音大だと、まだこうはいかないかもしれない・・・。


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最初にあすかがクラシックから離れた18歳の頃、
ギターと鍵盤ハーモニカ抱えて、どことなく放浪しに行ってしまっていた頃には、
正直私も家族もすごく心配して、どうなることかと思ったけど、
あの時期に、クラシック界にそのままいたら決して出来なかったであろう、
かけがえのない経験を沢山してきたあすか。
(You Tubeに載っている「ピアニカおじさん」の頃です)
きっとあの頃があったから今のあすかがあるんだよなぁと心から思う。


「クラシック界の非行少女」と言われていた彼女だけど(笑)、
今の彼女は「飛行少女」。聴き手である私たちを、思いも寄らない場所まで、連れて行ってくれます。

あ、もう少女って年齢じゃないか (笑)


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発売元キングレコードでのアルバム紹介ページ
CD詳細・購入などはこちらから HMV  amazon.jp Tower.jp

※ iTunesでも視聴・購入できます。

渋谷タワーレコードで発売記念ミニライブ&サイン会があるそうなので
もし宜しければ是非いらして下さい。
■開催日時:2008年5月24日(土)15:00 START
■開催場所:タワーレコード渋谷店 6F イベントスペース



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と、今日はひとしきりあすかのCD宣伝をしてしまいました。しかも脈絡なく長々と。
姉バカでスミマセン。

でも、これからも、彼女の一番のファンであり、親友であり、音楽仲間であり、
そして良いライバルでいたいな、と思っています。
by sayaka-blmusic | 2008-05-13 22:39 | ひとりごと

ラフマニノフリサイタル無事終わりました + コンサート裏話

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昨日、無事ピカデリーサーカスでのラフマニノフリサイタル「Preludes +」が終わりました。

お天気にも恵まれ、数日前にはあられが降っていたのが嘘のような暖かさで、
春を通り越して一気に初夏の陽気でした。

お陰様で沢山の方々にいらして頂き、ここロンドンでお世話になった方々やそのお知り合いの方々、ブログを読んで駆け付けて下さった方、また、ピカデリーサーカス駅近くという場所柄、通りがかりの沢山の方々にもいらして頂き、本当に嬉しかったです。

この3年間、ロンドンで経験してきたこと、感じたこと、出会ってきた方々、
色んなことを思い起こして、弾いている間も胸がいっぱいになっていました。

チャーチのステンドグラスから降り注ぐ日だまりの中での、
温かな時間と、ラフマニノフの音楽を、皆様と共有できたこと、本当に嬉しく思います。

当日の演奏曲目は以下の通りでした。

松本さやか ラフマニノフリサイタル 「Preludes +」

・ラフマニノフ プレリュード Op.3-2 (Bells in Moscow)
・ラフマニノフ プレリュード Op.23-6
・ラフマニノフ プレリュード Op.23-5

・ラフマニノフ Lilacs(リラの花)
・ラフマニノフ Daisies(ひなぎく)
・ラフマニノフ 交響曲第2番 第3楽章 (piano solo version arranged by Sayaka Matsumoto) (ブログで作成過程を報告していたあの曲です 笑)

・ラフマニノフ プレリュード Op.32-3
・ラフマニノフ プレリュード Op.32-12
・ラフマニノフ プレリュード Op.32-13

・ラフマニノフ 18th Variation from Paganini Rhapsody
(piano solo version arranged by Sayaka Matsumoto)

・ラフマニノフ ピアノコンチェルト 第2番 第1楽章(アンコール)
(piano solo version arranged by Sayaka Matsumoto)



いらして頂いた方々、またコンサートの成功を応援していて下さった方々、本当に有難うございました!!



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<余談>


実は、あのコンサート当日のリハーサル時、ちょっとしたハプニング(?)がありました。

11時からのリハーサルに合わせてチャーチに到着すると、
何故か5、6歳くらいの現地の子供達が、合計30人ほど、教会内部のあちこちでペタンと座り込んで、写生大会をしていました。どうやら地元の小学校のアートの課外授業か何かのよう。

チャーチの管理人の方が、「もう終わるところなんで、子供達のことは気にせずに練習を始めて下さい」とのことだったので、子供達の邪魔にならないように、静かな曲からポロポロとリハーサルをし始めました。


1曲弾き終わると、いつのまにか


(@ @) (@ @) (@ @) (@ @)
じーーーーーーーっ。

30人くらいの子供達が行儀良くピアノの横にずらーっと体育座りをして、
つぶらな瞳で一斉にこちらを見上げている!!

コンサート主催者のGodfreyさんがニコニコ近付いてきて、

「サヤカ、もし良かったらここにいる子供達のために短いトークコンサートをしてあげてくれないかい?今日弾く曲の中から1曲でいいから。」

との提案。

子供達の前で演奏したり話したりするのって、純粋な感性の前でごまかしが聞かないから一番緊張するんだけど、うううどうしよう・・。しかもラフマニノフの曲なんて、子供達に受け入れてもらえるかしら・・。うー不安。

と思ってる間にも、既に子供達は体育座りで完全に準備OKで

(@ @)(@ @)(@ @)(@ @)(@ @)(@ @)(@ @)(@ @)
じーーーーーーーーーーーーっ

と事の成り行きを至近距離で見ているので、断れるはずもなく、

えーいもうなるようになれーーと

「みなさんこんにちはーーー!」
と子供番組のお姉さんに成りきったつもりで始めました。あー恥ずかしい。

でも、子供達皆ものすごーく元気に反応してくれて、
色々な質問にもまるで競い合うようにどんどん手を挙げてくれました。(この辺りは欧米人の子供達ならではかも・・)。ラフマニノフや曲の簡単な紹介をしたりした後に、ラフマニノフのプレリュードの23―5を演奏したら、ラフマニノフという分かりにくい曲なのにも関わらず、子供達、
曲調の変化に合わせて「Beautiful!」とか「Wow!」とか声を上げながら、興味津々で聞いていてくれました。

終わった後、一斉に色々な質問や感想を言いに駆け寄ってきてくれて、中には片言の日本語で、「アリガトウ!」とか「サヨナラ!」と言ってくれる子までいました。

その小学校の先生方は「思いがけないサプライズプレゼントをありがとう!」と言って下さったけど、私の方こそ、大きなサプライズプレゼントをもらった気がします。

ラフマニノフは子供には分かってもらえないかもしれない、なんて、
奢った考えだったな・・と思う。
1月にロイヤルフェスティバルホールに聴きに行ったロンドンフィルのラフマニノフの交響曲2番の演奏で、6歳位の女の子が、50分の大曲を、身を乗り出してじーーっと聴いていたことを、ふと思い出しました。

「分かる」とか「分かりにくい」とか、そんなことで音楽を分けようとしていた私が、
一番「音楽そのもののチカラ」を分かっていなかったのかもな、と
ふと思い起こされました。


緊張した気持ちを抱えてリハーサルを始めようとしていた矢先の、
予想外の嬉しいハプニングに、
なんだかすっかり、余計なもやもやが吹き飛んで、
まっさらな気持ちで音楽と向き合う、音楽の原点に立ち帰れた気がしました。

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そんなこんなで、ロンドン市内での最後のソロコンサート、無事終了致しました。
今は、次の目標の、ブリストル大聖堂でのあすかとの2台ピアノリサイタル(6月3日)に向けて用意を開始しています。

3年間のイギリス留学生活のラスト1ヵ月半。
悔いの残らないよう走りきることができたらと思っています!
by sayaka-blmusic | 2008-05-09 09:56 | ラフマニノフについて

ラフマニノフ -愛娘の誕生の時に生まれた一曲

5月7日(水)のラフマニノフリサイタルまで、あと1日となりました。

実は私、来月6月末の本帰国が決まったので、私自身の単独ソロコンサートとしては明日のコンサートが、ロンドンで最後のコンサートとなります。(あすかとのデュオコンサートは6月に別に行う予定ですが、ロンドンではなくブリストルで行う予定です)

今回のリサイタルに向けて、悩みに悩んだ末、厳選したラフマニノフの10の小品。それぞれ3分~5分程の短い作品ですが、一曲一曲が本当に珠玉の名曲です。

ちょうど先週木曜日発行分の英国邦人情報誌「ニュースダイジェスト」のインタビューで、「私の好きな¨癒し¨のラフマニノフの曲」というテーマで、今回のコンサートで弾く予定の曲のうちの何曲かについては答えさせて頂いたのですが、そこでは答え切れなかった曲で、私にとってとても思い入れのある一曲について、ご紹介させて頂こうと思います。

明日のコンサートで、2曲目に演奏するプレリュードのOP23-6番。

プレリュード集の中では特に有名という訳ではなく、決して派手な曲でもないのですが、目立たないところにぽつんと咲く一輪の花のように、静かな光を放つ名曲です。


この曲はラフマニノフが、最初の娘イリーナが産まれた時に書いた曲です。

娘の誕生、というと喜びに溢れた曲のはずなのに、私は単なる喜びや優しさだけでない、むしろ目の前に起きている奇跡や幸せを信じられないような、幸せとして受け入れるのが怖いような、そんなとまどいが聞こえてくるような気がしてなりません。

ラフマニノフの性格については、伝記によって色々違った説がありますが、私が一番信頼しているパジャーノフ著の伝記によると、ラフマニノフは、あれだけピアニストとしても、作曲家としても、世界的に成功したにも関わらず、死ぬまでずっと、自分の才能(特に作曲家としての才能)に自信が持てず、また人見知りで、傷つくのが怖い、繊細な一人の人間だったといいます。

これは映画などにも取り上げられているエピソードなので、ご存知の方も多いかもしれませんが、ラフマニノフが全精魂かけて作曲した交響曲1番の初演は、指揮者の失敗の為に悲惨な結果に終わり、批評家などからズタボロに酷評され、その為にラフマニノフは一時期、精神治療にかかっていました。

その後、治療により回復し、コンチェルト二番などで成功したもの、どんな賞賛をもらっても、本当に信じきることができず、常に自分の才能への不安と戦っていたそうです。

ラフマニノフは、頑固で口数少なく怖い印象だったと言われがちですが、そんな彼の外面の印象は「人から拒絶されるのが怖い」「傷つくのが怖い」という裏返しだったのかもしれません。


そんなラフマニノフが、初めての愛娘の誕生という、幸せの奇跡を目の前にした時に溢れ出てきた音楽 ― 喜びだけではなく「この奇跡を、もし喜びを持って受け入れてしまったら、また傷ついてしまうのではないか」というとまどいや恐れが交錯する、繊細で美しすぎる音楽― は、本当にあまりに切なくて、たった2分半の曲の中に、「巨匠」「天才」と呼ばれた裏に隠れていた、彼の普通の一人の人間としての一面を感じて、胸が痛くなります。


このプレリュード23-6を始め、先日のブログでもご紹介した交響曲第2番3楽章のピアノソロバージョンなど、、合計10曲のラフマニノフ小品プログラムから成る「Preludes +」のリサイタル、いよいよ本番が1日後にに迫ってきました。

まだまだ未熟な、1ピアニストとして、ラフマニノフの音楽の持つ本当の魅力や限りなく深い優しさやエネルギーを、どれだけ作曲者とお客様を繋ぐ媒体となって伝えられるか分からないけど、

もしコンサートにいらして下さるお客様のたった一人でも、今まで知らなかったラフマニノフの曲やその魅力に出会うきっかけになってくれたら、これ程嬉しいことはないです。

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5月7日(水)のピカデリーサーカスでのコンサート
「松本さやかラフマニノフリサイタル"Preludes +"」は、
St.Jame's Church, Piccadilly Circusにて、1時10分からです。
(チケット事前予約不要。Free Admission)
詳細はこちらから。
ラフマニノフの音楽に出会いに、是非いらして頂けたら嬉しいです!
by sayaka-blmusic | 2008-05-06 07:41 | ラフマニノフについて