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ラフマニノフ 音の絵Op.39全曲 再び

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前回のコンサートレポートの途中ですが、
今週土曜日のロンドンでのコンサートのお知らせです。

今回は、日本でも既にデビューしている若手ピアニスト加納裕生野(かの ゆきの)さんとのジョイントリサイタルです。実は裕生野さんとはロンドンのロイヤルアカデミーオブミュージックにて同門下。
彼女の得意とするフランスもの(ドビュッシー・ラベル)と、私の好きなラフマニノフを組み合わせたプログラムのリサイタルができたら・・ということで今回の公演が実現しました。

私が演奏する曲はラフマニノフのライラックと、そしてあの音の絵Op.39の9曲全曲!
ロイヤルアカデミーの卒業試験で演奏し、このブログでもちょうど一年前に悶絶日記を書いた、あの「ラフマニノフ音の絵Op.39」です。(1年前にこの曲集と格闘していた頃の日記はこちら

音の絵Op.39を9曲全曲を通して試験ではなくコンサートで弾くのは今回が初めて。
1年前は9曲各曲のイメージはこんな感じだったのだけど、今回練習をしていると、一年前とはまた全く違ったイメージが、新たに沸いてきて楽しくてしょうがないです。

ゆきのちゃんは、ドビュッシーの映像第一巻、第二巻、そしてラベルの「優雅で感傷的なワルツ」を演奏予定。彼女のピアノは、優しさと柔らかさに包まれた中に芯の強さを持つ不思議な魅力を持っていて、本当に素敵です!

二人合わせると、一晩で、なんとドビュッシーとラフマニノフの大きな曲集が三つもまるごと聴けてしまうという、お腹一杯、かつ超マニアックなプログラムです。

前回のラプソディーのコンサートのノリを期待していらして頂いてしまうと、あまりのマニアックさに面食らってしまうかもしれませんが、今回は前回のラプソディーズとはまた全く違う趣向でいきたいと思っていますので、是非いらして頂けたら嬉しいです。

自分の中では、今年1月31日のラフマニノフコンサート、4月28日のラプソディーズ、そして今度の6月2日のコンサートで、「2007年前半ラフマニノフコンサート3回シリーズ」だと思っています。この半年で3回になるラフマニノフコンサートシリーズの完結編として、今の自分にできる全てを思い切って出し切れたらと思っています。

以下はコンサート詳細です。
リンク先からチケットをオンライン事前予約していただくと、当日券よりも1ポンド割引になります。


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松本さやか・加納裕生野 ジョイントリサイタル

Sponsored by Anglo-Japanese Society of WESSEX

日時: 6月2日(土) 17:00スタート
場所: St.Mary's Church Ealing, London (ピカデリーライン、South Ealing駅より徒歩5分) St.Mary's Road, Ealing W5 5RH 地図はこちら


演奏予定曲目

ドビュッシー: 映像 第一巻 第二巻 全曲   演奏: 加納裕生野
ラベル: 優雅で感傷的なワルツ    演奏: 加納裕生野

ラフマニノフ: ライラック    演奏: 松本さやか
ラフマニノフ: 音の絵Op.39 全曲 (No.1~NO.9)    演奏:松本さやか


入場料(当日券) : 大人8ポンド、学生(大学院生含む)5ポンド

オンライン事前予約をしていただくと当日券よりも1ポンド引きとなります)

コンサートの詳細 ・オンラインチケット予約フォームはこちらから
http://www.borderlessmusic.com/ticket/index2.html
(↑ここのページのからオンライン事前予約ができます。チケット代は当日清算となります。)


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次回からまたラプソディーズのレポ再開です。というかどのレポートがどのコンサートのレポートだかごちゃごちゃになってきてしまった・・・・
by sayaka-blmusic | 2007-05-28 07:28 | ラフマニノフについて

コンサートレポ準備編その3 「プログラムが届かない!!」

2007年4月28日に行われた松本さやか・あすかロンドン公演 Rhapsodies 「2台ピアノによるふたりのふたつのラプソディ」 レポート第三弾です。 私とあすか、二人の視点から書いたレポートを順次アップさせて頂いています。

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(さやか編 written by さやか)

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二台ピアノでの練習も佳境に入ってきたコンサート2日前、
演奏準備とは全く別のところで大騒ぎしていたのが、


当日のプログラムシートがまだ届かない!  という大問題。


リーフレット同様、あすか渾身のデザインによる当日プログラムシートは、
数週間前から印刷屋に印刷を依頼してあり、
一週間前には届くはずだったのですが、
予定通り届いたのは、プログラムの中ページのみで、
肝心の表紙ページが届いていない!

表紙ページだけ後から届くのかと思って待っていたのですが、
コンサートの週の月曜日になってもまだ届かず。

おかしいと思って印刷屋にメールをしてみたところ、返事はなし。
こういった「配達期日無視」や、「メール問い合わせ無視」(笑)は、
イギリスの小さなサービス会社にはよくあること。

火曜日。24日になり、もういい加減間に合わない!と思い、
再度問い合わせメールをしたところ、翌日水曜日の夕方になってようやく返事が。


残念なことに、あなたへ送付した小包は郵送の途中で紛失した模様です。さきほど再印刷をして、発送いたしました」


うそ・・・・・。「残念なことに」ってそんな・・・・。

プログラムが当日までに届かなかったら残念じゃ済まないんですけど・・・(T T)

イギリス国内なら翌日に届くからよいものの、
もしやこの印刷屋さん会社の登録住所だけイギリスで、
発送は海外から・・・???

念のためと思い、
「どこの国から発送して、いつごろ届く予定ですか?」

とメールで尋ねると、

「ドイツから発送しました。金曜日に届く予定です。」

との返事が。海外発送だ!!嫌な予感的中。
そして金曜日って、コンサート前日・・・・。
しかも海外からの発送の場合、税関や途中で何かあったら、予定通りに届かない可能性大。

急遽、土曜日までに印刷してくれる代わりの印刷屋を、
インターネットなどで探し回って問い合わせの電話をかける。
しかしどこの印刷屋も1,2日でのスピード印刷の場合、
目が飛び出る程のお値段。
完全予算外なのでとても無理。

うーむ、困った。やはり金曜日に来る可能性に掛けるしかない。

そしてコンサート前日の金曜日、
郵便屋さんが普段まわってくる午前中いっぱいの時間まで、
妹は家で待機していたものの、まったく配達は来る気配は無し。
午後からはセントラルロンドンのピアノスタジオで練習することになっていたので、
やむなく家を出る。

あああ・・・・こうなったら、もう明日のコンサート当日は、コピーした曲目一覧表を配るしかない・・・。
あれだけデザインや構成も頑張ったプログラムなのに・・・。

とがっくりと肩を落として、
Edgeware Roadにあるピアノスタジオにて練習していた私達。

すると携帯がピピピピピと鳴る。


弟ゆうき 「あ、俺だけど、なんか今観光からたまたま一度帰って家に寄ってみたら、
ちょうど郵便屋さんが家のまん前にいて・・・・」


きゃあああああああ!!!!!!!

ばーーーーんざーーーーい。


普段は午後には来ない郵便屋さんが、たまたま午後にも来て、
しかもその時間にちょうど弟が家に戻って受け取ることが出来たなんて、ほんと奇跡。
(誰もいなくて不在票が入れられてしまった場合、当日は再配達してもらえない。)


演奏以外の面で、一番気がかりだったプログラム配達問題が一段落し、
ほっとしながら、コンサート前日の最終練習に集中する。



しかし。

翌日の演奏会当日。もっと大事なものが配達されない大トラブルが起きるとは、
この時想像もしていませんでした・・・・。




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(あすか編 written by あすか)

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私は普段日本で演奏活動をしているのですが、
日本では、予め企画して頂いたコンサートに演奏だけしに伺ったり、
用意された枠でトーク&ライブを行ったりする形式が最近は多くなってきています。

今回のコンサートが普段のように、演奏だけしに伺うコンサートと違う大きな点。
それは、自分たちでプロデュースも行うという点。

ロンドン現地での準備や英語でのやり取りや、主な部分はほとんど姉が行い、
私が日本でも出来ること。そのあすか役割のメインが「チラシ・プログラムデザイン」でした。


もともと「アート」にまつわることは何でも好きで。
ゼロから産み出して自分を表現することも好きだけれど、
どちらかというと、「パーツ」をアレンジメントしていくことや、
与えられたテーマに沿いながらも、いかに素敵に活き活きとしたものに仕上げるか…
そういったトライの方がすき。

音楽の面でも「作曲」より「編曲」の方が好き。感覚的には同じかもしれない。



4月に入り。すでに作り終わったチラシがとっても好評だったとの話に嬉しくなり、
いよいよメインのプログラム作りにも気合が入る。自分の作ったものを喜んでもらえるのは本当に嬉しい。
さやかから送られてきた写真。自分の写真。
日時場所やプログラム、文章のテキストデータの校正が一通りすみ、
白いキャンバスにパーツを組み合わせていく。写真。文字。写真。文字。
自然とワクワクしてくるのが自分で分かる。
写真のちょっとした位置や、文字の種類一つで、見たときの印象が全く変わるから面白い。
自分の中でとにかく「ピン!」っとくる配置を探す。色。間隔。
当日会場でこのプログラムを手にして開演を待つお客様の気持ちを想像しながらマウスを動かす。


不思議なもので。
私は何かを作っている最中はいつもあまり記憶がない。と書くと怪しい人のように思われるのだが、
もう少し噛み砕いて書くと、最終的な出来上がりイメージが頭の中に描かれると、ただそこに向かっていくだけ、の感覚になる。
自分で産み出した、というより、「すでにあるもの」に気づいたら…わー出来た!!という感じである。

ただ。私のデザインや。曲のアレンジや。作品など。
いつも最後に誰かにチェックしてもらわないと、「いいんだけどこれはちょっとやりすぎよ!」という点が時々あるらしい(笑)
今回のプログラムも、超お気に入りに完成し、姉に仕上がりデータを送ったところ…


さやか 「あっちゃん… この日付の『28』の数字だけなんでこんなに大きいのかしら…(^▽^; 」

あすか 「…え、、、その方が可愛いかと思いました (^▽^) だ。駄目かしら…?」

さやか 「いくら何でも大きすぎよ(^▽^; はっきり言って、…変よ?」

あすか 「…はーい(^▽^; 」



このようにして仕上がったプログラム。




が。



届かないかもという事態になった時は泣こうかと思いました(T▽T) 届いてよかったです。


(写真は無事に届いたプログラムたち)
by sayaka-blmusic | 2007-05-22 08:18 | コンサート関連

コンサートレポ準備編その2 「2台ピアノでの練習」

松本さやか・あすかロンドン公演 Rhapsodies 「2台ピアノによるふたりのふたつのラプソディ」 レポート第二弾です。 私とあすか、二人の視点から書いたレポートを順次アップさせて頂いています。

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(さやか編 written by さやか)

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   (二台ピアノでの練習風景。 ロンドン内のピアノ貸練習スタジオにて)


今回のコンサートは、2台ピアノによる、ピアノコンチェルト曲の協演。ピアノコンチェルトとは、通常ピアノとオーケストラで演奏するものなのですが、
殆どのコンチェルトで2台ピアノ演奏用の楽譜も出版されており、今回は2台ピアノを用いての演奏でした。


ロンドン内で、2台のピアノで同時に練習できる場所を探すのは至難の業。ロイヤルアカデミー内にはもちろんあるのですが、私はもう卒業してしまっている為、正規に部屋を予約することはできません。2台のピアノが置いてあるロンドン内の貸練習スタジオ(Bond Streetやスタンウェイショールームや、Edgeware roadにあるJaques&Samuels)、またアップライトと電子ピアノを両方お持ちの生徒さんのお宅などで、練習させて頂いていました。


ここで合わせるまでは、二人それぞれ東京とロンドンにて、自分のパートの練習。

あすかはガーシュインのピアノソロ部分と、ラフマニノフのオーケストラ伴奏部分、
私はガーシュインのオーケストラ伴奏部分と、ラフマニノフのピアノソロ部分というように、
お互い自分のソロパートと、相手の伴奏パートを練習している形です。

二人で一緒に合わせ練習ができるのは、コンサート当日リハーサルを含めて5日間のみ。
限られた時間で、お互いのテンポやブレス、間合い、音量バランスなど、すべてを整えて、一つの音楽に仕上げていかなくてはいけない。

二人で最後に2台ピアノの協演をしたのは、あすかがジャズを勉強し始める前が最後なので、かれこれもう約7,8年たっている。

あすかの演奏も、時々ネット経由で録音を送ってもらったりYou Tubeで見たりしているものの生で聴くのは本当に久しぶり。あすかにとっても、私の演奏を生で聴くのは丸2年ぶり。

お互い、相手がどんな音を出すのか、どんな音楽を奏でるのか全く分からないまま、
あすかのロンドン到着当日に、早速第一回目の合わせ練習。

不安と期待をそれぞれ半分ずつ抱えながら、
取り合えず両曲とも一回ずつ通してみようということに。


。。。。。。。。。。


合うようで、合わない。

いや、音のタイミングとかは殆ど問題なく合っているのだけど、一緒の音楽を作っていっている感じがしない。

お互い同じことを感じていて、
それぞれの曲を一回ずつ通して合わせてみた後、「このままではマズイ・・・。」という重たい空気が二人の間に流れる。



7年前から二人それぞれ違う道を歩んで来て以来、
バックグラウンドが分かれ、
今や奏法もリズムの取り方も全く違う二人。

ガーシュインとラフマニノフ。
全くタイプの違う二人の作曲家のラプソディを、
性格もバックブラウンドも全く違う私達2人が一緒に演奏するという今回の挑戦。

個性の違う私達だからこそできるアンサンブルの音があるはずなのに、なかなかそれが見つけられない。

コンサート本番まであと4日しかない。

困った・・・・。

うーーんどうすれば良いのだろうと二人で悩みこむ。


けれども連日、合わせ練習を重ねたり、
練習以外にも、まるで離れていた2年間を一気に埋めるかのように色々なことをお互い話したりしているうちに、
だんだんとお互いの呼吸や、やりたい音楽が分かってきた。



結局のところ、
合わなかったのは、弾き方ではなくやっぱり気持ちだったんじゃないかなと思う。

物心付いた時から一緒にピアノを習ってきて、
一緒にコンサートやコンクールに出たりしてくる中で、

2人とも、相手の音楽やピアノが大好きなのと同時に、
相手に対してのコンプレックスも小さいころからずっとお互い抱いてた。

「私はあすかのようには弾けない。」
「私はお姉ちゃんのようには弾けない。」

生まれつき全く違う性格で、
同じ先生に習っていた時でさえ、演奏の個性も弾き方も全く違って、

お互い
相手にはあって自分にはない部分が、
はがゆくて、

でもどうすれば良いのか分からなくて、

2人とも胸のどこかにしまい込んできた。


あまりにも久しぶりに、お互いのピアノを合わせてみて
そんな気持ちをお互い思い出してしまったのと同時に、
久しぶりに一緒に弾くことができる嬉しさと、混乱とが入り混じって
一番大切な何かを忘れてしまいそうになったのかもしれない。


でも。

再びこうやって一緒にピアノを練習したり、
お互い相手に気付いたことをアドバイスし合ったり、
色々な話を二人でしている間に、気付いた。


2人で一緒に音楽を奏でるということは、
お互い張り合うことでも、お互いの穴を埋める作業でももなく、

お互いのいい面を、自分が持っている最大限の力でサポートし合って、
1+1=2でない、無限大の新しい音楽を生み出すこと。


私達が目指したいのは、

競演でもなく、ただの共演でもない、  協演。


その時きっと、1人では決して描けなかった絵が、見えてくるはず。


あすかがリードするガーシュイン、
私がリードするラフマニノフ、

それぞれの曲が、
1本の筆でなく2本の筆によって、
少しずつ彩られていく。


お互いの音に反応して、お互いの新たなイマジネーションが生み出されてくる循環。

音と音で、話し合ったり、笑いあったりするこの感覚。

言葉ではない音楽のコミュニケーション。
アンサンブル。


うん、大丈夫。

この感覚があれば、当日もきっとうまくいく。




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(あすか編 written by あすか)
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   (リージェンツパークの池を眺める、あすかの飼いぐるみ「うどん」)

ロンドン入り初日。
とにかく、姉と早く音を合わせてみたかった。楽しみで仕方なかった。



「人と一緒に音楽を奏でる楽しさ」をたくさん体感し、ソロよりアンサンブルが好きになったのは、この1年くらいの話だ。7年ぶりの海外。7年ぶりの姉との共演。きっと今の私と今の姉なら、他の誰よりも音で会話し、同じハーモニーを感じることができる。間違いない!



しかし、その確信は、姉と初めての音合わせの後、不安色で濁ってきてしまった。



姉の音。私の記憶の中にあった姉の演奏は、この2年でこんなに変わったのか。
この2年間、ロンドンの地で一人あらゆる経験から真摯に学び、自分のものにしてきた彼女のその音楽に、正直圧倒された。



いや。もしかすると、変わったという意味では私も同じなのかもしれない。
私がクラシックから一度離れてジャズやポップス勉強や活動をし始めたのが18歳の時。再びクラシックの楽譜と向き合い、演奏し始めたのが2年前。
きちんと勉強しなおしたいという意思を持ったのは、もっとずっと最近かもしれない。



自分なりに追求して仕上げてきたはずの、「あすかフィルハーモニー交響楽団」の奏でるラフマニノフのオーケストラパート。どこかに「ガーシュインの匂い」を残したままのその音は、ラフマニノフの故郷であるロシアの重たく深い空気を表現し切るまでに至っていなかった。姉のラフマニノフの音と比べて、あまりにも軽過ぎる。うまくハモれない。


焦った。

焦るほど余計に、練習中どんどん自分の音が自信のないものになっていくのが分かった。

姉だけじゃなく、今のままではお客様にも喜んでもらえないかもしれない。そんな不安。

あと、なんだか、シンプルに悔しかった。









最近やっと。

日本で演奏活動を続ける中、やっと自分の立ち位置を自分で自覚出来るようになり、
「クラシカルクロスオーバー」という言葉の中に自分の居場所を作り出せた気がしていた。



しかし果たしてこのロンドンの地で、クラシックともジャズとも分類しがたい自分の自然な音楽を、
ロンドンのお客様に受け入れてもらえるのだろうか。
お姉ちゃんとうまくアンサンブルできるのだろうか。







そこから本番までの4,5日間。
お借りしている練習場所のピアノやスタジオ、姉の部屋の電子ピアノなどで、とにかく練習を積んだ。合わせだけでなく、個人練習も出来るだけ重ねた。
なかなかうまくいかない中、姉は今の私の音楽を否定することもけなすこともなかった。
ただただ、私の演奏法の引き出しを増やす、その意味で、ラフマニノフの音の出し方や、基本的な奏法、
そのほか、私の良さがより引き立つためにと、いろいろなことを教えてくれた。





人からのアドバイスを受ける時、どんなに良いことを言われていても、自分のプライドの部分がそれを受け入れられない時がある。
でも、そんなときこそ、自分がさらに成長出来るチャンスなのかもしれない。

自分の弱さや自分の現実を正面から目をそむけずに見つめなきゃいけない。




練習を重ねていく最中に姉が私にこう言った。




「こういうこと言われて悔しいとか、そんなこと言ってる場合じゃないから。
だからあっちゃんも、私に対して気づいたことがあったら何でも言って。
私も、もっとこうしたらいいとか、こうして欲しいとか、言うから。

一番は、当日お客さんに喜んでもらうために今自分たちに出来る精一杯をやることだから。
とにかく、本当にいいコンサートにしよう!」








目が覚めた。つべこべ言ってる場合じゃない。



「お客さんに喜んでいただけるコンサートにしたい。」

二人が、ただただ、その同じビジョンに向かって行く中、

少しずつ、二人の音が本当の意味でハモるようになっていくのが、自分達でも分かった。

ソロ曲のリストや、ガーシュインの音も変わってきた。

日に日に自分の音のパレットが増えていくのが分かった。

練習以外でもたくさん姉と、いろんな話をした。

姉と私はまったく性格も違う。でも、だからこそ、アンサンブル出来た時、嬉しい。

せっかく二人で弾くのだから。二人でしか出せない音を出したい。



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(番外編)

その頃、弟ゆうきは、
お姉ちゃんたち2人が練習で忙しいので、





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自然史博物館のサル(の模型)を一人で鑑賞中・・・・・・。
by sayaka-blmusic | 2007-05-19 20:28 | コンサート関連

コンサートレポート 準備編その1 「あすか・ゆうき到着」

松本さやか・あすかロンドン公演 Rhapsodies 「2台ピアノによるふたりのふたつのラプソディ」 レポート第一弾です。 私とあすか、二人の視点から書いたレポートを今日から連続で順番にアップさせて頂きます。

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(さやか編 written by さやか)
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4月24日、コンサート当日の4日前、東京から妹あすか(2歳下)と弟祐樹(9歳下)が日本からロンドンに到着!東京→(夜行バス)→名古屋→ドバイ→ロンドンという、とんでもなく大回りの経由で、合計丸24時間以上かけての旅。

弟の祐樹にとっては人生初の海外。
妹あすかはロンドンは5回目ではあるものの、
ここ7年ほど海外での演奏活動をしていなかったため、海外はかなり久しぶりのとのこと。

そして私にとっては、あすかと祐樹に会うのは、日本を出て以来なのでほぼ2年ぶり!!

2人が無事にロンドン・ガトウィック空港に着いて、そこから電車に乗ってヴィクトリア駅まで来れるかどうか朝からそわそわ・・・。

昼12時頃になって携帯が鳴る。 イギリス内の公衆電話からの着信。
出てみると、弟祐樹の声。

「さやかーーー、今空港着いたーー。これからヴィクトリア駅向かう。」


あすかと祐樹が、本当にイギリスに着いてる。
イギリス内から電話してきてる。
一瞬涙が出そうになって自分でも驚いた。


2年前、イギリスに着いて以来、
自分自身の生活環境を整えたり、海外生活や英語に慣れるのに精一杯すぎて、
ホームシックを感じる余裕が全くなかった気がする。
再会を目前にして、逆にいまさらホームシック(?)を感じているなんて変なもんだなぁと思う。

ヴィクトリア駅で、ガトウィックエクスプレスが到着するホームで待ち構えていると、
遠くから見慣れた・・・いや見慣れない人相悪いグラサンの2人組が!!!

あすか 「ちょーんちょーーーーん (私のあだ名)!!」

私 「ふ、ふえ。。。。本当に来たーーーーーーーーーー!!!」

なんだか変なもので、来る予定と分かっていても、
本当にイギリスに来てくれたことが嬉しくて嬉しくて
涙が止まらない私。

号泣する私を見ながら、人相悪いグラサン2人組の弟とあすかは一言、

「おねえちゃん・・・・・   老けた?」


ごーーーーん。


おかげさまで涙はぴたりと止まり(笑)
私の家、アクトン方面に向かう地下鉄に向かいながら、ここまでの道のりのアクシデントを聞く。
何でも、入国審査で怪しまれまくって、質問攻めで大変だったとか。
そりゃーそのグラサンでその格好だったら、私だって怪しむわよ・・・・(笑)


大きなスーツケースを2つゴロゴロ転がしながら、無事私がハウスシェアしている家の部屋へ到着。

少し休んだ後、私がロンドンで最も好きな場所、「スーパーマーケット」に連れて行ってあげることに。一週間分の飲み物やおやつなどをいろいろと買出しをする。

家に帰ると、休む暇もなく、早速2台ピアノでの練習のために、練習場所へ移動。

二人で一緒にコンサートに向けてラストスパートです!


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あすか編  (written by あすか)

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「どうしてもう少し可愛く撮れた写真使わなかったんだろう…」
更新ほやほやの10年パスポートと手鏡の中の自分を見比べながらブツブツ呟いている私を、
弟の祐樹(18歳)が180cmの高さから呆れながら見ている。

そうこうしているうちに自分たちの番が近づいてきた。予行練習も二人で機内で何回もした。

あすか 「いい?とにかく、『サイトシーイング!』、と、『1week!』って堂々と言ってれば大丈夫!」

東京から名古屋ドバイ経由の超長旅ロンドン入り。最後の難関入国審査を前に、結構どきどきな二人。よし。経験のためだ!ということで祐樹と私、ひとりずつ入国審査へ!!まずは先行あすかさん。



あすか 「Hello!!! (▼ー▼)」  …おっと。  「Hello!!! (^▽^)」 ←注※サングラス外した。

入国審査のおじさんTommy(仮名) 「What ▽☆※〇#$くぉえうろrtgsgsd????」

あすか 「サイトシーイング!(^▽^)」  ←注※「What」しか聞き取れなかった人。

Tommy(仮名) 「…How ▽☆※〇#$くぉえうろrtgsgsd????」

あすか 「1week!(^▽^)」 ←注※「How」しか聞き取れなかった人。

Tommy(仮名) 「…Where ▽☆※〇#$くぉえうろrtgsgsd????」


おおっと!予想問題集に出てこなかった問題が!( ̄△ ̄;

Tommy(仮名) 「Hotel?」 「Address?」 「Where?」 「What is your job?」


!( ̄△ ̄;  イヤ..ホテルじゃなくて姉がロンドンに住んでまして…そこに泊まりますデス。

!( ̄△ ̄;  えと、、、ロンドン!!!の…   ろんどんデス。

!( ̄△ ̄;  ジョブは…   んーーー。  あ!ピアノティーチャー!(^▽^)


…teacherに絶対見えない風貌なあすかさん。 完全に怪しまれてる。(^▽^; この時点ですでに10分くらい経過。


と、そこに弟祐樹君が別のカウンターから連行されて来て。これは私の弟だ!と説明。
彼も職業を聞かれたが、アルバイトって単語は英語じゃないし…4月現在スチューデントじゃないし(苦笑。頑張れ弟よ!)。
おまけに帰りの航空券を見せたところ、あすかはロンドン→ミラノで5月半ば帰国。祐樹だけ先にロンドンから一人4月末に帰国、ということで余計に話はややこしくなり…。何で二人一緒に帰んないのか!?お姉さんの名前は何だ!仕事は何だ!彼女はなぜロンドン住んでるんだ!!と質問攻め…。


(^▽^; (^▽^; めちゃらくちゃらの英語&とりあえず笑顔で必死の二人。 何でもいいからイギリスに入れてくれ…。。


審査開始から15分。すると、どこからか日本語の話せるジェントルマン係員Richard(仮名)が突然現れ。
「ニホンハドコカラキマシタカ?トウキョウデスカ?ロンドンにイキマスネ?オーケー!!!」

と。

最後はあっさり開放されたのでした。 無事イギリス入国!! 

お姉ちゃーん!!来たよーーーー!!

(写真はLondon Gatwick空港からの列車Gatwick Expressの中にて)
by sayaka-blmusic | 2007-05-16 09:46 | コンサート関連

松本さやか・松本あすかロンドン公演無事終了!

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妹あすかとのロンドン公演、
「Rhapsodies ふたりのふたつのラプソディ」
が無事4月28日(土)に終了しました。

当日券含めて、合計300人近くの方にいらして頂き、
一階席はなんと満席に!
当初使う予定のなかったチャーチ2階部分にも
急遽お客様に入っていただくことになりました。
演奏会が始まり、満員のお客様を目にした時は、
ここロンドンの地でこんなにも多くの方々に演奏を聴いて頂ける感動で
涙が出そうになりました。

本当に多くの方のご協力のおかげで、
演奏会を成功させることができました。
コンサートに向けてご協力くださった皆様、
当日聴きにいらして頂いた皆様、本当にありがとうございました!

オフィシャルホームページのトップページのフラッシュ画像にて、
当日のダイジェスト画像を見ることができるので、
是非ご覧ください。
http://www.borderlessmusic.com/official/
(今までのトップ画像と変わらない場合は、キャッシュを消去して更新ボタンを押してみて下さい)

また、ロンドン&日本でプロフェッショナルコーチとして活躍されている青木理恵先生が
私達のコンサートのレポートを書いてくださっています。
こちらも是非ご覧下さい。
http://coachinglesson.blogdehp.ne.jp/article/13178745.html


実は、当日までコンサート準備の中で、かなり大きなハプニングも連続だったのですが、
その辺りは、後日詳細レポートでじっくり書かせていただこうと思っています!

下の写真は、私の部屋にて、2年ぶりに再会した妹あすか&9歳年下の弟ゆうきと一緒に。
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次回コンサートは6月2日(土)17:00より今回と同じ会場のSt Mary's Church Ealingにて、ピアニスト加納裕生野さんとのジョイントリサイタルになります。
私はラフマニノフの音の絵Op.39の9曲全曲演奏をソロで行う予定です。
次回は、今回のラプソディーズとは対象的に、かなりマニアックなプログラムですが、もしご興味のある方がいらっしゃいましたら是非お越し下さい。
by sayaka-blmusic | 2007-05-03 08:44 | コンサート関連