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お米の話

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私がロンドンでいつも買って炊いているのはこのお米。

錦。(NISHIKI)

10キロで13ポンド(約2600円)。

日本のスーパーでお米を買うと、1キロあたり400円くらいすることを考えると、なぜかこの物価の高いロンドンでお米は比較的安いことになる。

もちろん純粋な日本米なわけでなくて、カリフォルニア産なんだけど、
でも日本で食べてた普通の日本米と比べて、
少なくとも私には味の違いが殆ど分からないくらい、おいしく感じる。
まあ、私の舌が既にマヒしちゃってるのかもしれないけど・・・・。

もっと高いのも安いのも色々あるんだけど、
いくつか試した結果、結局これに落ち着きました。
NISHIKIは日本米(カリフォルニア米)の中では一番ポピュラーらしく、
ロンドン中どこででも手に入ります。
日本食材屋はもちろん、韓国食材屋、中国食材屋、タイ食材屋など、
ロンドン内ほとんどのアジア食材店に、「NISHIKI」は必ずといっていい程置いてあります。

ちなみに韓国人のフラットメイトが使ってるのは
和 (NAGOMI)
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こちらもカリフォルニア米。
パッケージによると、
「PREMIUM SUSHI RICE (最高級スシライス)」
だそうです。

イギリスでは、このようなカリフォルニア米のことは、大抵「SUSHI RICE」と書かれているのですが、「スシライス」って日本人からするとやっぱりどうしても違和感が・・・・。


お米といえば、移民の街ロンドンでは、それぞれの国の料理に合うよう色んな種類のお米が売っています。よく見かけるのは、
American long grain rice (名前の通りかなり長細い。少しクセのある味だけどシチューとかとはとても合う)
Basmati Rice (インド料理やバングラディッシュ料理で使われるお米)
Thai Rice (タイ米。日本も10年前くらいに米不足だった頃かなり流通してた覚えが)
Jasmine Rice (タイの香り米。まだ試したことはないです)
などなどなど。

American long grain riceは、スーパーなどでなんと1キロあたり100円以下で手に入るので、渡英直後の頃、なんて安いんだと感動し、しばらくそれを使ってたのですが、
冷めると異様にパサパサしちゃって冷凍ゴハンにできない、など色々不便だったので、
結局今はNISHIKIに落ち着いてます。


ところで、この間ドイツからロンドンに来ていた友達に、
ドイツではどんな日本米が売ってるか聞いたところ、
「日の出(と書いて何故かSHINODEとローマ字が書いてあるらしい)」
とのこと。
それってもしや、のだめカンタービレで、のだめが食べてたお米!!
ということはフランスとドイツでは「しので」は主流なのかも。
ロンドンでは見たことがない気がするけど・・・。

「錦(NISHIKI)」にしろ「日の出(SHINODE)」にしろ、
日本では多分手に入らないエセ日本米。
ある意味貴重(?)かもしれません。
by sayaka-blmusic | 2006-08-30 05:28 | ロンドンでの日常生活

2006年プロムス(PROMS)

イギリスの夏のクラシックイベントといえば

プロムス(PROMS)!

7月半ばから2ヶ月にわたってロイヤルアルバートホールにて行われるヨーロッパ最大規模の音楽祭で、BBCが主催しています。
日替わりで毎日、ロンドンフィルやベルリンフィルなどによる一流オケなどによるクラシックコンサートがなんとたったの5ポンド(1000円)から聴けてしまうという、すんばらしい音楽祭。

そしてプロムスといえば、
恐らく日本では絶対に経験できない

円形劇場型大ホール最上階回廊での「ごろ寝」鑑賞!!


そう、このプロムスの大きな特徴は、格安当日券の仕組みにあります。

最上階回廊部分(立ち見、ごろ寝、床座りなんでもありのオープンスペース)と、
椅子を全部取り払われた一階席(通常S席などにあたる部分)のアリーナが
立見席として当日会場で5ポンドでチケットが販売されるので、
本当に気軽に、ふらっと立ち寄って一流オーケストラによる演奏を格安で楽しむことができるのです。

もちろん通常の席も前売りで購入することができます。
これらの通常席も、普通の日本のクラシックコンサートと比べるとかなり格安。


昨年は何度も足を運んだものの、
今年はレッスンなどでなかなか夕方の予定が空かずまだ一度も行っていなかったのですが、この日(8月23日)のプログラムの一つは、私がクラシック曲の中で一番好きな曲ベスト3に入るラフマニノフの合唱つき交響曲The Bells(日本名「鐘」)!!

この曲、あまり有名ではないのですが、
8年くらい前に、たまたま他の曲を聴こうと思って買ったモスクワフィルのCDに入っていて、
そのド迫力に一発で衝撃を受けてしまい、それ以来大好きな曲だったのです。

しかしこの合唱交響曲「鐘」は、フルオーケストラに加えて、ソプラノ、テノール、バリトンのソリスト歌手+大人数の合唱団を要する曲ということもあってか、日本では滅多にコンサート等で演奏されることがなく、今まで一度も生で聴いたことはありませんでした。

それが今回のプロムスでは、ロンドンフィルハーモニー交響楽団&ロンドンフィルハーモニー合唱団によって演奏されるとのこと。

これは私にとっては這いつくばってでも行きたいプログラム!


ということで行って来ました。
普通に席を予約してもよかったのですが、
やはりプロムスといえば、あの最上階回廊からステージを眺める独特の醍醐味が忘れられず、昨年と同じく、ギャラリー席5ポンド当日券の列へ。

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写真は、演奏開始前のステージを最上階回廊から写したところ。
後ろの椅子は全て合唱団の方々の席です。


演奏会後半に入り、いよいよ待望の「The Bells」。
この合唱交響曲は4楽章に分かれていて、それぞれ

1.誕生の鐘
2.結婚の鐘
3.怒りの鐘
4.死の鐘

というように題名がついています。

もともとラフマニノフの作品は、ピアノ曲でもロシアの「鐘」をモチーフにしたものが多く、
ラフマニノフの作品において「鐘」の要素は外せない重要なものだと言われているのですが、
この曲はまさに、そのものズバリの「鐘」という題名がついている上に、
ラフマニノフ独特の、全てを叩きこわすかのようなダイナミックさも、壮大さも、ロマンチックさも、毒っ気も、全て盛り込まれている作品。
もともとラフマニノフ中毒の私にとっては、もうたまらない曲なのです。

実際、200人以上の合唱団を率いた生の演奏で聴いてみると、
CDとはまた全く別の印象。

もともと好きだった「1.誕生の鐘(ディズニー映画でそのまま使われそうな曲です)」に加えて、
他の3曲も生の迫力に大感動してしまいました。
特に、「3.怒りの鐘」は、生の合唱団とオーケストラと指揮者の掛け合いによる緊張感の高まりに、息をするのも忘れて聞き入ってしまいました。
「4.死の鐘」の最後の、まるで天国に上ったかのように平和な眠りにつくラストも鳥肌もの・・。

ラフマニノフ、やっぱり天才です・・・・・・・・・・・・・・・・・(ToT)


ところで、これは休憩中の最上階回廊の様子。
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ギャラリー席では、こんな風にシートを広げながらピクニック感覚でペタンと床に座って皆リラックスして音楽を聴けるんです。

本を読みながら聴いている人、
ごろ寝しながら聴いている人 (大の字になって聴いている人すらいます。一流オケをバックに大の字で聴くなんて贅沢すぎる瞬間・・)、
壁にもたれて目をつぶりながら聴き入っている人、

本当にそれぞれ皆自分の好きなスタイルでリラックスして聴いているんです。
なんだか音楽本来の楽しみ方がそこにはあるようで、
色々な聴き方をしてる方たちの姿を見るだけで幸せで心がいっぱいになってしまいます。

眠くなって頭がカクっとしてしまうのを後ろの人から見られたら恥ずかしいとか、
狭い椅子で必死に目を開けて眠気に耐え、演奏が終わるのをひたすら待つ必要もなし。
クラシックの堅苦しいというイメージが吹き飛んでしまうくらいの、本当に自由な空間。

私は、この日ワンピースだったので、さすがにごろ寝するわけには行かず、また大好きな曲だったこともあり、回廊最前列で柵にしがみついてかじりつくように聴いてたのですが、また違うプログラムの時は、ジーパンで行って「ごろ寝鑑賞」を至福をもう一度体験したいなと思っています。


ちなみに私は、クラシックの演奏会を聞く時には、
こむずかしいことは考えずに、頭を大解放してぼーーーっとして聴くのが好き。
眠くなったら寝ちゃえくらいの勢いでリラックスして聴いた方が、素直に音楽を楽しめる気がします。

そういった意味でもこのプロムスのギャラリー席は、
気軽に本格クラシックを聞いてみたい方や、
仕事帰りに、クラシックのアルファ波(?)を浴びながら全身リラックスしたい方たちにも
本当にオススメです。

去年のレポートにもさんざん書きましたが、
プロムスのように「ごろ寝鑑賞」ができる格安クラシックコンサート、
日本でもあったらいいのに・・・と心から思います。



☆思い立ったら今日にでも行ける、プロムス当日立見券の買い方☆

South Kensingtonの駅を降りたら、表示にしたがってRoyal Albert Hallの方向へ。
地下道から抜けて更に10分くらい歩いたところに円形型のホールがあります。
「PROMS」という旗が大きく掲げられているのですぐに分かると思います。

正面玄関ではなく、ホール裏側に回ります。
列が2つあると思います。

一つはアリーナ(一階席部分。近くで聴ける醍醐味はありますが2時間立ちっぱなしを覚悟)、
一つはギャラリー(私がいつも聴いている、最上階回廊部分。床にペタンと座るか床に寝転ぶかのスタイルでリラックスして聴ける)の為の列。

恐らくホール側から見て右側がギャラリーの列、左側がアリーナの列だと思うのですが、
一応列に並んでいる人に確認して聞いたほうがいいと思います。

人気プログラムでなければ開演30分前でも十分入れると思いますが、
人気プログラムの時は2~3時間前から並んでいる人もいるので、
早めに並んだ方がいいかもしれません。

そのまま列に並んで待ち、
会場入り口のところで、チケット代(アリーナ、ギャラリーとも今年は5ポンド)を払い、
荷物チェックを受け、会場内に入り自分の好きな場所を確保します。

ちなみに洋服ですが、ドレスコードのようなものは一切なく、
当日券の席には、フォーマルな服装で来ている人はむしろ殆どいません。
地面に座ったりすることも考慮して、ジーパンやチノパンなどのラフな格好の人が多いです。

BBCプロムスの公式サイト
http://www.bbc.co.uk/proms/
ロイヤルアルバートホールまでの地図
http://www.royalalberthall.com/pdf/Arriving_at_theHall.pdf


※昨年のプロムスレポート(最終日レポート含む)は、妹と企画運営しているクラシック音楽総合情報サイトボーダレスミュージックの方でも書いています。
http://www.borderlessmusic.com
by sayaka-blmusic | 2006-08-26 19:56 | ロンドン音楽事情

ハリーポッターとヒッチハイク

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日本から観光に来ていた高校時代の友人と一緒に、
ヴァージニアウォーター(Virginia Warter)に行ってきました。

ヴァージニアウォーターとはロンドンから西に電車で45分ほど行ったウィンザーから、
更にバスorタクシーで15分ほど行った場所にある湖。

なんとここはあの「ハリーポッターとアズガバンの囚人」の撮影が行われたロケ現場。
上の写真の湖のほとり、映画を観た方だったらピンと来る方も多いと思います。

ガイドブックにはウィンザー駅からバスがあるとのことだったのだけど、
実際バスは一日に2~3本・・・・。
その日の行きのバスはもうなく、結局タクシーでヴァージニアウォーターの湖へ。

なんとこの湖、ヒーバー城の湖と同じく人造湖らしいです。
といっても1750年頃に作られたとのことなので、
250年以上たった今は、周りの自然にもすっかり溶け込んでいます。

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湖から少し離れたところには、少し場違いとも思えるような不思議なトーテムポールが
脈略なくいきなりそびえたっています。
高さ30メートルもあるのでかなりの迫力。

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公園内にはVirginia Warter Lake以外の湖(池?)もいくつかあります。
水面に映る景色が本当にキレイ。


ところで、ヴァージニアウォーターは、
ロイヤルファミリーが所有するWindsor Great Parkという公園の中に位置しているのですが、この公園がとにかく巨大。

あれれ、ここどこかしらと思ったが最後。
どでかい公園を延々とうろうろさまよい続けることに。
ぽつんぽつんと置いてある標識も
1.5マイル先にトイレがありますとか、あまりにもスケールが大きすぎて、
何がなんだかわからない。

おまけに雨まで降ってきた。
カサは持ってないし、寒いし濡れるし、
だんだん日も落ちてきて、
焦る気持ちばかり高まってくる。

ううう・・・本当に夜までに帰れるんだろうか・・・・・・・・・。

たまーに通りかかる人に尋ねつつ、園内の地図と標識も頼りに、
ひたすら最寄の出口(といってもかなり遠い)を目指して歩き続け、
ようやく駐車場らしき場所に到着。

園内の地図では「大通り」に面していたと思ったのだけど
その「大通り」であるはずだった道は
森の中の小さな車道。

しかし周囲に、駅はもちろんバス停なんかどこにもないし、
タクシーも通っていない。

仕方なく駐車場の売店のようなところでタクシー会社の番号を聞き、
今いる場所まで来てもらうよう頼んだところ

「そこに行くのに1時間ほどかかってしまいますが宜しいですか?」

とのこと!!!
ひぃいいいっ!来てもらうだけで1時間!!!

夜はセントラルロンドンでもう一人の友人も一緒に3人でゴハンを食べることになってたので、
その時間に間に合わなくなってしまうだけでなく、
イギリスの「1時間」は2時間、3時間、いや本当に来るかどうかさえ怪しいということは
1年間のイギリス生活でだんだん分かってきている。

仕方なくタクシーは諦めることに。

といってもバスはないし、駅まで徒歩は不可能。
となると残された道は・・・


ヒッチハイクしかない。


このご時世、見ず知らずの人の車にやみくもに乗るなんて
絶対に危ないしやめた方がいいことは分かってるんだけど、
こんな僻地にポツンと取り残されて万が一、一晩帰れなくなったら、
はっきりいってそっちの方が危ない。

駐車場に戻ってみると、
とてもやさしそうなイギリス人老夫婦が
ちょうど車にのるところ。
発車する寸前、
おそるおそる車に近づいて声をかけてみる。

事情を話してお願いをしたところ、
とても快く引き受けて下さり、
ロンドンまで一本で帰れるSunnydaleという駅まで送って下さった。
車の中でも色々気を使って心配して下さったりして、
本当に本当に感謝。

お蔭様で無事約束の時間までにロンドンに戻ることができ、
友達のロンドン滞在最終夜の夕食会を、無事3人で迎えることができました。

うーん、それにしても、
友達のロンドン滞在の最終日に、
私にとっても友達にとっても人生初のヒッチハイクという、
とんでもない思い出を作らせてしまうことになってしまいました。
今回はたまたま、本当に良い方々だったから良かったものの、
普通だったらヒッチハイクは極力やめた方がいいことは分かってるし、
目的地の交通の便とかについては、
現在こっちに住んでいる私の方がしっかり調べておくべきだったと大反省。
イギリス郊外の観光地どこでもバスやタクシーが通っていると思ったら大間違いなんだなと本当に勉強になりました。

ところで家に帰ってから調べてみて分かったのですが、
私たちがさまよっていたWindsor Great Park、
なんと広さは13,000エーカー(53平方km。渋谷区3つ半くらい)もあるらしいです。
ちなみにロンドン市内の巨大公園ハイドパークでも350エーカー。
やはり郊外はスケールが違います・・・・・・・・・・・・・・。


※ これからヴァージニアウォーターに行こうとしている方、
湖へは、ウィンザー駅からではなくヴァージニアウォーター駅からが一番近いようです。
タクシーは行きに乗ったタクシーに何時に迎えに来てくれとあらかじめ予約をしておくのがベストだと思います。
なんとなく行ってなんとなく帰ろうとしてしまうと
場合によっては本当に帰れなくなってしまうので注意!!!!
by sayaka-blmusic | 2006-08-21 23:37 | イギリス国内旅行日記

ロンドンエリア紹介その2 アクトン

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今回のロンドンエリア紹介はアクトン(Acton)
この地域では現在3人の生徒さんを教えさせて頂いてます。

セントラルライン又はピカデリーラインでロンドン中心部から
西に25分位ほど行ったところに位置するここアクトンは、
ロンドンの中でもフィンチリーと並んで日本人が最も多い地域。
イギリス最大規模の日本人学校(小学校・中学校)がある他、
日本人幼稚園もいくつかあります。

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ウェストアクトン駅前には「あたりや」という日本食材屋もあり、
出張レッスンの行き帰りにかなり利用させてもらっています。
もちろん日本で買うよりはかなり割高(倍~3倍近く)ですが、
みりんや料理酒、片栗粉など、
日本と同じ食材や調味料を手に入れることができるのでとても便利です。

治安良し、雰囲気良し、
交通の便良し(ヒースロー空港とセントラルロンドンのちょうど中間に位置)、
日本人学校や日本食材屋も充実、ということで、
日本人駐在家族の住みたい人気エリアにTOP3に
必ず挙げられる地域だと思います


ウェストアクトン駅前から伸びているこの通りの住宅は、
おそらく日本人居住率3割以上!
おとなりも、そのおとなりも日本人!なんてこともあるみたいです。

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この通りは春になると桜(なのかアーモンドの木なのか未だに不明)が一面に咲き乱れるので、本当に一瞬日本にいるかのような錯覚になります。

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駅近辺の家の多くは、
チューダー風の白地に黒い縦じまの外観で統一されていて、
とても美しい街並みです。
by sayaka-blmusic | 2006-08-16 17:37 | ロンドンでの日常生活

ホームコンサートのあたたかさ

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ロンドンでピアノを教えている生徒さんのうちの一人、
小学校3年生のHちゃんのお宅で、ホームコンサートをさせて頂きました。

7月末から、Hちゃんの日本でのお友達とその家族、合わせて15人以上が
ロンドンのHちゃん一家を訪ねて日本から訪英中。

今日のコンサートは、その最終日のさよならパーティも兼ねたコンサートということでした。

ホームコンサート形式のリサイタルは私にとって約1年半ぶり。
小学校3年生の子供たちにどうやったらクラシックの曲を、
わかりやすく楽しんでもらえるかな・・と考えた挙げ句、

プログラムは9月のイタリアでのコンクールで弾く予定の曲を中心に、
子供が興味を持ってくれそうな、短くて題名のついた曲を、合計6曲選んで構成。
(ラフマニノフの「赤ずきんちゃんと狼」や、ドビュッシーの「花火」など)

トークも含めて合計1時間弱のミニコンサートです。

曲と曲の間に、曲にまつわるクイズなど、ちょっとしたゲームもはさんでいきました。

例えば、ドビュッシーの「妖精パックの踊り」に関しては、
プログラムには題名を「?」としておいて、曲名あてクイズをやってみました。
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選択肢は、全てドビュッシーの実在する曲の題名から以下の通り。

1.象の子守歌
2.ようせいのおどり
3.小さなひつじかい
4.雪の上のあしあと
5.海のそこにしずむ寺

うーん明らかに軽やかな曲だし、
ちょっとこれはクイズとしては簡単すぎたかな・・・と思っていたら、
演奏後、挙がってきた回答は、

「ようせいのおどり」
「海のそこに沈む寺」

なんと正反対のイメージの回答が、
ちょうど半々ずつ!!
意外でした。

何故その題名だと思ったのかインタビューをしてみると、
低い音が出てきて海に沈んでるような感じに聞こえた、などなど
色々と興味深い回答が。

確かにこの曲、
軽めのところも出てくるけれど、
海の底でうごめいているような深い感じのところあるし、
ドビュッシーお得意の「東洋的」な感じもある。

正解は「ようせいのおどり」なのですが、
子供たちの回答から、
今まで私自身気づいていなかった新たな発見をさせてもらってしまいました。

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写真は、一生懸命クイズの回答を考えてくれている子供たち。

ラフマニノフの「赤ずきんちゃんとおおかみ」では、
ほのぼのとした童話の印象とはかけ離れた
恐ろしいド迫力の曲を爆発させてしまったため、
子供達は一瞬ぽかーんとしてしまっていたものの、
演奏後、この曲でのお話の結末を尋ねると
「赤ずきんちゃん、おおかみに食べられちゃったみたい・・・」
と恥ずかしそうに答えてくれました。

今回演奏した曲は殆ど、
子供達にも馴染みのある有名な曲ではなく、
むしろ絶対に知らないようなマニアックな曲ばかりだったのに、
色々想像して一生懸命聴いてくれて、本当に嬉しかったです!

コンサートの最後には、
子供たちとお母様方の共通の思い出の曲であるという
「野に咲く花のように」と
「世界中のこどもたちが」を全員で大合唱。

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写真は「世界中のこどもたちが」を手話つきで合唱するこどもたち。
あまりの元気な歌声に、伴奏しながら私の方がびっくりしてしまいました。




私にとって、
子供たちの前での演奏って、
どんな大きなコンサートの本番より、コンクールより、
一番緊張するんです。

なぜって一番素直な反応が返ってきてしまうから。
つまらないものはつまらない、と。

かといって子供たちに受けるようにだけ弾いても、
きっとそんなことは見抜かれてしまうし、
真剣に音楽と向き合って、
精一杯表現しようとしないと、
きっと全て子供たちにはばれてしまう。

今日のコンサートで、子供たちが何を感じてくれたかわかりませんが、
「手が速く動いてた!」でも
「赤ずきんちゃんが食べられちゃっててこわかった・・」でも
「線香花火の様子もピアノで表せるんだ!」でもなんでもいいので、
何か少しでも心に残ってくれていたら、こんな嬉しいことはないです。



コンサートが終わった後のパーティでは、
お母様方、お子さん方、
イギリス人ガイドのチズム先生、そしてYちゃんご家族と一緒に、
本当に楽しいひと時を過ごさせて頂きました。


ところで、
ロンドンのテロ未遂事件が発覚したのはこの日の朝。
翌日無事に飛行機が予定通り飛ぶかどうか、
分からない中でのお別れパーティだったのですが、
本日、無事皆様成田に到着されたそうです (^-^)
by sayaka-blmusic | 2006-08-13 03:33 | ロンドン音楽事情

ハーツクライ = キングジョージ =

7月29日、イギリスのアスコット競馬場で行われた、
キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスというレースに、
日本期待の「ハーツクライ」を応援しに行ってきました。

感動!感動!もーーーまだ感動がおさまりません。

私は実は、元々馬とか競馬とかには殆ど興味がなく、
競馬というものをまともに観にいったのは、
亡くなった岩手のお祖父ちゃんが競馬の馬を搬送する仕事をしてたので、
そのお祖父ちゃんに連れられて幼い頃行ったのが最後。
あれ、でもあれはレースの開催日でない空っぽの競馬場だった気が。。

ということで本物の競馬のレースを見た経験は全くゼロだった私。

しかし今回イギリスで行われるこのキングジョージは、
フランスで行われる凱旋門賞などと並ぶ世界最高峰のレースであり、
そこに日本最強といわれる「ディープインパクト」を唯一破った「ハーツクライ」が挑戦するとのこと!
今回、日本のハーツクライがこの世界最高峰のレースに勝てる可能性は充分にあるし、
こんな瞬間を目の当たりにできる機会は滅多にないということで、在英日本人の友達数人と応援しに行くことに。

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ロンドンビクトリア駅から電車を乗り継いでいったのだけど、
イギリスお得意の「乗っている間に行き先変更」が起きたらしく、
(多分アナウンスがあったのだと思うけど私は聞き取れなかったみたい・・・)
はたと気づいた時には目的の方向とは斜め45度ほどずれた
トンチンカンな方向の遥か彼方へ。
慌てて引き返したものの、この日は運悪くこの辺り全線のダイヤが乱れていて
通常1時間で着くはずのところがなんと4時間半かかってアスコットに到着。


競馬場までは駅から徒歩10分ほど。
小さなアスコット駅から競馬場までの小道は、
この日のキングジョージのレースを目的で来たファン達で列を成している。

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写真はアスコット競馬場の正門。

で、びっくりしたのが。

思いっきり皆さん「正装」なんです!

男性の8割がスーツ!!!!

女性の9割がきらびやかなフォーマルドレスorワンピース!!!!

そう、アスコットは正式にイギリス王室が所有する競馬場であり、
競馬場に入るのになんと「ドレスコード」があるのです。

チケットにも表記があって、
高い方のPremier Admissionの席は完全フォーマル限定ということでドレスコード有。
私の買ったGeneral Admissionの一般席についても、
「スマートな格好をしてくることが望ましい」みたいなことが書いてあったので、
一応クラシックのコンサートには行ってもおかしくない位の格好はしてきたのだけど、
それでも全然浮いてしまうくらい、周りは「超」フォーマル。
はっきり行ってオペラハウスとかの観客よりもフォーマル度高しです。
パンツ姿の女性はほぼ私1人。
化粧室に行ってドレスのレディ達に囲まれてると自分が掃除のおばさんか何かに思えてくる。
ううう、しまった。。。。。。。。。。せめてワンピース着てくるべきだった。。。

私は今まで競馬というとおじさん達の娯楽という超偏見があったのだけど、
ここでは男女比もほぼ半々で、
年齢も、20代~70代位と偏りなく幅広い。
イギリスでは、競馬は文化に根付いた、れっきとした紳士淑女の為の娯楽なのだなぁと
実感してしまった瞬間でした。


メインの目的であるキングジョージのスタートまでは、
他のレースを見たり、
パドックでそれぞれの馬を超アップで見たり、
アスコット競馬場の中を色々探索したり。

競馬場の建物の中も、改装後らしくむちゃくちゃ綺麗です。
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ハーツクライの出走するキングジョージのレースの前になってくると、
日本人関係者や報道関係の人達も徐々に増えてきました。
日本からこの為にはるばる来ている方達もかなり多いようです。

写真はコース側から撮ったスタンド。
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キングジョージのレースの始まる40分前から場所確保の為前の方へ。
コース前最前列が運よく空いたのでそこを確保。
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◎がゴール地点。
ここからだったら最後のカーブからゴールまでの直線を全て眺めることができる。
本当はこういう位置だとかえって全体が見にくいのかもしれないけど、私はとりあえずできるだけ近くで見てみたかったのです。

写真はレース前コースに登場したエレクトロキューショニスト。
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16時20分。いよいよ発走。

アスコット競馬場のコースはおにぎり型。
競馬場というと楕円コースのイメージがあったので驚き。

一つ目のカーブを曲がり、二つ目のカーブを曲がり、
見てる私もどんどん緊張が高まっていく。
最終カーブを曲がって、いよいよ直線へ。
まるで手が届きそうなくらいの距離のところで、
物凄いエネルギーの6つの塊が、ドドっという音と共に、
文字通り「駆け抜けて」いく。
あまりのエネルギーの爆発に、腕に鳥肌が立つ。
すごい。。。。。

最後の直線はハリケーンラン、エレクトロキューショニスト、そしてハーツクライ3頭の競り合い。
直線でハーツクライが一度先頭に立った瞬間は周りの日本人皆半狂乱状態。
しかし徐々にハリケーンランに抜かれ、
エレクトロキューショニストも最後の粘りでグンっと上がって来て、
最終的にゴールはハーツクライ3着。

最後の最後まで3頭がどうなるか分からなくて、
競馬の知識ゼロの素人の私でも明らかに「いいレースだった」と分かる、
本当にエキサイティングなレースでした。

10月にフランスで行われる凱旋門賞では、
ディープインパクトがこのハリケーンランと対決するらしいので、
是非頑張ってほしいです。



ところで、
ピアノを弾いている者の観点から勝手に考えたことだけど、、
一体全体「騎手」たちにかかるプレッシャーってどの位のもんなんだろうかと思ってしまう。
ピアノの本番とかコンクールだと、プレッシャーといっても、
教えてくれた先生とか応援してくれてる身内や観客の方々に対するプレッシャーであって、
それですら抱え切れなくて緊張でつぶれそうになることもあるのに、

騎手にかかるプレッシャーって、
馬主、調教師、厩務員、関係者、莫大な投資をして馬券を買った人達、
もう果てしなく莫大なお金と期待がかかったプレッシャーがごーーーんと肩に乗せられるわけで、
特に何ヶ月もかかって用意をしてきたようなこんな大レースの場合、
そのプレッシャーは想像もつかないくらい大きなものだと思う。

しかもピアノの場合、演奏時間はどんなに短くても8~10分以上、
リサイタルだったら2時間くらいあるから、
万が一ボロボロになっても立て直すチャンスはあるけれども、
競馬のレースの場合、2分とか3分の間に全てがかかっている。

馬券を買った人達からのプレッシャーは抱える必要はないにしても、
馬主や調教師達との人間関係を常に上手く保ちながら、
自分自身のコンディションも整え、プレッシャーを乗り越えて
僅か2,3分の間に全てを発揮するって、
並大抵の神経&集中力&努力じゃできないと思う。
いや、本当に騎手を立派に務めている人達1人1人を心から尊敬してしまう。

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写真は表彰式でのハーツクライ。

下の写真は優勝したハリケーンランと、騎手スミヨンがインタビューを受けているところ。
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アスコット駅までの帰り道、
私が日本人とみると横を歩いていたイギリス人のおじさんに
「いやぁ日本の馬も良く頑張っていいレースをしたよ」と声をかけられました。




ハリケーンラン、エレクトロキューショニスト、ハーツクライ、
世界最強馬に挙げられる馬たちのレースが
人生で初めて生で見れたレースだったというのは本当に幸せなことだったなと思う。

この間のイングリッシュガーデンもそうだけど、
「本物」の威力というかエネルギーを目の前にすると、
それまでどんなに興味の無かったものでも、
素直に大感動してその世界に引き込まれてしまうものです。



ところで、最初に話した岩手のお祖父ちゃんは、
仕事(競走馬の搬送)の休憩中、馬のたてがみを結って遊んで(?)いるうちに
すっかり三つ編みのプロになってしまったらしく、
小さい頃私や妹の髪までよく三つ編みにしようとしてくれてました。

お盆とかにお祖父ちゃん家に行くと、
私達を喜ばす為にわざわざ買ってきてくれたのか、
馬のミニ人形みたいなのをうじゃうじゃ持ってきて、
色々馬の話をしてくれたのだけど、

当時はへーとかふーんとか話半分で、私も妹も全く興味を示してなかった・・・。
三つ編みも私達嫌がってたような気がするし。
今思うとおじいちゃんかわいそうすぎ。。うーん。

馬が好きな人は馬に顔が似てくるらしいですが、
本当に嘘みたいに馬そっくりの
長い顔、小さな優しい目をしてたおじいちゃん。

今日パドックでアップで馬を見ながら、
やっぱり本当にお祖父ちゃんは馬そっくりだったんだなぁと改めて思ってしまった。

家に帰ってBBCのニュースサイトにアップされていたレースの動画を改めて見てみて、
今日のレースの感動を思い出して再度鳥肌が立ってしまった私。
馬の走る姿がこんなに美しいなんて、
今日の今日まで知らなかったです。

今頃天国のおじいちゃん、
「そうかそうか、さやかもやっと馬に興味を持ってくれたか」と、
ニコニコ喜んでるに違いないな(笑)



http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/other_sports/horse_racing/5209762.stm
キングジョージの動画はこちらのBBCのサイトから見れます。
ハーツクライは黄色いしましまの騎手(ルメール)の乗っている馬です。
by sayaka-blmusic | 2006-08-01 02:19 | イギリス国内旅行日記