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ファイナルリサイタル直前 悶絶日記 No.2 「バーバーチェロソナタの本番その2」

昨日の本番に続いて、今日もミッシェルとアンサンブルの本番。
昨日は私とミッシェルのアンサンブルの試験、今日はミッシェル自身の個人試験のため、
ということで、微妙に違う種類の試験なのです。

それにしてもこの1週間は試験だらけで死んでしまいそう。。。。
今週一週間は学期末ということで、どの楽器専攻も試験期間中なのです。
生徒も大変だけど、一週間まるまる朝から晩まで審査している教授陣も相当大変だろうな・・・;;


今日の曲目も、昨日と同じバーバーのチェロソナタ。
昨日は全楽章だったのだけど、今日は1楽章のみ。

昨日あれだけ上手くいったのだから、今日も上手くいくはず!と思っていたのだけど、
不思議なことに二人とも昨日より緊張してしまい、
大きなミスはなかったものの、なんだかスッキリしないまま演奏を終えてしまった。。。

う。。。。
すごーーく悔いが残る。


終わった後は、学校の練習室で、
ソロの修了リサイタル試験の練習に集中。

でも最近のあまりの練習量の急激な増加に
手がびっくりしてしまったらしく、
指の先から手首、ひじ、肩まで、
全ての関節が筋肉痛で悲鳴を上げている。

モーツァルトのソナタやドビュッシーはまだいいんだけど、
特にラフマニノフの「音の絵」Op.39 No.1~9は、
何時間も全曲を繰り返し弾き続けることは、手にとっては拷問と同じ。

夜9時、手がだんだん限界に近づいてくる。

でも、練習してないと不安で不安で、1分でも長く練習していたい気分。

練習を取るか、手の安静を取るか。。。

夜10時、練習をこれ以上続けることは、手にとって危険だなと思って、
あきらめて家に帰る。

家に着いて、水を飲もうとコップをにぎると、
コップをにぎる動作でさえ、手の筋肉に痛みが走る。

ふと、
まるで何かの不安を消したいかのように、
こんなにガンガン手痛くなるまでだけ必死にやる練習って、
なんか違うんじゃないか、と思い始める。。。

夜、「創造性レッスン」(4月26日の日記)で書いた友達Barryから久しぶりに携帯メールが。

「Good luck with your exam performance this Friday!
Remember, that the piano is your home where you must release
your spirativity freely!」


じーーーーーーーーーーん。。。。。

(このspirativityってBarryの造語??
spirit + creativity ?? でもすごいニュアンス分かる気がする。。)

そうだよなぁ。。。

イメージとか、気持ちやエネルギーの表現とか、
本番が近づくにつれて、どんどんそこから逆方向に行く練習になっちゃいがちだけど、

一番大事なのは、
音楽で何が伝わるか、何を表現したいか、だものね。

お客さんは、誰も
「ちゃんと弾いた音楽」なんて求めてない。


感動する音楽、伝わる音楽。

すぐ忘れそうになってしまうけど、
一番大事なこと。
by sayaka-blmusic | 2006-05-31 20:58 | ロイヤルアカデミー学校生活

ファイナルリサイタル直前 悶絶日記 No.1 「バーバーチェロソナタの本番」

今日は1月のプレゼンテーションでも共演したアメリカからの留学生、チェリストのミッシェルとの、アンサンブルの本番。
かれこれ室内楽パートナーになってからもう半年。
最近では、お互いの呼吸や間合いも、かなり自然と分かって合わせられるようになってきました。
英語のコミュニケーションでは未だにミッシェルに苦労かけっぱなしだけど、
・・・・いいんです。音楽で通じていれば(^-^;)


今回の曲はバーバーのチェロソナタ全楽章。

私はバーバーというと、
ピアノ曲の「エクスカーションズ」の印象が強すぎて、
楽しくて明るい曲を書く作曲家、というイメージだったのだけど、
このチェロソナタはそれとは全く対照的な渋ーーーーーーーい曲。
でも、お洒落な和音やメロディがいっぱい詰まった魅惑的な曲です。

ところで、バーバーはアメリカを代表する作曲家の1人。
日本人作曲家の作品は、日本人から聴くと、
(ああ、やっぱり日本的だな)、と思えるフレーズがあったりするけど、
バーバーの作品は、アメリカ人からすると、どういうところがアメリカ的なの?とミッシェルに聞いてみたところ、
それは「開離配置の和音」らしいです。

開離の和音とは、簡単に言うと、
たとえばC majorの和音が「ド、ミ、ソ」だとしたら
これを「ドミソ」のように、普通にくっつけて並べるのではなく、
一つずつ飛ばして
「ド、ソ、ミ」というように、間を空けたような開放された響きにしてあるのが
開離の和音(Open voicing)。

使ってる音は同じなのに、
並べ方を変えるだけで、
全然響きや印象が変わってくるものなのです。

開離和音の多用は、マーラーやブラームスなどの特徴という印象があったけど、
アメリカ人作曲家の特徴でもあったとは知らなかった!!

確かに、そう思って、改めてこのバーバーの曲を弾いてみると、
開離和音のあまりの多さに驚く。

へえええええええ面白い。


春頃から、少しずつ練習&本番を2人で積み重ねてきたこのバーバーだけど、
今日の本番では、今までで一番チェロとピアノの呼吸がぴったり合ってた気がする。

すごく久しぶりに、
「音楽って楽しいーーーーー!!」って心から感じながら演奏することができた。

最近、自分の修了リサイタル試験のための練習では、
ちゃんと弾くこと、何とかして仕上げること、
ばかりに気を取られていて、

こういう感覚、忘れていた気がするな。。。


正直なところ、ソロのリサイタル試験の直前に、
アンサンブルで別の試験があるのって、すごく気が重かったんだけど、

でも逆に、直前にこの試験があってミッシェルと一緒に演奏できたことで、
こういう「音楽」を楽しむ感覚、思い出すことができて、本当に良かった。

ありがとうミッシェル!!
by sayaka-blmusic | 2006-05-30 23:55 | ロイヤルアカデミー学校生活

芝生のチカラ

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今日は、今週金曜日のファイナルリサイタル試験のためのリハーサル。
本番が行われる学校内のメインホール「Duke's Hall」で、
1人あたり、それぞれ45分ずつ、事前にリハーサルをすることができます。

といっても、本番は70分のプログラムなので、
45分間のリハーサルで弾ける曲はそのうちの一部。
ラフマニノフと、モーツァルトを中心に通して、あっという間に終了・・・。

ううううう。。。。
モーツァルト、実際ホールで弾いて見ると結構コワい。。
ラフマニノフ間に合わない。。。。

焦る気持ちを抑えようと、
リハーサル後、帰り道のRegent's Parkでひとやすみ。
学校と我が家のちょうど中間にRegent's Parkがある感じです。

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楽譜の入ったカバンを枕にして、芝生にごろーーーんと寝っころがる。
きもちいい。。。。。。

太陽はまぶしくて暖かいのに、背中だけがひんやりする感じ。
地面すれすれのところからかぐ芝生の香り。


この感覚、

合計7年間通っていた、母校ICUのバカ山(本校舎前の芝生広場。何故か代々、通称「バカ山」と呼ばれてる)を、すごーく思い出します。
高校時代は、友達と秘密の相談がある時に、
大学時代は、レポートに行き詰った時に友達と現実逃避のために
しょっちゅう、あの芝生にごろーーーんとしに行ってたな。
あのバカ山、ICUの高校生、大学生のみならず、地元の人達にも
すっかり「三鷹の癒しスポット(?)」として愛されていた気がする。
芝生でランチ中の学生達に混じって、地元の子供たちがちょこちょこ走り回ってたり。


あの頃も、すごく思ったけど、
芝生って不思議な力があるよなぁ。。と思う。

時間がゆったりになって、
なんだか、頭の中の風通しまで良くなる感じ。


ロンドンって、
ここRegent's Parkはじめ、
Hide ParkやBattersea Park, Hamstead Heathなどなど
市民が自由に憩える大きな公園や芝生広場が、たくさんある。

ロンドンの全体地図を見たことのある方は、公園の占める割合のあまりの大きさに、
驚いた記憶がきっとあると思います。
ちなみに、ロンドンの市民1人あたりの公園面積は30.4㎡で、
これは東京23区内での数値と比較した場合の約10倍以上にあたるのだとか。

ロンドンに住む人達が、なんとなくゆったりして見えるのは、
この公園や芝生のチカラもあるのかもしれないなー。


今日(5月28日)は休日ということもあって、
家族連れがたくさん。

ファイナル試験が終わったらお弁当と読みかけの本もって、またゆっくり来たいな。
by sayaka-blmusic | 2006-05-30 23:28 | ロンドンでの日常生活

ラフマニノフ「音の絵」

ロイヤルアカデミーの修了リサイタル試験が、いよいよあと1週間にせまってきました。

曲目は以下の予定。合計約70分間のリサイタルプログラム。

ドビュッシー:プレリュードより「妖精パックの踊り」
         「喜びの島」

モーツァルト:ピアノソナタK.533/494(ヘ長調)全楽章

ラフマニノフ:「音の絵」Op.39 No.1~9 全曲


もちろん、どの曲も大好きな曲なんだけど、
この中で一番思い入れがあるのは、なんといってもラフマニノフの音の絵Op.39全曲。
そもそもこの「音の絵」を弾きたくてしょうがなくて、
それから他の曲を決めた感じです。

でも実はこの音の絵、実際に私が今までに弾いたことがあるのって、9曲中4曲のみで、
残りの5曲は、コンチェルト試験が終わった3月末以降の2ヶ月で
一気に(死にそうになりながら)譜読み&暗譜した感じなので、
弾きこんでない状態で9曲通すのって、本当にきつい。。。
しかも、ラフマニノフ弾く時って、
何故か他の作曲家の曲より10倍くらいエネルギーを使うんです。。
他の作曲家の曲を10分くらい弾いてる時のエネルギーを
1分で使い果たしちゃう感じ。

この間のレッスンで、初めて9曲全部暗譜で通して弾いたところ、
8曲目まではなんとか神経を持ちこたえていたのですが、
最後の最後の9曲目で大崩壊し、修復不可能になり、
エルトン先生に

「Your brain stopped.....?? (脳みそ停止したね・・・・??)」

と言われました。。。。;;



果たして、試験で崩壊せずに9曲弾き通せるか。。。。うううう。。。。


それでもどうしても弾きたいラフマニノフ。
大好きで大好きでしょうがないラフマニノフ。
ラフマニノフ中毒なんでしょうがないです。

映画のシャインで
主人公がラフマニノフを弾きながら失神しちゃうシーンがあるけれど、
その気持ち、分かる気がする。
ラフマニノフを弾いてる時とか聞いてる時って、
脳内に変な物質が分泌されてる(?)気がする。
意識と無意識ぎりぎりのところで弾いてる感じ。


ただラフマニノフの曲って、あまりに技術的に複雑な部分が多く、
そこに気を取られると、音の多さとやかましさばかり目立ってしまう危険性があるのだけど、
そこを一歩乗り越えた時には、
壮大なファンタジーの世界が、そこにある。

今回の「音の絵」も、ただの練習曲としてでなく、
まるで本当に「音の絵」を1ページずつめくるように、
イマジネーションとファンタジーに溢れた演奏ができたらな、と思っています。


9曲それぞれの今の時点での印象を
私自身のためのメモ代わりにも書き残しておこうと思います。
もしまだ聞いたことない方がいらっしゃったら、是非CDなどで聴いてみて下さい。
ホロヴィッツ、キーシン他色々ピアニストが録音を残しています。
本当に珠玉の名曲揃いです。

**************************************
さやか曲目解説(?)というかメモ
ラフマニノフ 練習曲 「音の絵」Op.39 No.1~9
(いくつかの作品には副題がついています)

第1曲: 

なんともいえない轟きで、この壮大な曲集が幕開けされます。
ピアノでない「何か」、が迫ってきて、また遠ざかったかと思うと、
すごい勢いで目の前に現れ爆発する。
小さい頃、風邪をひいたりして熱を出す前に、何故か必ず、
何か得体の知れない巨大なものが迫ってきたり遠ざかったりする夢を見てたんだけど、
あの感覚に近い。

このオープニングで「ピアノ」の楽器の音が聞こえてきちゃったら、
この曲集は「音の絵」ではなく「練習曲」になってしまうんだろうな。。。
まだ模索中です。


第2曲:「海とかもめ」
まさに「海とかもめ」!どこまでも無限に続く海と、「くうううう」と鳴きながら飛んでいるかもめの、ノスタルジックで寂しくてどこか恐ろしい風景。
ラフマニノフのこういうどこまでも淡々とした曲もホント好きだなぁ。。。
独特の緊張感が張り詰める中、
ハーモニーの色だけが少しずつ微妙に色を変えていく。
ベースの音で、ぽたーんと新たな色が水中に落とされ、
そこからハーモニーが、まるで色が水中でにじんでいくように広がっていく感じ。


第3曲:
弾き方によって、印象が180度がらりと変わってしまう不思議な曲です。
ガンガン弾いたら、それこそただの「練習曲」風になってしまうし。
ころころ変わるハーモニー、広がっていくアルペジョ。
曲全体がものすごい「マジック」に満ち溢れている気がする。


第4曲:
バロック風と、ゲーム音楽(電子音楽)風が混ざったような不思議なテイストの曲です。
ラフマニノフって何故かゲーム音楽風のパッセージが突然出てくることが多い気がする・・・。
ラフマニノフのコンチェルト「パガニーニの主題による狂詩曲」の21個目のヴァリエーションとかも、「ラスボス戦?!!」みたいな感じだし(笑)

それにしても色々な意味で重過ぎる曲が集まっているこの曲集の中で、
かなり異彩を放っている曲。


第5曲:
この5曲目だけで、一つの映画になっちゃうんじゃないかっていうくらい、ドラマが詰まった曲。
私は何故だかこの第5曲目は、ピアノコンチェルトを弾いてる錯角になるんです。
ピアノだけでなく、オーケストラと指揮者が見える気がする。
3ページ目の右手の単音テーマはいかにも「ピアノソロ」が始まる感じだし。
そして、ラスト前の低音部のテーマ部分は、
ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番の3楽章のラストのテーマにかぶってしまう。
(ソードーーーーシ(フラット)ーーソーーファーーソーーって部分)
ピアノが高音部の和音で伴奏、そして弦(特にチェロ)を中心としたオケ全体が
メロディを担当して引っ張っていく感じ。



第6曲:「赤ずきんちゃんと狼」
冒頭の迫る低音が狼のしのびよる音、つづいて聞こえてくる高音部の速いパッセージが、
赤ずきんちゃんが逃げているところ、らしいです。
いや、でも赤ずきんちゃんのお話、こんな恐ろしかったら子供みんな泣いちゃうと思うんだけど・・(笑)
それっくらいコワイ曲です。
特に、中間部の連続和音のあたりからは、
弾き手も聴き手も全員、ラフマニノフによってわしずかみにされ、散々振り回された挙句、
突然ぽいっと捨てられ、また赤ずきんちゃんの逃走が始まります。おそろしー。

第7曲:「葬送行進曲」
この曲がラフマニノフのピアノ曲で一番の傑作だと明言する人も多い位、
物凄い深い恐ろしいエネルギーを秘めた曲です。
エルトン先生いわく「inexorable death march(誰にも止められない死のマーチ)」
ラスト近くで、突然Major(長調)になって
まぶしいくらいの光に全身を打たれるような瞬間が出てくるのですが、
ここの部分は、最初聴いた時、全身鳥肌がたった。
そして360度鳴り響く鐘の音に包まれるんです。
何度聴いても、何度弾いても、この瞬間は、頭の中が光と鐘でいっぱいになって、
めまいでクラクラしそうになる。
iPodとかで外で聴くのは危険です。要注意。

最後はもう一度死のマーチに戻った後、突然全てが途切れる。


第8曲:
この曲、あまり有名じゃないけど、私的に一番好きな曲です。
美しすぎる・・・・・。
ラフマニノフの映画音楽風モード(?)の本領発揮曲。
特にラスト前のフォルテの盛り上がりから、
ふーーーっと力が抜けて、
E-flat majorの和音に変わるところ、
ああああもうこれだから私はラフマニノフ中毒になっちゃうのよーー(T T)
と泣きたくなるくらい切なすぎる。

第9曲:「東洋風行進曲」
いわずと知れた一番の有名曲。無茶苦茶かっこいい曲で、
ついイケイケガンガンで弾きたくなってしまうけど、
むしろ進みたいのに進めない「重さ」みたいなものをしょって弾いた時に、
迫力がかえって倍増するから不思議。
東洋風、とあるけれど、ラフマニノフさん、これはどう考えてもあなたの国の曲です。100%ロシア風。
ラストは色んな意味で失神寸前です。
by sayaka-blmusic | 2006-05-26 20:17 | ラフマニノフについて

4方向穴あきストロー?!

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学校の近くのBaker Street駅の売店で何気なく買った、
紙パックのマンゴージュース。
付属のストローを袋から出そうとしたら、

あれ・・・?

なんか違う。

飲み口の先っぽの部分が、
まるで子供がストローの先を噛んでつぶしちゃったみたいに、
先が閉じちゃってる。

で、かわりに、
先端付近に、上下左右、四つの小さい穴が開いている。

へええと思って紙パックに挿して、一口飲んでみると、

!!

マンゴージュースが口の中に4方向にぴゅーっと広がって、
すごーく美味しい(ように感じる!!)

これは驚きです。
日本でもこういうストローの特許ってもうあるのかしら・・?

パックの裏に、このドリンクの特徴の一つらしい、
この穴あきストローの説明が書いてある。
「Taste enhanceing sensory straw」
なるものらしい。

へええええ。

ちなみにこのジュースは、
Rubiconというメーカーのものなんだけど、
公式サイトがダウンしているようなので、
上の写真は、画像検索でひっかかった、同じようなストローの写真。
こっちはTetra Pakというメーカーのものらしいです。
↓ソース
http://www.foodproductiondaily.com/news/ng.asp?id=29073-tetra-pak-launches

って私、このブログ、音楽の話以外は、食べ物の話ばっか書いてる気がしてきた・・・;;
by sayaka-blmusic | 2006-05-20 22:02 | ロンドンの不思議

モーツァルトの連弾

先学期から参加している、
ロイヤルアカデミー特別プロジェクトの
「Mozart Project」。

モーツァルトの生誕250周年にちなんで、アカデミーで行われているこのプロジェクトは
モーツァルトの作品を毎週いくつかピックアップし、
先生を含めて皆で演奏&ディスカッションしながら、
従来にないモーツァルトの弾き方を探求していこうという趣旨で行われている
4~6人の少人数制プロジェクトの授業。
学期の最後に、成果の発表として一般公開のコンサートが行われます。

先学期は、
バイオリン科の生徒とピアノ科の生徒が数人ずつ参加し、
モーツァルトのソナタ for violin & piano を
ひたすら週代わりでどんどん演奏&ディスカションしていくというのをやったのだけど
(↑すっごい良い勉強になりました・・・色々な人とその場で組んで弾くのもいい経験になったし、何しろモーツァルトのバイオリンソナタって名曲多すぎ!!)

今学期のテーマは
「モーツァルトのピアノソナタ&ピアノ曲」
ということで、
ピアノ科の生徒のみが参加。

今週の授業は、
「モーツァルトの連弾曲」
がテーマだったので、
生徒4人と先生で、各パートを交代しながら、
モーツァルトの連弾曲集を、
全曲初見大会!!

ちなみに、今人気沸騰の大人気クラシック漫画「のだめカンタービレ」の1巻で
「モーツァルト 2台のピアノのためのソナタニ長調K.488」を
千秋とのだめが初見で演奏してた時にも千秋が言ってたけれど、

色々な作曲家の連弾曲や2台ピアノ用の曲がある中、
モーツァルトの曲は、シンプルなだけに本当に難しい。

揺るがない「美」が曲自体の中にある感じ。

それに、連弾ならではの4手それぞれの対話やかけあいも、
驚く位、完璧に構成されていて、
これが、難しいけれども本当に楽しい!

しかも、初見(その場で楽譜を見て演奏すること)だと尚更、
自分たちでも予想してなかったような対話や響きが聞こえてきて、
音を追いながらも、わくわくが止まらない。

かけあいの後、4手がピタっと揃ってクライマックスを迎える時の醍醐味ったらたまりません。

モーツァルト、やっぱり天才なんだなぁとしみじみ思ってしまう。



モーツァルトといえば、
先日、ロイヤルアカデミーのVisiting ProfessorのSatz氏に
モーツァルトのソナタK.533/494(ヘ長調)をレッスンしてもらった時に、

モーツァルトを弾く時は絶対何かを「やろう」としないで。
「Do」じゃなくてただ「Feel」するんだよ。

という言葉がすごく印象に残りました。

確かに、モーツァルトを弾いている時って、
一つ一つのフレーズの歌いまわしや、効果付けのためのアクセントなど、
あえて「Do」しようとした途端に、
まがいものの骨董品のような音楽になってしまう。



「モーツァルトは子供には易しすぎる、
大人には難しすぎる」

というシュナーベルの言葉があるけど、

それは、
大人になるに従って、
Feelしたものを音に出すまでの間に、
心の中に、色んな余計なフィルターを、
無意識のうちに加えすぎていってしまうからなのかもしれないな、と思う。


モーツァルトの本番まであと2週間。
ただ今フィルターの除去作業中です^^;
by sayaka-blmusic | 2006-05-18 04:16 | ロイヤルアカデミー学校生活

モチベーションを作る -5歳の男の子から学んだこと-

昨日、5歳の男の子、Sくんのレッスンをしていた時のこと。

ピアノをはじめたばかりのSくんは、
まだ一緒に音符を読みながら譜読みしてあげないと
新しい曲がひけない。

アルプス一万尺(こっちだとYankee Doodleとかいう題名になってる)
のメロディを「ド、ド、レ、ミ、ド、ミ、レ、ソ」
と一緒に一音ずつ歌いながら譜読み。

やっと最後まで行き着いて、
それじゃもう一回やってみようか、ということになる。

普通だったら、このくらいの年齢の男の子だったら、
「ええええ、もう一回?やだーー」
とか
「何回ひけば終わり?!」
とかなりそうなところだけど、

Sくん、なにやら
楽譜の1段目の最後と2段目の最後に怪獣の絵を書き出した。

あ、こらこら、楽譜にお絵かきしちゃだめーと喉まで出かけたところで、Sくん

「ぼくね、この怪獣たおすの。
いちだんめが、かんぺきに2回ひけたら、怪獣の手をたおせるの。
で、3回ひけたら足をたおせて、4回ひけたらあたまもたおせて、やっつけられるの。」

!!!

「でね、いちだんめの怪獣たおしたら、にだんめの怪獣たおしにいくの。
こっちはつよいから、5回ひかないとだめなの」

!!!!!!!!!

で、結局、
私が「もう一回弾きましょうねー」とか一言も言わないまま、

Sくんは自ら喜び勇んで、
「じゃ、かいじゅうたおしにいってきまーす」

もくもくと何回も、完璧に弾けるまで繰り返し弾き始めた。

ちゃんと弾けるたびに
「手、たおせたーー」
とか
「足、たおせたーーーわーーい!」
とか言いながら、
怪獣の手の部分とか足の部分に
「たおせた印」の×マークを書きこんでいく。

いやーーーーーすごい。
すごいの一言です。


大人が
「上手くひけたら、ごほうびでこれあげるねー」とか
物で釣って、
モチベーションを高めてあげるならともかく、

5歳の男の子が、
こちらが何も言わないのに、
自分でモチベーションを高めて楽しくできるために
(って本人はその意識ないんだろうけど)
自分だけの方法を編み出してしまうなんて。

無事、目標の二段目のボスまで倒し終わると、
Sくん、また新しい怪獣を書き出して、

「この怪獣は大ボスだから8回ひけないと倒せないの。
来週たおすのー」

・・・・・・。
参りました。感服です・・・・。


きっとこの子は
勉強でも何でも、
無意識のうちに、自分がやる気になって楽しく出来る方法を
見つけ出す才能をもってるのかもしれないな・・・。

大人になってもずっとその感覚なくさず、持ち続けてほしいな、
と思います。


小さい子供たちから学ぶことって、
本当にたくさんあります (^-^)
by sayaka-blmusic | 2006-05-11 21:07 | ロンドンでの日常生活

スモークニシン → 鯛茶漬け!

4月15日のブログでご紹介した
スモークサーモンならぬ、「スモークさば(Smoked Mackerel)」。

読んで下さった方の何人かから、
「Smoked Kipper (スモークニシン)」もおいしいという情報を頂き、
早速試してみました。

ロンドン内のスーパーどこにでも売っていて、
250グラム入りで1パック84ペンス(170円くらい)。
スモークさばの半額位。激安です。。

バターが一緒に入っていて、
温めればすぐに食べれるようになっています。

温めてそのまま食べてもバターの風味とスモークの香りが溶け合っておいしかったんだけど、

ふと思いついて、
ほぐしたスモークニシンとお茶漬け海苔(日本食材屋に売ってる)で、
お茶漬けにしてみたところ、

なんと 「鯛茶漬け」 の味に!!!!!

本当です。超意外!

って、私自身「鯛茶漬け」なるものの味の記憶があいまいなので、
なんともいえませんが、

とにかく、こんな格安魚が、かなり高級(そう)な味になって、
「さっぱりこってり」してておいしーーーー。


知り合いの方からの情報では、ロンドン内ではスモークたらこも売ってるそうで、
こちらもお茶漬けにするとおいしい、とのことなので、
今度試してみます。

それにしてもイギリスって、何でもかんでもスモークにするのね・・・・;

(※一応実物の写真を撮ったのですが、なんとも気持ち悪く撮れてしまったので
掲載却下しました・・)
by sayaka-blmusic | 2006-05-10 21:08 | ロンドンでの日常生活

ブルガリア人にとってのヨーグルト

ブルガリア系イギリス人Nさんと、ロンドン内のトルコ人街でトルコ料理(のファーストフード)を食べてた時のお話。

トルコってブルガリアの隣国なので、
料理とか共通するものもあったりして、ブルガリア人にとってはなじみやすいらしい。
日本人が韓国料理に馴染みやすいのと似たような感じかしら。

Nさん、まずはAyran(アイラン)という飲み物を注文。
なんと50ペンス(約100円)。マックのジュースより安い。
アイランはトルコの代表的なドリンクで、
ブルガリアでも似たようなものが飲まれているらしい。

「ヨーグルトドリンクみたいなもの。すごいおいしいよー」
とすすめられ、私も試しに注文してみる。

一口飲んでみると、
確かにヨーグルトの味はするんだけどかなり酸っぱい。
「飲むヨーグルト」から甘味を全て排除した感じです。

そしてNさん、これを入れると美味しいよーと言いながら
そのヨーグルトドリンクに、パッパッと振りかけたものは、

なんと


コショウ!!!!!( ̄△ ̄;)!

さらに

「これも入れるともっと美味しい」と言いながら満足気にまぶしたものは


赤唐辛子!!!!!!!( ̄ロ ̄lll) !!


ヨーグルトドリンクにコショウ?!唐辛子?!
意味が分からない・・・・。




で、はたと気づいたんだけど、
そういえばこのドリンク、もともと酸っぱいだけじゃなくてしょっぱい!
聞いてみたところ、アイランって、ヨーグルトを水に薄めたものに塩を混ぜたドリンクらしい。

日本人の私には
ヨーグルトドリンク=「明治の飲むヨーグルト」=甘いもの
という図式が脳内に出来上がってしまっているので、
塩だコショウだを加える意味がさっぱり理解できない、


でもものは試しと思って、コショウも唐辛子も両方入れてみたら、
これが超意外なことに結構合う。
コショウとか入れることで、ヨーグルトの酸っぱさが和らいで逆にまろやかになるのです。
あとちょっとピリリとすることで炭酸っぽい感じになる。

でもって、これがケバブ(トルコの肉料理)とすごく合うのです。
不思議なことに。


トルコもブルガリアも、
何の料理にでもヨーグルトを頻繁に使うらしい。
ヨーグルトソースとかヨーグルトあえとか。


ところでこのNさん、日本にも旅行に言ったことがあるらしいのですが
日本のスーパーで売られているブルガリアヨーグルトは
母国ブルガリアのヨーグルトより美味しかったらしい。

しかしNさんいわく、

「なんで日本のブルガリアヨーグルトはフタの裏にsugarのパックが張り付いてるの?
砂糖はいらない。」

とのこと^^;


でも、お寿司にしても、海外のおすし屋さんやお寿司パックには
必ずアボガドが入ってる商品があるし(もともとは生魚が食べれない人やベジタリアン用だろうけど)、
本場の食べ方と、世界各国に広まった食べ方って、必ずしも同じじゃないんですね。

しかもお寿司の場合、それが「カルフォルニアロール」として逆輸入されて
日本国内でも人気になるっていう不思議な現象まで起きてるし。

うーん面白い。
by sayaka-blmusic | 2006-05-02 18:11 | ロンドンの不思議