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英国王立音楽院日本オーディション

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母校の英国王立音楽院(Royal Academy of Music)の2018年度9月入学オーディションが今年11月に開催されます。

英国王立音楽院の入学オーディションは、世界10カ国で開催され、日本でも受験することができます。(今年は東京の松尾ホールにて開催)

わざわざ入試のためにイギリスに行かずとも、日本でチャレンジをすることができ、オーディションのために来日する現役のロイヤルアカデミーの教授陣に直接演奏を聴いてもらい、面接を受けることができます。また国内に日本センターがあり、各種問い合わせも日本語で丁寧に対応頂けるので安心!

お友達やご親戚などで、ロンドンへの音楽留学を考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひお伝え頂ければと思います!
by sayaka-blmusic | 2017-07-17 18:09 | ロイヤルアカデミー学校生活 | Comments(0)

ロイヤルアカデミー、プチリニューアル??!

卒業以来、なかなか立ち寄る機会がなくなってしまった母校、ロイヤルアカデミーオブミュージック。

この間、今現在アカデミーに在校中の友達から、

「最近、アカデミーの玄関、リニューアルしてて、すごいよ!
ドバイのホテルの入り口みたいになってるよ!!!」

との噂を聞きびっくり。

何せ、私が居た頃のアカデミーの正面玄関は、(え??ここ、本当に正面玄関?裏口じゃ…?)と思う位の古ーーーい玄関だったので、全く想像が付かず。

昨日、ちょうど用事で近くを通りかかったので、
その「ドバイのホテルの玄関」を一目見るべく、立ち寄りました。


すると、


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!!!


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確かに!!!!

入り口だけ素晴らしくギンギラギンになっている!!



そして、一歩中に入ってふと横を見ると、

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相変わらず超ボロボロのレトロな木製エレベーター(イギリスではLift)。

これ、何度かこのブログにも登場しましたが、
イギリスですら今時珍しい古———いタイプの木製です。

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こんな風に、手動でぎーーーっとドアを開けて中に入ります。
アカデミーに入学した当初、初めてこのドアを見た時は、完全に倉庫か何かだと思ったので、突然中から人がわさわさ出て来た時は腰抜かしそうになりました。

一週間に最低一回は何らかの故障が起きて止まっている、悪名高きボロボロエレベーター。入り口のキンキラキンの前に、このエレベーターをリニューアルした方がいい気が…。最新のものと、最古のものが共存する空間、ある意味とってもロンドンらしいです。



ところで、最近、ロンドンへの日本人音楽留学生の数が全般的に減って来てしまっているのだそうです。学費の安い(もしくは無料の)ドイツなどの音大に比べ、イギリスの音大はかなり学費が高いことなども一つの理由だけれども、それに加えて「のだめ効果」で、フランスの音楽院が大人気なんだとか。

世界各国からの人々がひしめく「小地球」ロンドンならでは色々な刺激、ヨーロッパで唯一の英語圏、ヨーロッパ各都市どこでも行きやすい、など沢山のメリットもあるので、是非これから再び、ロンドンへの音楽留学生も増えて欲しいなぁと思います。
by sayaka-blmusic | 2010-02-02 08:46 | ロイヤルアカデミー学校生活

久しぶりの母校ホール

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ロイヤルアカデミーオブミュージック(英国王立音楽院)大学院のバイオリン科コンチェルト試験の伴奏で、久しぶりに母校のホールで演奏してきました。

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会場はロイヤルアカデミーのメインホール、Duke's Hall。
卒業してからは殆ど来る機会がなかったのですが、在学中は、自分自身のコンチェルト試験や卒業試験、友達の伴奏などで何度も演奏した思い出のホールです。

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このホールで演奏するのは、2年前にチェロのMichelleの卒業試験でブラームスのチェロソナタを弾いた時以来なので、かなり久しぶりになります。

今回伴奏させて頂いたのは、バイオリニスト原田亮子さんの伴奏で、チャイコフスキーのバイオリンコンチェルト第1番。ちなみに「のだめカンタービレ」のヨーロッパ編で千秋が指揮者コンクールの最終審査で指揮をした、「ラッラ~~ソファラドソ~ラソ~~」という、あの名曲です。

今でこそ、ドラマに使用される程に超有名な曲ですが、完成した当時は、チャイコフスキーがこの曲を捧げた大ヴァイオリニスト、アウアーから、「バイオリンソロパートが難しすぎて演奏不能」と烙印を押され、楽譜を受け取り拒否されたんだそうです・・・( ̄□ ̄;)  しかも初演ではオーケストラもやる気がなく酷いな演奏で、初演の批評は散々な酷評だったのだとか。なんだかラフマニノフの交響曲1番の初演エピソードと似ています。

原曲はバイオリンとオーケストラで演奏される曲ですが、音大のコンチェルト試験では、全生徒にオーケストラ付きで審査する訳にもいかないので、通常オケパートをピアノが演奏する形で試験が行われます。
こんな風に、バイオリンやチェロなどのコンチェルト伴奏で「一人オーケストラ」を経験できるのも、ピアノの醍醐味だなぁ・・と思います。

バイオリンの原田亮子さんの演奏も、伴奏していてうっかり聴き入りそうになってしまうほど深い音で素晴らしく、本番は無事終了。ラフマニノフとも深い関係にあるチャイコフスキー(ラフマニノフにとって、チャイコフスキーはモスクワ音楽院時代の大先生でした)の代表作の一つでもあるこの名曲を、彼女と一緒に、久しぶりに母校のホールで演奏できて、とても幸せなひと時でした。



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ところで久しぶりに行った学校は、入り口にデジタル掲示板が出来ていたり、学食がオンラインで予約出来るようになっていたりと、急にハイテク化されていて驚きました!

日本人からすると、学校の掲示板がデジタルでも、珍しくもなんともないのですが、
何せ1823年に創立されたイギリスで最も古い音楽学校。校舎をはじめ、未だに化石のような古い設備を使い続けているロイヤルアカデミーにとっては驚きの進化です!!

練習室の予約も、ネットワーク化されたシステムがあって、学校内色々なところに設置された端末から、予約できるようになっていました。これも私の在学していた3年前にはまだ無かったシステムです。

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とはいってもエレベータ(リフト)は、未だに手動でドアを開ける木製式(入学した頃衝撃を受けました)。在校生の話によると、相変わらずしょっちゅう壊れているみたいです。
電光掲示板の前に、こっちを直した方がいいような気がするのだけど。。。。

古いものを大切に(?)しつつ、
変なところだけ最先端技術を取り入れるアンバランスさは、ある意味イギリスらしいな・・^^;、と思います。

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メイン校舎正面にあるステンドグラスと螺旋階段。
きっとこの建物が建った100年以上前からずっと変わっていない景色です。
ここを下から見上げると、ちょうど4年前に初めてロイヤルアカデミーに足を踏み入れて、
ここでこれから勉強するんだ・・という不安と期待で、ドキドキしていた感覚を思い出します。
by sayaka-blmusic | 2009-03-27 21:11 | ロイヤルアカデミー学校生活

卒業式!!

6月29日。今日はロイヤルアカデミーオブミュージック(英国王立音楽院)の卒業式でした。
ついこの間、入学したばかりのような気がするのに、気がついたらもう卒業。
本当にあっという間の、でも本当に充実した一年間でした。

私の在籍していた大学院過程Performance Diplomaコースは
通常2年間のコースなのですが、
規定の試験さえ全てパスすれば1年で卒業することもできるので、
2年目はコンクールやコンサート等、イギリスにいながら色々なことにフリーな状態で挑戦してみ年に充てたいと思い(&2年目の学費節約の為)
色々悩んだ末、1年での卒業を選択しました。

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卒業式の会場はアカデミーの真正面にあるSt.Marylebone Parish Churchという大きな教会。これまでは(大きな教会だなぁー)と思いつつも中に入る機会がなく前を通り過ぎるだけだったので、足を踏み入れるのはこれが初めて。
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Anglican Church独特の、カトリックとプロテスタントが融合したような独特の雰囲気の装飾で、天井などもとても美しいです。

ロイヤルアカデミーブラスアンサンブル(管合奏)とオルガンの音色で卒業式がいよいよ幕開け。

滅多に聞けないブラスアンサンブルとパイプオルガンの荘厳な融合、

に聞きほれる余裕もなく、

私がひたすら気になっていたのは、
慣れない黒ガウンと四角いハット。。。

ガウンからかぶせる赤と黄色のフードが肩幅と合わなくて
戻しても戻しても、どーーーしても肩からずり落ちまくりる。
頭のハットもサイズが合わず、ピンで留めてもすぐ落ちる。

落下防止のため必死に頭を傾けないように平行に保ってたら、
だんだん頭が痛くなってきた上に、三半規管がおかしくなってきたのか気持ち悪くなってきた。うーー。

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学部卒業生、大学院卒業生、1人1人名前が呼ばれて卒業証書が手渡されていく。
このあたりは日本の卒業式ととてもよく似ています。

卒業生は大学、大学院全て含めて200人くらい。
普段はピアノ科とせいぜいバイオリン科やチェロ科の人としか交流がないので、
こんなにアカデミーにはたくさん学生がいたんだと今更ながら驚く。
ミュージカル科、メディア&応用音楽科、ジャズパーカッション科、などなど
クラシック以外の分野の音楽学生もたくさんいる。
もしもう一年在籍していたら、こういうクラシック専攻以外の人達ともコラボレーションしてみたかったな。。。

卒業証書授与の合間には、過去にロイヤルアカデミーを卒業して現在活躍している有名アーティスト達に贈られる賞の授賞コーナーもありました。
今年はRock界で活躍しているAnnie Lennox(アカデミーの学生だった時はなんとフルート専攻だったらしい!)「ノッティングヒルの恋人」の映画サウンドトラックなどを担当したTrevor Jones氏(アカデミー作曲科の卒業生)などが受賞。
私は恥ずかしいことに殆ど名前を知らなかったのでへぇーと思って拍手してただけだったのですが、周りのみんなは立ち上がって写真を撮ったり歓声上げたり大騒ぎ。


卒業式のラストのプログラムは、
Outstanding studentships in 2005/2006の発表。
今年の卒業生の中から特に優秀だった生徒何人かに対し、賞が贈られるのですが、
The Vice-Principal's Special Award(副校長特別賞) で
「Sayaka Matsumoto!」
と呼んで頂いた時は、本当に本当に嬉しかったです。

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ずり落ちるフード&ハットと格闘しながら受賞。。
特にファイナルリサイタルでの演奏を評価して頂けたみたいです。
大好きなラフマニノフで評価して頂けたのは、やっぱり何より嬉しかったです。

ちなみに、全学科全コースの中で一位の卒業生に与えられる
「The Queen's Commendation for Excellence」(女王の推賞)は
バスーン(ファゴット)科のChristopher Cooperさんが受賞されました。



卒業式が終わって教会の外に出ると、ロンドンでは珍しいくらいの一面の青空。

ああ、これで本当に終わったんだな・・・卒業なんだなぁ、と実感。

今まで、小学校、中学校、高校、大学といくつもの卒業式を経験してきたけれども、
こんなに頭の中に「感謝」の二文字が溢れてきたのは初めて。

慣れない初めての海外生活も、ロイヤルアカデミーでの学校生活も、
本当に色々な人に支えてもらったお陰で、何とか一年間生き延びてこれたんだな、と思います。

本当に素晴らしいレッスンをし続けて下さった担当教授のChristopher Elton先生や、
特別教授のSatz先生、モーツァルトを特訓してもらったDaniel-Ben Pienaar先生、
室内楽のMicheal Dussek先生、
日本から見守ってくれていた家族や友達、
イギリスに来てからずっと支えて応援してくれた方々や、出張レッスンで教えている子供達、
ブログのコメントやメールを通していつも応援の言葉をかけて下さった方々、
本当に本当に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

私自身は今後はまだしばらくロンドンに滞在して、
個人レッスンでピアノの勉強をしたり、子供達へのレッスンの仕事を続けながら、
ヨーロッパ内のコンクールに挑戦したり、色々なメンバーと室内楽を演奏していきたいと思っています。

当面の目標は9月末のイタリアのコンクール。
国際コンクールは2001年の仙台国際コンクール以来なので本当に久しぶりですが、
なんていうか、今までともまた違う新しい気持ちで挑戦できそうな気がする。


まだまだ先の見えない手探りの人生だけど、
いつでも感謝の気持ちを忘れずに、
今しかできないことを精一杯、頑張っていきたいと思っています。
by sayaka-blmusic | 2006-06-30 23:46 | ロイヤルアカデミー学校生活

ファイナルリサイタル直前 悶絶日記 No.2 「バーバーチェロソナタの本番その2」

昨日の本番に続いて、今日もミッシェルとアンサンブルの本番。
昨日は私とミッシェルのアンサンブルの試験、今日はミッシェル自身の個人試験のため、
ということで、微妙に違う種類の試験なのです。

それにしてもこの1週間は試験だらけで死んでしまいそう。。。。
今週一週間は学期末ということで、どの楽器専攻も試験期間中なのです。
生徒も大変だけど、一週間まるまる朝から晩まで審査している教授陣も相当大変だろうな・・・;;


今日の曲目も、昨日と同じバーバーのチェロソナタ。
昨日は全楽章だったのだけど、今日は1楽章のみ。

昨日あれだけ上手くいったのだから、今日も上手くいくはず!と思っていたのだけど、
不思議なことに二人とも昨日より緊張してしまい、
大きなミスはなかったものの、なんだかスッキリしないまま演奏を終えてしまった。。。

う。。。。
すごーーく悔いが残る。


終わった後は、学校の練習室で、
ソロの修了リサイタル試験の練習に集中。

でも最近のあまりの練習量の急激な増加に
手がびっくりしてしまったらしく、
指の先から手首、ひじ、肩まで、
全ての関節が筋肉痛で悲鳴を上げている。

モーツァルトのソナタやドビュッシーはまだいいんだけど、
特にラフマニノフの「音の絵」Op.39 No.1~9は、
何時間も全曲を繰り返し弾き続けることは、手にとっては拷問と同じ。

夜9時、手がだんだん限界に近づいてくる。

でも、練習してないと不安で不安で、1分でも長く練習していたい気分。

練習を取るか、手の安静を取るか。。。

夜10時、練習をこれ以上続けることは、手にとって危険だなと思って、
あきらめて家に帰る。

家に着いて、水を飲もうとコップをにぎると、
コップをにぎる動作でさえ、手の筋肉に痛みが走る。

ふと、
まるで何かの不安を消したいかのように、
こんなにガンガン手痛くなるまでだけ必死にやる練習って、
なんか違うんじゃないか、と思い始める。。。

夜、「創造性レッスン」(4月26日の日記)で書いた友達Barryから久しぶりに携帯メールが。

「Good luck with your exam performance this Friday!
Remember, that the piano is your home where you must release
your spirativity freely!」


じーーーーーーーーーーん。。。。。

(このspirativityってBarryの造語??
spirit + creativity ?? でもすごいニュアンス分かる気がする。。)

そうだよなぁ。。。

イメージとか、気持ちやエネルギーの表現とか、
本番が近づくにつれて、どんどんそこから逆方向に行く練習になっちゃいがちだけど、

一番大事なのは、
音楽で何が伝わるか、何を表現したいか、だものね。

お客さんは、誰も
「ちゃんと弾いた音楽」なんて求めてない。


感動する音楽、伝わる音楽。

すぐ忘れそうになってしまうけど、
一番大事なこと。
by sayaka-blmusic | 2006-05-31 20:58 | ロイヤルアカデミー学校生活

ファイナルリサイタル直前 悶絶日記 No.1 「バーバーチェロソナタの本番」

今日は1月のプレゼンテーションでも共演したアメリカからの留学生、チェリストのミッシェルとの、アンサンブルの本番。
かれこれ室内楽パートナーになってからもう半年。
最近では、お互いの呼吸や間合いも、かなり自然と分かって合わせられるようになってきました。
英語のコミュニケーションでは未だにミッシェルに苦労かけっぱなしだけど、
・・・・いいんです。音楽で通じていれば(^-^;)


今回の曲はバーバーのチェロソナタ全楽章。

私はバーバーというと、
ピアノ曲の「エクスカーションズ」の印象が強すぎて、
楽しくて明るい曲を書く作曲家、というイメージだったのだけど、
このチェロソナタはそれとは全く対照的な渋ーーーーーーーい曲。
でも、お洒落な和音やメロディがいっぱい詰まった魅惑的な曲です。

ところで、バーバーはアメリカを代表する作曲家の1人。
日本人作曲家の作品は、日本人から聴くと、
(ああ、やっぱり日本的だな)、と思えるフレーズがあったりするけど、
バーバーの作品は、アメリカ人からすると、どういうところがアメリカ的なの?とミッシェルに聞いてみたところ、
それは「開離配置の和音」らしいです。

開離の和音とは、簡単に言うと、
たとえばC majorの和音が「ド、ミ、ソ」だとしたら
これを「ドミソ」のように、普通にくっつけて並べるのではなく、
一つずつ飛ばして
「ド、ソ、ミ」というように、間を空けたような開放された響きにしてあるのが
開離の和音(Open voicing)。

使ってる音は同じなのに、
並べ方を変えるだけで、
全然響きや印象が変わってくるものなのです。

開離和音の多用は、マーラーやブラームスなどの特徴という印象があったけど、
アメリカ人作曲家の特徴でもあったとは知らなかった!!

確かに、そう思って、改めてこのバーバーの曲を弾いてみると、
開離和音のあまりの多さに驚く。

へえええええええ面白い。


春頃から、少しずつ練習&本番を2人で積み重ねてきたこのバーバーだけど、
今日の本番では、今までで一番チェロとピアノの呼吸がぴったり合ってた気がする。

すごく久しぶりに、
「音楽って楽しいーーーーー!!」って心から感じながら演奏することができた。

最近、自分の修了リサイタル試験のための練習では、
ちゃんと弾くこと、何とかして仕上げること、
ばかりに気を取られていて、

こういう感覚、忘れていた気がするな。。。


正直なところ、ソロのリサイタル試験の直前に、
アンサンブルで別の試験があるのって、すごく気が重かったんだけど、

でも逆に、直前にこの試験があってミッシェルと一緒に演奏できたことで、
こういう「音楽」を楽しむ感覚、思い出すことができて、本当に良かった。

ありがとうミッシェル!!
by sayaka-blmusic | 2006-05-30 23:55 | ロイヤルアカデミー学校生活

モーツァルトの連弾

先学期から参加している、
ロイヤルアカデミー特別プロジェクトの
「Mozart Project」。

モーツァルトの生誕250周年にちなんで、アカデミーで行われているこのプロジェクトは
モーツァルトの作品を毎週いくつかピックアップし、
先生を含めて皆で演奏&ディスカッションしながら、
従来にないモーツァルトの弾き方を探求していこうという趣旨で行われている
4~6人の少人数制プロジェクトの授業。
学期の最後に、成果の発表として一般公開のコンサートが行われます。

先学期は、
バイオリン科の生徒とピアノ科の生徒が数人ずつ参加し、
モーツァルトのソナタ for violin & piano を
ひたすら週代わりでどんどん演奏&ディスカションしていくというのをやったのだけど
(↑すっごい良い勉強になりました・・・色々な人とその場で組んで弾くのもいい経験になったし、何しろモーツァルトのバイオリンソナタって名曲多すぎ!!)

今学期のテーマは
「モーツァルトのピアノソナタ&ピアノ曲」
ということで、
ピアノ科の生徒のみが参加。

今週の授業は、
「モーツァルトの連弾曲」
がテーマだったので、
生徒4人と先生で、各パートを交代しながら、
モーツァルトの連弾曲集を、
全曲初見大会!!

ちなみに、今人気沸騰の大人気クラシック漫画「のだめカンタービレ」の1巻で
「モーツァルト 2台のピアノのためのソナタニ長調K.488」を
千秋とのだめが初見で演奏してた時にも千秋が言ってたけれど、

色々な作曲家の連弾曲や2台ピアノ用の曲がある中、
モーツァルトの曲は、シンプルなだけに本当に難しい。

揺るがない「美」が曲自体の中にある感じ。

それに、連弾ならではの4手それぞれの対話やかけあいも、
驚く位、完璧に構成されていて、
これが、難しいけれども本当に楽しい!

しかも、初見(その場で楽譜を見て演奏すること)だと尚更、
自分たちでも予想してなかったような対話や響きが聞こえてきて、
音を追いながらも、わくわくが止まらない。

かけあいの後、4手がピタっと揃ってクライマックスを迎える時の醍醐味ったらたまりません。

モーツァルト、やっぱり天才なんだなぁとしみじみ思ってしまう。



モーツァルトといえば、
先日、ロイヤルアカデミーのVisiting ProfessorのSatz氏に
モーツァルトのソナタK.533/494(ヘ長調)をレッスンしてもらった時に、

モーツァルトを弾く時は絶対何かを「やろう」としないで。
「Do」じゃなくてただ「Feel」するんだよ。

という言葉がすごく印象に残りました。

確かに、モーツァルトを弾いている時って、
一つ一つのフレーズの歌いまわしや、効果付けのためのアクセントなど、
あえて「Do」しようとした途端に、
まがいものの骨董品のような音楽になってしまう。



「モーツァルトは子供には易しすぎる、
大人には難しすぎる」

というシュナーベルの言葉があるけど、

それは、
大人になるに従って、
Feelしたものを音に出すまでの間に、
心の中に、色んな余計なフィルターを、
無意識のうちに加えすぎていってしまうからなのかもしれないな、と思う。


モーツァルトの本番まであと2週間。
ただ今フィルターの除去作業中です^^;
by sayaka-blmusic | 2006-05-18 04:16 | ロイヤルアカデミー学校生活

ロイヤルアカデミーの宿題 「セルフプロデュース」

今学期の授業や試験が無事全部終わり、イースターホリデー期間に入りました。

今学期は、

・演奏プレゼンテーションのトーク入り試験
    (ラフマニノフのチェロソナタwithミッシェル)
・ソロの演奏試験プラットフォーム
    (風邪で延期になっていたのですが3月に無事終わりました^^ 
     シューマンのファンタジーを演奏)
・Satz氏の公開マスタークラス
    (ラフマニノフ、音の絵から3曲を演奏)
・モーツァルトプロジェクトへの参加
    (ピアノ3人バイオリン3人+先生で、毎回違うバイオリンソナタを練習して発表し、
    意見を述べ合いながら、従来の枠を越えたモーツァルトの弾き方を探求しあう
    プロジェクト。モーツァルトのバイオリンソナタ第一巻を週代わりで全曲演奏)
・チェロ&ピアノの学内プライズへの参加
    (バーバーのチェロソナタwithミッシェル)
・ピアノコンチェルト試験
    (ラフマニノフ、パガニーニラプソディを演奏。同門下の先輩であるピアニスト、
    今井正さんに完璧なるオケパートを弾いて頂いて本当に光栄でした m(_ _)m )

そして大量の提出物、などなど本当に盛りだくさんの充実した学期でした。


ところで、ロイヤルアカデミーの課題や提出物は本当にユニークで、
日本の音大だと絶対ありえないものばかり。

今学期の提出物の一つで、今学期中のプレゼンテーションの授業の中から14組の演奏を選び、それに対しての批評を提出する、という課題がありました。新聞や雑誌の批評欄での演奏批評のような感じで、それぞれの曲に対し、演奏面、ステージマナーなど多方面からの批評を詳細に書く。これを14人分書いて提出。

誰か一人についての批評をじっくり書いてみるというのは日本語ですら今まで一度もなかったし、それを14人分というのはかなり大変だったけど、本当に良い経験になった。
演奏家を目指している生徒達は、今後常に「批評される側」として生きて行く宿命を背負っている。それを、反対の「批評する側」にあえてまわってみるというのは、自分自身の演奏を見直す上でも、とてもおもしろい体験です。


あと、売り込みの手紙の作成という課題もありました。
コンサートプロモーターや音楽事務所へ、自分をアーティストとして売り込むレターを作成して提出。これも全員に課される課題。

しかも自分で実際にどこに宛てて出すかも調べて各自決め、モックでなく本物としてつくらなきゃいけない。手紙には、CV(正式な経歴書)や、プロモーション用の写真やCDも添付。

あと、自分がリサイタルやるとしたらこういう曲目でできますという、プログラムの提案も、3パターンくらい考えてこれも売り込みセットに添付。そして各自、自分のプログラミングや経歴がどういう風にオリジナリティがあり、他の人と違う点があるかということも、売り込みの手紙内でアピールしなければならない。

ちなみに私は
はてどうやってオリジナリティを出そうと考えたあげく、結局自分の本能(?)に従って作成したところ

1時間まるまるラフマニノフオンリーで固めた
「Rachma-holic(ラフマニノフ中毒)」
という名のプログラミングが2パターンできました(笑)

さすがに3パターンともラフマニノフオンリーで固めたら、何が何でもラフマニノフしか弾かないつもりかと誤解されかねないので、3パターン目はバッハ、ベートーベン、バルトークなどで幅広く構成。

それにしても、こういった提出物って、音楽家としてこれからやっていこうという生徒達にとって、究極的に実践的な課題だと思う。本当にそのまんま実際に使えるし。


ちなみに、いきなり課題を課されるのではもちろんなく、批評の書き方の基本事項や、経歴の効果的な書き方、プロモーション用写真の選び方まで、一つずつちゃんと講義がありました。Music businessの専門の教授がレクチャーしにきたりとか。



基本的に受け身の性格で、ましてや自分を「売り込む」ということは涙が出るくらい苦手なので、ものすごくいい勉強になった。

日本では、まず、音楽家が自分を売り込むという発想すらあまりないし、ましてや音大で売り込み方の指導をしてくれることなんて、少なくとも私が在籍していた頃は全くなかった。

日本人って、他人を売り込むことや、商品を売り込むことはとっても上手いと思うのです。
でも、本当の意味で自分を売り込むことがうまい日本人って、滅多にいない気がする。

「セルフプロデュース能力」。

日本の音楽教育の中では見落とされがちなことだけども、本当は演奏能力と同じくらい大事なものなんじゃないかな、と思います。
by sayaka-blmusic | 2006-04-04 03:44 | ロイヤルアカデミー学校生活

最古のエレベーター!

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この古い巨大な木のドアー、一体何かというと、

うちの学校、ロイヤルアカデミーのエレベーター(イギリスではLift)なんです。
しかも中央校舎にある、れっきとしたメインのエレベーター。

初めて見たときは倉庫のドアかなんかだと勘違いしてたから、
中からわさわさ人が出てきた時は本当にびっくりした!

このドアー、見てお分かりのように、
「取手」がついてます。
つまり、自分で手動でドアを開けなきゃいけないんです。

エレベーターがとてつもない遅さで自分の階までやっと到着すると、
まず「チーン」と、いかにもアナログな音が鳴ります。
手動で「ぎぎぎーー」っとドアを開けてエレベータに乗り込み、行き先の階のボタンを押す。

のろのろのろと上がっていき、
降りる階に着くと、
「チーン」と音が鳴り、
内側のドアが開いて、
写真のように外側の木のドアが出現します。
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このドアをまた手で押して開け、
無事、目的の階に到着。

私が今までの人生で体験してきたエレベーターの中では
紛れもなく最古です。アンティーク(?)です。

1週間に1度くらいの頻度でしょっちゅう壊れ、
「Sorry, out of order!」の紙が貼られているこのエレベーター。
安全面では大丈夫なんでしょうか・・・。。
by sayaka-blmusic | 2006-03-09 23:15 | ロイヤルアカデミー学校生活

校内ミュージアムでのアルバイト

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ロイヤルアカデミーでは、奨学金を受けている生徒は学校内での様々な仕事を無償アルバイトで規定時間こなさなければいけないという決まりがあります。
学校主催のコンサートのチケットもぎり、図書館での返却業務など、色々と仕事の種類はあるのですが、私の選んだのは、学校内ミュージアム(楽器博物館のようなところ)での受付担当。ただじっと座って、人が来た時や質問を受けた時だけ対応すれば良いのでとっても簡単。


今まで学校のミュージアムって、一体誰が見に来るんだろうと思ってたんだけど、
こうやって受付をしていると
意外にも、地元の方たち始め色々な方が訪れていることに気づく。

2年前にこのミュージアムで見た文献資料の一部分をもう一度見たくて久しぶりに訪ねてきたおじさん。

通りがかりでふらっとやってきた親子。

パガニーニが実際に使っていたという伝説のバイオリンを見る為に遠方からいらした夫婦。

どう見ても「ジョギングがてら来ました!」というような半袖Tシャツ半ズボン、
しかも汗びっしょりという出で立ちで息せき切って現れ、
「ハロー!このミュージアムで17時から無料コンサートがあるって聞いたんだけど、どこにも表示がないんだよね」
今日の無料コンサートは19時からのはずですが・・と伝えると
「じゃ、家に帰ってチェックしてまた来るよ!ありがとう!がははははは」
と豪快に笑って走り去っていったおじさん。

いかにもクラシックを研究していそうな人から、
上のおじさんのように一見クラシックには縁のなさそうな人まで、
訪れる人は本当に様々。

なんていうか、
音楽大学自体が、とても地域に対してオープンだなぁと思う。


ロイヤルアカデミーでは、学校内のホールにて、
ほぼ毎日のようにランチタイムコンサートや夜のコンサート、ワークショップなどが行われ、
その殆どは、無料、もしくはほんの僅かの入場料で一般に公開されています。

出演者はロイヤルアカデミーの学生や卒業生、教授などなど。
お客さんはガラガラの時も満席の時もあって様々だけど、
誰もそんなこと気にしない。
本当に気軽でオープンな場。

生徒にとっても、演奏の機会を多く得られるチャンスだし、
地元の方たちにとっても、
これからのクラシック界を担っていくともいえる若い音楽家達の演奏を
無料でいつでも気軽に聴けるので、
両者にとって本当にメリットのあることだと思う。

ロンドン内にあるもう一つの音楽大学、ロイヤルカレッジオブミュージックでも
同じように一般公開のコンサートは連日行われているようだし、
前にニューヨークに遊びに行った時には、
ジュリアード音楽院でも、生徒による無料の一般公開コンサートが毎日行われていて、
地元の人のみならず音楽好きの観光客多く訪れていた。

日本の音楽大学でももちろん一般公開のコンサートはあるけど、
その殆どは「成績優秀者による発表会」であったり、
半年に一度の定期演奏会であったりして、
結局は、生徒と両親、その関係者で埋めつくされてしまっている気がする。

日本は、
「改まった形で、恥ずかしくないものをきちんと聴かせないと大学の名に恥じる!!」
とか思いすぎてしまっているのかしら・・・。

日本でもこんな風に、音楽大学が主催する、
学校のホールやギャラリーを使った気軽な無料ミニコンサートが
日常的に自然な形で行われていると
クラシック音楽が決して敷居の高いものではなく、
身近に楽しめるものとして社会に根付いていくのではないかなと思う。


ちなみに学校内のミニコンサートを訪れる人たちは
「義理でチケット買っちゃったからしょうがなく来た」
というパターンは殆どなく、
本当にただ純粋に音楽を楽しみたかったり、
若い人たちに演奏に興味があって訪れる人ばかり。

しかも無料。

つまり裏を返せば、
演奏がつまらなかったり期待はずれだったら
コンサートの途中だろうといつでも出て行けちゃうんです。

そう考えると、演奏家にとっては
むしろ一番シビアな演奏の場といえるかもしれません。

(写真はロイヤルアカデミーオブミュージック校舎全景)
by sayaka-blmusic | 2006-03-03 22:38 | ロイヤルアカデミー学校生活