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生徒を泣かせちゃいました・・(T T)

私はロンドンで10人ほどの生徒さんを出張レッスンで教えさせて頂いてるのですが、何故かその半分ほどが4~6歳位の男の子です。
女の子はともかく、男の子はあたまごなしに「これがド、これがレ」とか教えても、殆ど興味を持ってくれないので、その子達用のドレミカードは、フラットメイト達を巻き込んで一緒に作らせてしまった「機関車トーマスドレミカード」や「マジレンジャードレミカード」などの手作りカードを、一人一人に合わせて使用中。
すると不思議なくらい、自然とドレミに興味持ってくれるんです。

ところで今日、5歳のMくんのレッスンをしていた時のこと。
Mくんは2カ月前からピアノを始めたばかり。今日は初めて「ロンドン橋おちた」の曲に挑戦。

Mくんにとっては今までで一番むずかしい曲だったのにも関わらず
なんとか最後の音までたどりつく。
多少のミスはあったけど、Mくんなりに大健闘!と思って

「すごーいっ!最後までできたね!よく頑張ったね!!」

と手放しでほめたんです。

するとMくん、なぜか急に下を向いて黙り込んでしまった。
いつもおどけたり冗談言ったりする子で、
レッスン中暗いモードになってしまうことは今まで一度もなかったのでびっくり。
そしてしばらく黙り込んだあと、Mくんの目から涙がぽろり。

な、泣いちゃった。。。
ロンドン来てから初めて生徒を泣かせてしまった!!
どうしてどうして??
しかも怒ったあとならともかく、一生懸命弾けたからほめてあげた後なのに。。??
全く理由がわからずとまどう。

ほめられてうれしくて泣いちゃったのかな、とも一瞬思ったけど、
それとは明らかに違うとわかる、とっても悲しそうな表情。
うーん、とりあえず励ましてあげよう!と思い

「大丈夫だよ。難しかったけどすごく良くひけたもん。
はじめて左のラの音も出て来たのに上手にひけたねー!」

と励ましてあげると、どういうわけか、ますます悲しそうな表情。

するとMくん、
お母さんの方にててててーと走りよって
泣きじゃくりながら、


「せんせいがね、ぼくできてないのに、できたって言った。。」


がーーーーん。。。。

自分ではできてないと思ったのに、ほめられたことで、
逆に傷ついてしまってたみたい。。

うーん。
でも、わかるな、その気持ち。
できてもできてなくても、全く同じように
「Good!」とか「Perfect!」とか「いいですねぇー」を連発されてしまうと
逆に何だかバカにされているような気がしてしまって悲しくなることって、
大人でもよくある事なような気がする。
真っすぐ向かい合ってもらってない悲しさというか。

子供の心はおとなの数倍繊細。
とっても傷つけてしまったのかもしれないと思うと、
すごくかわいそうなことをしてしまったな、と思う。

たぶん、子供は私達が思っている以上に敏感で、
私達が本気で向かい合って接してあげているかを
ちゃんと見抜いてる。

たくさんほめて上げるのはとっても大切なことだけど、
その子が自分自身でほんとにできた!って思った時に
思いっきりほめてあげてこそ、
意味があるのかもしれないな。



小さな子供たちと接していると、
毎日いろいろ子供たちの方から教わることがたくさんあります。

私は出張レッスンに必ず持参している、
子供たちに大人気のアライグマのぬいぐるみがあるのですが、
「ぼくのピアノ、きかせてあげるんだー」といいながら、
私のぬいぐるみをピアノの横のちょこんと座らせて
うれしそうにピアノを聴かせてあげてる姿を見ると、
ほんと可愛くて、抱きしめてあげたくなる。
あまりにも純粋に楽しそうに弾いてるもんだから、
なんだか羨ましくなって切なくなってしまう位。


ところで、結局Mくんはその後どうなったかというと、
気分転換に一緒に「あめふりクマの子」を歌ったら一気に元気になり、
「らいねんもまたきてね~」とにこにこバイバイしてくれました。よかった^^

楽しいことは楽しい、つまらないことはつまらない、
悲しいことは悲しい、わくわくすることはわくわく。
感じたことはそのままに表現する子供たち。

いつでも返ってくるのは純粋な生の反応。

あの子達の前では、まだ自分のピアノの演奏を聴いてもらう自信はないな(笑)
by sayaka-blmusic | 2005-12-17 10:43 | ひとりごと
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