7月23日(金)に行われたチャリティートーク&コンサート 「アフリカピグミーの森へ」第二回目のコンサート、無事終了しました。7月9日に行ったピグミー研究者の服部志帆さんとのコラボレーションイベントの追加公演です。(第一回目のレポートはこちら) 第一回目と会場も同じでプログラムもほぼ同じだったのですが、今回違ったのが、司会進行役! 第一回目の時に司会をして下さったCultural Consultantの西原さんが、今回はご都合が悪くなってしまったのです。今回のイベントのトークは対談形式で進んでいくため、司会進行役は必須。 さて代役をどなたにして頂くか・・と探していた時に、白羽の矢が立つ・・というか刺さって(?!)しまったのが私の夫(^-^;) 志帆さんと相談した結果、そもそもこの話が始まった時から経過を全て知っていて、リハーサルも第一回目も全て見てきてくれている夫にお願いしようということになり、第2回公演に向けては、仕事が終わった後に夜遅くまで打ち合わせに参加してもらったりして一緒に用意を進めてもらいました。うぅぅ本当に感謝です。 ということで、初めての夫婦共演(?!)です。 トーク中の志帆さん&司会進行の夫。ジャンルは違えど同じ研究者同士(夫は眼科医で緑内障の研究をしています)ということもあり、前回とはまた違った観点からのトークのやりとりも新鮮で、私もピアノ席で聞きながら色々な発見がありました。 今回は会場を横に使い、プロジェクタースクリーンではなく白い布を壁一面に張り、大画面で見て頂けるようにしてみました。(実際の会場は真っ暗なので、画像はもう少し見易いです)。 ピアノは向こう側にあります。 小さなイベントスペースだったのですが、今回も、満席となる60名以上の方にいらして頂き、真っ暗な会場で、ピグミーの焚き火のスライドを大画面に見ながらドビュッシーの「月の光」を演奏していると、まるで会場の皆さんと一緒に、アフリカの夜の森の中で、焚き火を囲んでいる錯覚になりました。 そうそう、今回のイベントの中で、ピグミーの写真とラフマニノフは全く合わなかったという話もさせて頂きました(笑)ラフマニノフピアニストと自称(?)している以上、なんとかラフマニノフの曲も一曲弾いてみたかったのですが、実際に家でスライドを流しながら合わせて弾いてみると、北国ロシアの哀愁や苦しみを歌ったラフマニノフの音楽と、南のアフリカの森でのびのび暮らしているピグミーの姿とは、面白い位に全くマッチしなかったんです(笑) そして一方ドビュッシーの曲は、アフリカなどの民族音楽でも使用されている平行5度の音程や、エキゾチックなイメージを連想させるリディアン音階や全音階を多用しているせいか、ピグミーのスライドに不思議なほどピッタリ!! そんな訳で、今回オリジナル曲以外の、クラシック曲からの選曲は全てドビュッシーとなりました。 終わった後、ピアノ、トーク、司会進行の出演者3人で記念写真。 そして、受付を手伝って下さって皆さんと一緒に記念撮影。 今回も、沢山の方のご協力でイベントを無事終了させることができました。本当にありがとうございます! -------------------------- <2回の公演を終えてみて> 9日の公演も、23日の公演も、 終わった後、メールなどで、色々な方から色々なご意見を頂きました。 演奏の感想もですが、 それだけでなく、ピグミーの支援のあり方に対する貴重なご意見などなど・・。それぞれ違う立場からのご意見で、全く正反対の両極端の意見などもあったりしたのですが、全て「なるほど」と思わせられることばかりで、とても色々なことを、考えさせられました。 特に今回のようなチャリティイベントでは、お客様に募金を募ってお金を出して頂くからには、出演者一同が、イベント全体を通して何が伝えたいのかを、明確に伝えるという責任があるし、そのために構成をどうするか、プログラムには何をどう載せるか、言葉をどう選ぶかなど、隅々まで考えなくてはいけないことに、改めて気づきました。 今まで、普通のいわゆるクラシックコンサートを行う時には、 ピアノの練習だけをして、当日ピアノを弾いて、ピアノの感想を頂いて・・とある意味お気楽な立場で良かったのが、このようにチャリティイベントを企画するということは、全く違う難しさ、大変さがあるなぁ・・と、身をもって感じました。 音楽、なかでもクラシック音楽は特に、先進国の、しかもある一定の富裕層の娯楽のためだけの役割になってしまうことが多い気がします。もちろんそれが悪いわけではないけれども、そこだけに留まってしまうと、いつまでもクラシック音楽の敷居や壁の高さは壊れないし、いつまでたっても、現実社会や今実際で起きている世界の問題とはかけ離れたところでの音楽となってしまう。 今回、ピアノだけ弾いていたら、決して学べなかった沢山のことや、 決して出会えなかった沢山の方々に、 このイベントを通して出会うことができました。 途上国支援には、ICUにいた頃からずっと興味があって、いつか関わりたいと思っていたけれども、「クラシック音楽」と「途上国支援」というキーワードは、なかなか結びつけることが難しくて、今までなかなか形にすることができませんでした。 今回、オリジナル曲の作曲や即興演奏の勉強を本格的に始めたことや、なによりも 服部志帆さんに出会わせて頂いたことをきっかけに、このイベントを実現させることができて、 私にとっても志帆さんにとっても、このようなコラボレーションは全く初めての試みで、一体でどうなるか不安も沢山でしたが、思い切って挑戦してみて、本当に良かったなぁと思っています。 また、今回ピグミーのイベントのために作曲・演奏したオリジナル曲たちは、いつの日か、ピグミー支援のチャリティーを目的にしたDVDかCDの形にまとめられたらいいなぁと夢見ています。 今回のイベント実現のためにご協力頂いた沢山の方々、当日お手伝い頂いた皆様、当日会場にいらして頂いた皆様、ピグミー支援の為の募金をして下さった皆様、イベント後、貴重なご意見を下さった皆様、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました! -------------------- < そして翌日・・> そして金曜日に無事に公演が終わり、 あぁ、これで半年間準備してきた公演が2回とも終了したんだなぁ・・と、 放心状態となっていた先週末、 イベントで使った機材や荷物などの片付けが終わって、ぼーーっと一息ついていると、ジリリリリと自宅のドアのベルが。 ドアを開けてみると、私のピアノの生徒さん(大人の方)の一人であるHさん。 23日の公演にいらして下さった方です。 Hさん「先生!『ピグミーの森ケーキ』を焼いてきました!」 私「えええええ!!」 包みには、イベントのプログラムに使用したピグミーの男の子の写真のコピーを貼付けて下さっていて、その上に、今回演奏した私のオリジナル曲の題名からとって下さったケーキの名前、 「Yando no a bele Cake」 と書かれています。「Yando no a bele」とは、ピグミーの言葉で「森のおさんぽ」という意味です。(志帆さんはピグミーの言葉が話せるので、今回の曲名は全て志帆さんに命名してもらいました) 包みを開けてみると、焼きたててでまだ温かいバナナケーキのいい香り〜。 バナナと、はちみつと、ナッツたっぷりのバナナケーキです。 23日のイベントの時に、志帆さんが、ピグミーの主食の一つはプランテンバナナであり、はちみつも大事なカロリー源で木に登ってとることなどを語っていたので、それにちなんで、作って下さったそうです。 この2日間、疲れやらなんやらで、少ししょぼーーんとしてしまっていた時だったので、ケーキの美味しさに加えて、Hさんのお気遣いや優しさが更に心に染みてしまい、ケーキを食べながら思わずほろりと来てしまいました。 Hさん、本当に、本当に有り難うございました・・。 その「森のおさんぽ」ケーキの元となった曲も含む、今回のイベントのために作曲した7曲のうちの3曲を、当日に使用したスライド付きで、限定公開設定でYouTubeにアップさせて頂きました。ピグミーの写真も満載なので、もしよかったら見てみて頂けたら嬉しいです。 「Yando no a bele 〜森のおさんぽ〜」 作曲・演奏 松本さやか 森と共生するピグミー達が、気ままに森をおさんぽしている様子や森の仲間達(花や虫など)を描いた一曲です。 「Mbe 〜神の踊り子たち〜」 作曲・演奏 松本さやか エジプト、の時代から「神の踊り子」と呼ばれてきたピグミーたちの、歌や踊りの様子の写真などからインスピレーションを得て作曲した曲です。 「Memories of the Forest〜やさしさにふれた時〜」作曲・演奏 松本さやか 志帆さんが初めてピグミーの森へ行き彼らと出逢い、以来合計3年間一緒に彼らと生活を共にしたエピソードや写真に曲を付けさせて頂きました。 動画の写真提供は、服部志帆さんと、京都大学カメルーン研究者の皆様です。
by sayaka-blmusic
| 2010-07-29 00:10
| コンサート関連
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