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<Part 1> ラフマニノフの巨匠ハワードシェリーとの感動の出会い!


先週末、長い間の夢が、ひとつ、叶いました。

それは、世界でただ一人、ラフマニノフの曲を、ピアノ曲、室内楽、声楽曲含め、全曲レコーディングし、ロンドンでラフマニノフ全曲演奏会シリーズを成し遂げた、ラフマニノフの巨匠、「ハワード・シェリー氏(Howard Shelley)」に、ラフマニノフの曲をレッスンしてもらうということ。


実はこの日に至るまで、長い長――――-―――― い経緯があったのです。



今回の日記は写真無しです、しかも長いです (長すぎるので分割します)、が、
私の勝手な興奮に付き合って下さる方がいらっしゃったら、読んで頂けたら嬉しいです。


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全ての始まりは2007年2月。

卒業後ふらーっと訪れた母校ロイヤルアカデミーのピアノ科掲示板を見てみると、次週のマスタークラス(公開レッスン講座)の特別ゲスト講師の欄に「ハワード・シェリー」の名が!!

ハワード・シェリーといえば、上にも書いた通り、世界でただ一人ラフマニノフの全曲録音を成し遂げた、ギネス認定並みのラフマニノフの巨匠。 現在はピアニストとしてだけでなく、指揮者としても世界中をツアーで飛び回っているので、その彼がアカデミーに特別ゲストとして来て、指導風景を目にできることなんて本当に貴重な機会。

もちろん私も彼のラフマニノフのCDを持っていたし、ラフマニノフに対する敬意や全曲演奏を成し遂げたことから来る、演奏の説得力や構築力、重さのようなものを、本当に尊敬していました。

私はこの時既にロイヤルアカデミーを卒業してしまっていたので、当然その特別クラスの受講生になることもできず、聴講も通常は無理なのですが、どうしても彼の公開講座は聴講したい!と、在学中の恩師エルトン先生に頼み込んでみました。

在学中の、私の異様なまでのラフマニノフへの固執を嫌というほど知っている(何せ試験も校内外の演奏会も殆ど全てひたすらラフマニノフの曲を選んでたので・・・) エルトン先生は、二つ返事でOKしてくれて、ハワード先生のマスタークラスの聴講にもぐりこめることに。



その日「ハワード・シェリー特別公開レッスン」をモデル生徒として受講していた現役アカデミー生たちが弾いていたのは、モーツァルト、ラフマニノフパガニーニラプソディ、ラフマニノフ2番コンチェルト。 モーツァルトの指導ももちろん素晴らしかったのですが、やっぱり俄然素晴らしかったのはラフマニノフの指導。構成的にも和声的にも曲のバックグラウンドからも全ての面から裏づけのあり、しかも分かりやすい指導で、本当に素晴らしかったです。 更に、先生自身が時々見本で弾いてくれる演奏は、(練習していない曲で、しかも超難曲をなんであんな風に弾けるの??)というくらい、完璧を通り越して観客一同みな唖然。 先生が見本で弾く度に、客席から感嘆の声と拍手が起きるほど。


公開講座が終わり、興奮冷めやらぬまま、ひとりで地下のCanteen(学生食堂)へ。

学食のテーブルに座り、紙パックジュースを吸いながら、
ふと無謀な夢が私の中でむくむくと湧き上がってきました。


うーーーん、どうしてもこの先生に、ラフマニノフの個人レッスンを受けてみたい!



でも、いまや彼の本職は、ピアニストでもピアノ教師でもなく、世界的な指揮者。

プライベートでレッスン受けるなんて、やっぱり無理だよな・・、絶対無理だよな・・。


夢は一瞬でしゅわわーっと消えそうになったのですが、
次の瞬間、もう一人の自分が待ったをかけてきました。



尋ねてみるだけなら、何も失うものはないんじゃない?



そうだよな・・・今日を逃したらもう一生会えないかもしれない。
うん、これが唯一のチャンスかも!
講座が終わって30分・・、今ならまだアカデミーにいるかもしれない!

学食のテーブルを立って、走り出した私。


Part 2 に続く・・・
by sayaka-blmusic | 2009-06-03 18:12 | ラフマニノフについて
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